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SUPER GT 2015年シーズン開幕へのプロローグ Part 5

トヨタテクノクラフト TRDモータースポーツ開発部
SUPER GT担当エンジニア

清水信太郎エンジニア
「2015年型LEXUS RC Fはすべての面でステップアップした
特に車体の軽量と空気抵抗の軽減に務める」

TRDでSUPER GTを担当する清水信太郎エンジニア 昨年は惜しくもタイトル獲得を逃したので、シーズン終了後にライバルとの性能差をきちんと分析することから今年のマシンの開発を始めました。その結果、クルマの全域においてステップアップをする必要があるという結論に達しました。その中でも特に力を注ぐべきだと感じたのは、軽量化と空力性能の向上です。
車体に関してはモノコックなどが共通部品化されているので大きく変えることは難しいのですが、クルマを軽くしたり、壊れやすかった部分を対策するなど基礎体力を高めていき、全域でのボトムアップをはかりました。
空力は、ダウンフォース(空気の力で車体を路面に押し付ける力)はしっかり出ていたと思いますが、富士など長い直線のあるコースでは速度があまり伸びず苦労するようなシーンもありました。その部分を大きな問題ととらえ、ドラッグ(空気抵抗)を減らすことに注力しました。とはいえ、ラップタイムを求めるとやはりダウンフォースも欠かせないので、その両方を引き上げるような開発を行いました。
サスペンションに関しては、長年SUPER GTでやってきた経験の蓄積があり、新しいクルマについても去年1年レースを戦う中で、各チームと協力しながらパターンを当てはめる作業を行いました。それについてはうまくいったと思うので、今年も同様の作業を続けていくことになります。
タイヤは非常にハイレベルな競走が行われているので、タイヤメーカーとベクトル(改良の方向性)を合わせて開発をしました。予選など一発の速さ、そしてレースディスタンスでのロングラン(決勝で1つのセットで走る長距離の走行)の速さなど、全域での性能向上を図っています。
このように、我々のクルマは全体として去年よりもさらに性能が上がっています。しかし、ライバルも進化しており実力は拮抗しているので、手を休めることなく開発を続ける必要があると思っています。