- Round1
- TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.1 ツインリンクもてぎプレビュー
シリーズ開始から5年目で大変革を迎えた
86/BRZ Race
2013年にシリーズが開幕した「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」。ナンバー付きワンメイク車両で競う参加型モータースポーツとして大人気となっている同レースが、4月1日に開催されるツインリンクもてぎラウンドで5年目のシーズンを迎える。
年を追うごとにエントリー台数が増えている86/BRZ Raceは、2016年シーズンの延べ参加台数が706台で、約190名(内45名が初参戦者)のドライバーが、ワンメイクならではの白熱した接近戦バトルを繰り広げた。
これまで毎年のようにより魅力あるレースを作り上げるために改善が加えられてきたが、過去4シーズンで大幅にレギュレーションや仕組みが変わったのはプロフェッショナルシリーズとクラブマンシリーズの2シリーズ制となった2015年だった。
プロは全台が新車に刷新、
クラブマンは前・後期混走となる
そして今シーズンは、その2015年を越えるシリーズ改革を実行。まず、プロフェッショナルは昨年8月にマイナーチェンジを実施した「後期モデル」のみの戦いとなる。クラブマンについては前・後期モデルともにエントリーが認められている。つまり、プロフェッショナルは全車両が新車となるのだ。車両の変更は、今までの4シーズンで積み上げてきたセッティングなどのノウハウがゼロになるということ。一層の混戦が予想される。
一方のレギュレーション変更は、プロフェッショナルが未使用タイヤでの予選スタートとなることや、キャンバー角の最大値が決められたこと、運営を行うT.R.Aが公式車検以外にECUやサスペンション、排気系などの独自の車検を実施することが挙げられる。ドライバーの純粋なテクニックが勝負の鍵となることが狙いで、より厳格なレギュレーションが敷かれることとなった。
全10戦のシリーズ戦となり
ダブルヘッダーも初開催
シーズンの日程に目を移すと、第5大会となっている7月29日~30日の十勝スピードウェイラウンドが初のダブルヘッダーで、土日で2戦が開催される。また、昨年まで特別戦としてシリーズ対象外だったTGRFラウンドが最終戦になった。これらのカレンダー変更によって、今シーズンは計9大会10戦が組まれている。1位から10位まで獲得できるポイントに変更はないが、シリーズチャンピオンを決定する有効ポイントについては全10戦となったことでプロフェッショナルが7戦、クラブマンが5戦と昨シーズンより有効となるラウンドが1戦ずつ増えている。プロフェッショナルは、第2戦のオートポリスラウンドのポイントが1.5倍となるボーナス戦で、クラブマンについては全10戦ともに通常のポイント制度で戦う。
チーム移籍などで
チャンピオン争いは混戦
現時点で開幕戦のツインリンクもてぎラウンドにエントリーしているのは、プロフェッショナルが27台で、クラブマンが57台。プロフェッショナルについては新車の用意ができていないチームもあるようで、第2戦以降に出場台数が増えることが予想される。プロフェッショナルのシリーズチャンピオンでカーナンバー1を背負う佐々木雅弘選手は、チームを移籍してのエントリー。また、昨年シリーズ3位を獲得したK-Tunes Racingが阪口良平選手からSUPER GTでも活躍している新田守男選手にドライバーチェンジするなどチームやドライバーの顔ぶれにも変化が見られる。
クラブマンは昨年のシリーズチャンピオンが出場を見合わせているが、ランキング2位以降の選手はエントリーリストに名を連ねている。後期モデルを投入するドライバーもいるようなので、クラブマンは前・後期モデルの混走でどのような違いがでるのか見物だろう。
初戦のツインリンクもてぎラウンドは、シーズンが開幕した2013年以来の全車ニューカーでの注目のスタートになる。新たなフェーズへと入った2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceを、ぜひサーキットやMOTOR GAMES TVで見てもらいたい。
Interview
影山正彦 レースディレクター
