- Round1
- TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race Rd.1 ツインリンクもてぎ
プロフェッショナルシリーズ レポート
昨年のシリーズチャンピオン佐々木雅弘選手が
パーフェクトウィンで開幕戦を制する
いよいよ5シーズン目の開幕を迎えた「TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race」。
今期からプロフェッショナルシリーズは後期モデルのみのエントリーとなり、全エントラントが新車を投入して迎える初戦となった。開幕戦の舞台となったのは「ツインリンクもてぎ」で、2年目の2014年から4年連続で第1戦に選ばれている。
例年ならば30台を越えるマシンがプロフェッショナルにエントリーを行なってきたが、後期モデルのデリバリーが間に合っていないチームもあるようで、27台の参加となった。
タイヤメーカーによる開発競争が熾烈なことで知られる同レースは、昨年のチャンピオンタイヤとなるブリヂストン勢がシェアを伸ばしたようだ。27台が装着するタイヤを確認するとブリヂストンを履くマシンが16台、グッドイヤーが6台、ダンロップが3台、ヨコハマが2台という状況となっている。
佐々木雅弘選手が圧巻の予選で唯一レコードタイムを更新する
4月1日(土)に実施された予選は、プロフェッショナルの1時間前に行なわれたクラブマンの予選まで前夜の雨の影響が残っていた。だが、プロフェッショナルの予選開始となった12時すぎには路面は完全にドライとなり、各車がピットレーンにマシンを並べる。まずアタック1周目に好タイムを刻んだのが♯88井口卓人選手で、2分18秒336を記録。このタイムが20分間の予選後半までラップモニターの最上位となっていたが、終盤になるとアタックのタイミングを見計らっていた数台のマシンがコースイン。昨年のシリーズチャンピオンとなる♯1佐々木雅弘選手もその一台で、計測1周目で2分17秒061の驚異的なタイムをマークした。佐々木選手の予選は、昨年のポールポジションタイムを唯一更新し、2位に約1秒の差をつける圧巻のアタックラップだった。佐々木選手に続いたのは♯97近藤翼選手で2分18秒146、3位には井口選手がつけた。
好スタートからレースをコントロールし他を寄せ付けない強さを披露
昨日の曇り空から一転して好天となり春らしい日差しに包まれた4月2日(日)の決勝レースは、10周によって競われることとなった。
ポールポジションからスタートした佐々木選手は、安定したスタートダッシュにより1コーナーをトップで通過。2番手には近藤選手、3番手には1つ順位をあげた♯31青木孝行選手が続いた。予選から圧倒的な速さを見せる佐々木選手は、1周目には1.2秒、2周目には1.6秒、3周目には2.5秒と周回を重ねるごとに後続を引き離しにかかる。2番手以降は拮抗した状態が続き、各車が1秒前後の差で前を追うこととなった。混沌とした状態の中でも順位を上げてきたのが、7番手スタートとなった♯770山田英二選手。3周目には6番手、4周目には5番手と順位を上げ、8周目には4番手の井口選手をヘアピンで攻略してトップ3を追った。
単独でトップを走り続けた佐々木選手の2番手との差は最大で4.9秒まで開き、後半はペースをコントロールするほどの余裕もみせ、堂々のトップチェッカー。見事にポールトゥウィンを飾り、後期モデルでの初優勝を獲得した。
2位には近藤選手、3位には青木選手、4位には山田選手、5位には井口選手が入っている。
次戦はゴールデンウィーク最後の日曜5月7日に開催される大分・オートポリス。昨年震災により開催中止となったため、約2年ぶりの九州開催にご期待ください。
リザルト
Rank | Driver | Car name | Total time | Gap |
---|---|---|---|---|
1位 | 佐々木雅弘 | 小倉クラッチ REVO86BS | 23'29.502 | - |
2位 | 近藤翼 | 神奈川トヨタ☆DTEC86R | 23'31.734 | 2.232 |
3位 | 青木孝行 | ケーエムエスフェニックス86 | 23'33.815 | 2.081 |
4位 | 山田英二 | CUSCO BS 86 | 23'35.390 | 1.575 |
5位 | 井口卓人 | CG ROBOT BRZ BS | 23'36.328 | 0.938 |
優勝者コメント
「誰よりも新型で走り込んできた成果を
開幕戦から出せて良かったです!!」
#1 佐々木雅弘選手
ディフェンディングチャンピオンとして2017年のTOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceに挑む佐々木選手。当然のようにライバルからはマークされる存在で、なおかつワンメイクの拮抗した状況だと簡単に勝つことができないことは、エントラントやファンなどの誰もが知っているはずだ。
ところが開幕戦をみると予選では後続を約1秒も突き放すタイムでポールポジションを獲得。決勝では序盤から後続を引き離す圧倒的なパフォーマンスを発揮した。
「誰よりもオフシーズンに後期モデルで走り込んできてクルマの状態が良いことは分かっていたので、何の不安もありませんでした。とにかくミスなく走ることだけを心掛けました。スタートは後ろを見ながら平常心で発進し、3コーナーを越えたくらいに後方を見ると、それほど差がなかったので最初の2周はとくにプッシュしました。レース後半はギャップも作ることができて、ペースをコントロールしながらチェッカーを受けました」とレースを振り返ってくれた。
断トツのパフォーマンスを発揮した要因を聞くと
「練習走行の始まる金曜日までエンドレスさんに無理をいってブレーキパッドを作り続けてもらいました。後期モデルになってマシンの剛性が上がりABSの感覚が変わったのです。それとブレーキを酷使するもてぎなので、10周走ってもタレないモデルを作って欲しいと要望しました。するとギリギリで完成したパッドとクルマの相性が最高で、コントロール性も高いうえにタレないパッドでした」
また開発を担ってきたタイヤについては
「開発テストも含めて僕がどのドライバーよりも走り込んでいるのは知っていました。タイヤがどこでタレるかや、どのようにすれば熱が入るかなどもすべてを知ったうえでのレースで、最高の体制と準備ができたと思っています」
マシンが後期モデルとなったプロフェッショナルシリーズ。シーズンオフに多くの距離を走り、あらゆるデータを揃えてきた佐々木選手は、勝つべくして勝ったといえる。
次戦予告
- 2017 TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Race 第2大会 第2戦
- 開催予定:2017.5.7
場所:オートポリス