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WECとは?

WECとは?

数多くの伝統を誇る耐久選手権
4クラスの車両が混走で戦う

最上位LMP1は最新ハイブリッド技術で競う

 世界耐久選手権(World Endurance Championship=WEC)の名称として2012年から開催。FIA・国際自動車連盟(Federation Internationale de l'Automobile)がル・マン24時間耐久レースを主催するACO・フランス西部自動車クラブ(Automobile Club de l'Ouest)と協力、選手権を運営する。1953年から変遷をたどりつつ1992年まで開催された世界選手権としてのスポーツカー耐久レースを継承し、2010年から2年間、ACOが開催したインターコンチネンタル・ル・マン・カップ(ILMC)を発展させた形で発足した。FIAが統括するF1、WRC、WTCC、WorldRX(世界ラリークロス選手権)と同じく、世界選手権のひとつでもある。

 車両はスポーツプロトタイプカーとグランドツーリング(GT)カーに大きく区分され、スポーツプロトタイプカーがLMP1とLMP2、GTカーはLMGTE-PROとLMGTE-AMの計4クラスがあり、レースでは全クラスの車両が混走でレースを戦う。LMP1に参加するメーカー系チームは、ハイブリッド車での参加となり、耐久レースを最新技術によって争っている。

トヨタ・レーシングはTS040 HYBRIDを投入、ドライバーは2015年も同様ラインナップで戦う

2015年は日本の富士をはじめ8カ国全8戦で争われる

 2015年シーズンは、4月のシルバーストンサーキット(イギリス)で開幕、6月のル・マン24時間レースを含む全8戦を実施。ヨーロッパを中心に、北米、アジアへも遠征、11月のバーレーン・インターナショナル・サーキット(バーレーン)で最終戦を迎える。2012年のシリーズ開催時から日本でも10月に富士スピードウェイで開催されている。
 レース距離は、ル・マン戦を除いて6時間で行われており、チャンピオンシップとして、ドライバーズタイトルおよびマニファクチャラーズタイトルがプロトタイプとGT部門に分かれて車両開発を行う自動車メーカーに与えられる他、各クラスチャンピオンにもタイトルが授与される。

2015年も全8戦で開催されるWEC

カテゴリー

参戦車両は、LMP1、LMP2、LMGTE-PRO、LMGTE-AMの4クラス。加えて出場選手はキャリアに基づき格付けされる。トップクラスのプロドライバーは「プラチナ」となり、以下「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の全4段階に類別。ブロンズの選手はLMP1に出場できないなど類別による参戦条件のほか、クラス毎に選手編成の制限を設けている。

Le Mans Prototype 1(LMP1-H / LMP1)

LMP1-H

LMP1-L
自動車メーカー系ワークスチームが独自設計した車両を主とし、エネルギー回生システムを装備する車両をLMP1 Hybrid(LMP1-H)とする。システムを搭載しないプライベーターの車両はLMP1となる。車両は屋根のあるクローズドカー。ゼッケンカラーと順位識別は赤。ハイブリッド車は赤地に白の文字で「HY」と書かれたゼッケンも装着する。
車両は、全長4,650mm以下、全幅1800mm以上1900mm以下、全高1050mm以下。最低車重はLMP1−Hが870kg、LMP1は850kg。燃料の流量を制限するため燃料流量計の装備が義務付けられる。LMP1-Hのエンジン気筒数と最大排気量は自由だが、それ以外は5500cc以下。ただし、どちらも4ストロークのレシプロエンジンとする。TS040 HYBRIDはV8・3700ccの自然吸気エンジンを採用。また、エネルギー回生システム(ERS)は放出エネルギー量6MJを採用する。燃料タンク最大容量は、ガソリン車が68.3リッター、ディーゼル車は54.2リッターとなっている。

Le Mans Prototype 2(LMP2)

