TRDラリーチャレンジ Rd5 in 高山レポート

容赦なく降り注ぐ熱波の中、64台のラリーカーが駆け抜ける!

2015.07.13 TRDラリーチャレンジ2015

暑さがドライバーの体力を徐々に削る

7月12日、岐阜県高山市においてTRDラリーチャレンジin高山が開催された。道の駅「モンデウス飛騨位山」を拠点とし、今シリーズ最長の総走行距離となる170kmの行程で争われる。
「全日本ラリー選手権 ラリーハイランドマスターズ」でも使用されるコースを使うということもあり、冷静なマシンコントロール、コ・ドライバーとの連携、マシンの耐久性等さまざまな要素が試されるラリーとなる。
また当日は午前中から30℃に届くほどの真夏日となり、暑さとの戦いとなった。

  • 数日前までは冷え込んでいたという高山市。ラリー当日は真夏日となり、選手達の体力を削っていった。
    数日前までは冷え込んでいたという高山市。ラリー当日は真夏日となり、選手達の体力を削っていった。
  • セレモニアルスタートが行われたモンデウス飛騨位山には、多くのラリーファンが応援に訪れた。
    セレモニアルスタートが行われたモンデウス飛騨位山には、多くのラリーファンが応援に訪れた。

難関不落の高山ステージを攻める

高山ラウンドは、オールターマック(舗装路)の3つのステージを2周し、計6つのSS(タイムアタック区間)で行われた。
5.13kmのロングSSとなる駄吉SSは、全日本ラリー選手権でも難易度が高いとされるステージ。続く美女峠SSは2.24kmの上り。狭い道ながら、比較的スピードの乗りやすいコースとなる。アルコピアSSはギャラリーステージ。長さは2kmほどだが、スタート直後のギャラリーコーナーを抜けてからは、砂利やコケ、道路に水が流れこむスポットなどが続き、路面状況を瞬時に判断する技術が問われる最もハードなSSとなる。

  • アルコピアSSの序盤はダートに近い路面。林道コースへ入る際の路面の変化には細心の注意が必要となる。
    アルコピアSSの序盤はダートに近い路面。林道コースへ入る際の路面の変化には細心の注意が必要となる。
  • 64台ものエントリーが集まった高山ラウンド。国内屈指の人気ラリーイベントとして盛り上がりを見せる。
    64台ものエントリーが集まった高山ラウンド。国内屈指の人気ラリーイベントとして盛り上がりを見せる。

20台ものラリー86が参戦

トヨタ86エキスパートクラスとなるE-2クラスには12台の86がエントリー。毎戦激しいバトルとなるこのクラスに、全日本ラリー選手権でも活躍する鎌野・蔭山組が参戦。上位ランカーの角谷・秋田組や田原・本城組が迎え撃つ形となったが、6秒差で鎌野組が勝利した。
C-3クラスは、初参加となる中野・加藤組とランキング2位の種治・坂井組の一騎打ちの展開となったが、SS毎に1〜2秒のアドバンテージを築いた中野組が逃げ切って勝利を飾った。
毎戦多くのエントリーが集まるE-3クラスには、16台のトヨタ車が集結。事前の予想通り松嶌・赤木組、加藤・塩田組、野村・瀬川組の争いとなるが、松嶌組が5つのSSでトップタイムを記録し、見事優勝を飾った。

  • 86で参戦の鎌田・蔭山組が見事優勝。全日本ラリー選手権を戦うラリードライバーのムダのない走りを披露した。
    86で参戦の鎌野・蔭山組が見事優勝。全日本ラリー選手権を戦うラリードライバーのムダのない走りを披露した。
  • 毎戦ドライバーを変更して参戦しているアイシン50th 86 #2。今回は嬉しい優勝を勝ち取った。
    毎戦ドライバーを変更して参戦しているアイシン50th 86 #2。今回は嬉しい優勝を勝ち取った。