今シーズンからプロフェッショナルでは、昨年マイナーチェンジを実施した後期モデルのみの参戦となることはすでに紹介してきた。はたして後期モデルとはどんな素性と特徴があるのか、そして前・後期モデルが混走となるクラブマンではどちらにアドバンテージがあるのか、など今シーズンの気になるポイントを影山正彦86/BRZ Raceレースディレクターに伺った。
「まず、外観の違いでいえばフロントバンパーの形が変わっています。形状が変化したことでよりダウンフォースを得られやすくなり、高速域での安定性や回頭性の高さにつながっています。車体は、リアまわりを中心に剛性アップを果たしています。剛性が上がったことでリアサスペンションの動きがスムーズになり、よりドライバーが運転しやすくなっています。また、ブレーキのコントロール性が高まったのも特徴のひとつです。シャシー性能の向上など複合的な要因ですが、旋回中でもブレーキのコントロールがしやすくなりました。よって、これまでよりもコーナリングでの勝負が激しくなるはずです。最後にエンジンは、数字では7psのアップですが体感的には10ps以上上がったように思えます。加速時のレスポンスやトルクも太くなっているので、扱いやすさが改善されたともいえるでしょう」と後期モデルになり、素性は大幅に向上しシャシー、エアロダイナミック、エンジン出力とあらゆる面でリファインされているようだ。
Interview
佐々木雅弘 2016年プロフェッショナルシリーズチャンピオン
実際に後期モデルのレースカーをテストで走らせて開幕戦にもエントリーするディフェンディングチャンピオンの佐々木雅弘選手にも後期モデルの印象や、今シーズンへの意気込みを聞いた。
「後期モデルに乗ってみて一番違いを感じるのが、リアの車体剛性の高さです。剛性があがったことでコントロールしやすくなり、さらにはトラクション性能が向上しています。それとファイナルギア比が前期モデルの4.1から4.3へ変わったことがドライバーとしては重要なポイントですね。富士スピードウェイでいえば、セクター2までは4.3ファイナルの方が合っています。ですが、登りのセクター3は2速で走れていたコーナーが3速を使わなくてはならず、シフトチェンジが慌ただしくなりました。タイムロスもあるのですが、運転の難しさを感じます。現状でタイムを比較すると前期モデルの方が速いのですが、これは4年間で煮詰めてきたセッティングデータがあるからだと思っています。後期モデルも良いセッティングが見つかれば、すぐにタイムは更新できるはずです」と、テストの段階では前期モデルでマークしたタイムに及ばないようだが、ベース車両の素性は優れているので、すぐにその戦闘力を引き出せるようになるという。
ディフェンディングチャンピオンとして追われる立場になることについては「昨シーズンは序盤こそ苦労しましたが、中盤から調子が上がってきて最終戦を待たずにチャンピオンが取れました。ただ、ドライバーは強豪そろいなので連覇できるほど甘いレースではないのです。チャレンジャーとして戦っていくつもりです」と今シーズンへの豊富を語ってくれた。
開幕前に2016年シーズンを
振り返ろう!!
2016年シーズン総集編の前編では、第1戦ツインリンクもてぎから第4戦富士スピードウェイまでをさらに後編では、第5戦十勝スピードウェイから第8戦鈴鹿サーキットまでを佐々木 雅弘選手、服部 尚貴選手、谷口 信輝選手、青木 孝行選手、阪口 良平選手、平中 克幸選手、井口 卓人選手が語り尽くします。
TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceをテレビで観戦!
全戦の模様が、CSのスポーツチャンネルJ SPORTS 3の番組「MOTOR GAMES TV」にて放映決定!レースの模様から裏側まで、観戦がもっと楽しくなる情報をお伝えします。
- 第1大会 第1戦もてぎ 放送スケジュール
- 4月24日(月)21:00~21:30(*放送後にはTOYOTA GAZOO Racing WEBサイトにて番組動画を公開する予定です。)
INFORMATION
開催場所 |
サーキット:ツインリンクもてぎ 住所 〒321-3597 栃木県芳賀郡茂木町桧山120−1 TEL:0285-64-000 URL:http://www.twinring.jp/ |
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