LMP2 主にプライベーターが対象の競技専用プロトタイプカーとする。市販のシャシーとエンジンを組み合わせた車両がLMP2であり、各価格には上限が設定されるなど、様々な制限がある。車両はオープンまたはクローズドカー。ゼッケンカラーと順位識別灯は青。
最低車重は900kg、エンジンは量産ベースに限定され、自然吸気エンジンでは5000cc・8気筒、過給式エンジンは3200cc・6気筒まで。燃料タンク最大容量は75リッター。参戦にあたり、少なくとも1名のシルバーまたはブロンズの選手を組み入れることが必要。

Le Mans Grand Touring Endurance Pro(LMGTE Pro)

GTE-PRO 車両は2ドア、2座席または2+2(前後に2座席)のオープンまたはクローズドボディの市販のスポーツカーをベースとした競技車両が主で、多くのプロドライバーが参戦する。ゼッケンカラーと順位識別灯は緑。
最低車重は1245kg、自然吸気エンジンが5500cc、過給式エンジンは4000ccまで。燃料タンク最大容量は90リッター。パドルシフトは条件付きで可能。4WD、オートマチック、セミオートマチック・ギアボックス、アクティブ・サスペンションは禁止される。ドライバー類別の制限はないが、結果的にプロドライバーのゴールド、シルバーが中心。

Le Mans Grand Touring Endurance Am(LMGTE Am)

GTE-AM LMGTE Proの車両と基本は同じだが、Amクラスは1年前の車両もしくは前年の規則に合致したものに限定。呼称のとおり、アマチュア向けとして定義されている。ゼッケンカラーと順位識別灯は橙。
車両はProクラスの規定に準じる一方で、参戦にあたっては少なくともブロンズの選手を1名と、ブロンズまたはシルバーの選手を1名組み入れて編成することが必要とされる。

2015年の主な変更点

ル・マン式スタート

現在、ル・マン24時間レースで行われている「ル・マン式スタート」を全戦で採用する。古くは整列したドライバーがコースを挟んで反対側に配置された車両に駆け寄り、乗車してスタートする意味だったが、近年はピットウォールに沿って勢揃いするレースカーがグランドスタンド方向に並べられ、チームスタッフがグリッドに整列して国歌を歌うスタイルとなっている。

予選方式

アタックの時間が25分から20分へと短縮。各車両2選手が出走するのは前年同様だが、2ベストラップタイムの平均ではなく、各選手のベストラップの平均で争うことになった。

LMP1-Hにおけるエンジンの使用数制限

LMP1-H車両は、シーズン中に使用可能なエンジン数が1台につき5機までに制限された。但し、新規参戦の場合は7機。また、スポット参戦の場合は、1レース1台につき2機となる。

タイヤ本数の制限

ル・マン24時間レースを除き、6時間レースでの使用可能なスリックタイヤの本数が制限された。フリープラクティス中はLMP1とLMGT-PRO/AMでは4セット、LMP2は3セットに。一方、予選から決勝においては、LMP1とLMGT-PRO/AMで6セット、LMP2は4セットを使用できる。なお、LMP1のみ上海戦とバーレーン戦の予選・決勝は8セットとなる。なお、レースウィーク中、パンクやダメージを負った場合は2本までペナルティなしでの交換が可能。

ドライバーの体重の平均化

LMP1では、出場選手の最低体重を申告する義務を負う。チームの平均が80kg以下の場合はウェイトを搭載して80kgにする必要がある。

LMP1の呼称区分変更

LMP1ではハイブリッド車をLMP1-H、それ以外をLMP1-Lと表記して区分してきたが、今年から、メーカーが参戦する「LMP1 Hybird」とプライベーターの「LMP1 non Hybrid」に区分、リザルトなどには「LMP1-H」のみ表記する。なお、プライベーターを対象としたチャンピオンシップは継続される。

チームスタッフの人数制限

第3戦ル・マン24時間レース以降、各チーム内のスタッフ数を制限する。2台体制では65名、3台体制は90名となった。

WEC ポイントシステム(2015年)

決勝順位 優勝 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位
以下
ポール
ポジション
ポイント 25 18 15 12 10 8 6 4 2 1 0.5 1

※ル・マン24時間レースは2倍のポイントが与えられる