各クラス、ハイレベルのバトルから目が離せない

2台のエントリーとなったエキスパートヴィッツクラスのE-1クラス。序盤から僅差のバトルを展開するが、SS4において行徳・吉澤組が大幅タイムアップを果たし、それが決め手となった。
混戦のC-2クラスは天野・森組、岩城・高橋組、浜・麻田組の争いが予想されたが、天野組はマシントラブルでなかなかタイムが伸びない。岩城組と浜組でSS毎に勝利を分け合う展開となるが、コンマ9秒差で岩城組が勝利を手にした。また、ケニアのマラソンメダリスト、エリック・ワイナイナ選手もエントリー。初ラリーとは思えないスムーズな走りを見せた。
安価に中古車が手に入ることで、再び盛り上がりを見せ始めているC-1クラス。ステップアップサポート(詳細はこちら)に挑戦中の冨本・渋谷組が19歳とは思えないクレバーな走りで優勝を果たした。

  • 初めてのラリー参加で緊張していると語りながらも、見事な走りで完走を果たしたエリック ワイナイナ選手。スタート前にはワイナイナ体操をする一幕も。
    初めてのラリー参加で緊張していると語りながらも、見事な走りで完走を果たしたエリック・ワイナイナ選手。スタート前にはワイナイナ体操をする一幕も。
  • トヨタ車以外のオープンクラスにはダイハツストーリアが参戦。軽さを活かした好走を見せた。
    トヨタ車以外のオープンクラスにはダイハツストーリアが参戦。軽さを活かした好走を見せた。

新しい道を知る喜びを感じる

今回TOYOTA GAZOO Racingチームからは2台がエントリー。今年初エントリーとなるモリゾウ選手は足立さやか選手とタッグを組み高山に挑む。モリゾウ選手は「全日本ラリー選手権でも難易度の高いコースだと聞いています。久々のエントリーなので、まずは完走が第一目標。高山の道が私を受け入れてくれるか、挑戦してみたいと思います」と語り、久々のラリー参加を楽しんでいた。
ラリー経験のある桑田選手はコ・ドライバー勝又選手のトレーニングドライバーとして今回初エントリー。初めてのTRDラリーチャレンジ参戦ながら今までの経験を活かし、6位完走を果たした。

  • 2015年シリーズ初の参戦となったモリゾウ選手。ラリーの楽しさを全身で感じていた。
    2015年シリーズ初の参戦となったモリゾウ選手。ラリーの楽しさを全身で感じていた。
  • 光る速さを見せた桑田選手。コ・ドライバーの勝又選手も好アシストでサポートした。
    光る速さを見せた桑田選手。コ・ドライバーの勝又選手も好アシストでサポートした。

クラス別順位結果(上位3クルー)

class - E-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
鎌野 賢志/蔭山 恵
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
角谷 豪也/秋田 典昭
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
田原 憲/本城 祐太朗
トヨタ 86
class - C-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
中野 勝文/加藤 健
トヨタ 86
2位 ドライバー/コ・ドライバー
種治 芳尚/坂井 理紗
トヨタ 86
3位 ドライバー/コ・ドライバー
若松 仁/枝元 惇
トヨタ 86
class - E-3
1位 ドライバー/コ・ドライバー
松嶌 裕貴/赤木 弥生
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
野村 長/瀬川 勉
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
池田 みき/明治 慎太郎
トヨタ セリカ
class - E-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
行徳 聡/吉澤 慎司
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
稲垣 和也/寺田 昌弘
トヨタ ヴィッツ
   
 
 
class - C-2
1位 ドライバー/コ・ドライバー
岩城 昇/高橋 功
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
浜 清志/麻田 学
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
梅村 祐葵/堀 祐葵
トヨタ セリカ
class - C-1
1位 ドライバー/コ・ドライバー
冨本 諒/渋谷 叶
トヨタ ヴィッツ
2位 ドライバー/コ・ドライバー
森田 浩平/北村 信
トヨタ ヴィッツ
3位 ドライバー/コ・ドライバー
恩田 倫明/原田 寛之
トヨタ セリカ

TRDラリーチャレンジのクラス区分はこちらを参照ください。