チャレンジプログラム(ラリー) 7/24~7/31 FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「Neste Rally Finland」参戦レポート

7/24~7/31 FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦「Neste Rally Finland」参戦

今回の課題

FIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦、Neste Rally FinlandのWRC2クラスに参戦。勝田、新井にとって、WRC初挑戦となる。WRCという長期間に渡るラリーを完走し、経験を得ることを目的として挑む。

今回のスケジュール

  1. 7/24
    走行テスト (Kaipolanvuori, Jamsa)
  2. 7/26-27
    Neste Rally Finland (レッキ)
  3. 7/28
    Neste Rally Finland (Shakedown(Ruuhimäki)、SS1)
  4. 7/29
    Neste Rally Finland (SS2-SS12)
  5. 7/30
    Neste Rally Finland (SS13-SS20)
  6. 7/31
    Neste Rally Finland (SS21-SS24)

7/24 sun走行テスト

走行テストでコーチ、コドライバーと話し合う新井
走行テストでコーチ、コドライバーと話し合う新井

ラリー・フィンランドでのWRCデビューに向け、走行テストを実施。前戦のラリー・エストニアでは2台ともリタイアしたため、自信を取り戻すための重要なセッションとなった。両ドライバーとも110キロを走行し、セッティングの変更を実施。燃料やスペアタイヤをこれまでより多く積んだ際の車両ハンドリングの確認等も行った。

走行テストでコーチ、コドライバーと話し合う新井
走行テストでコーチ、コドライバーと話し合う新井

7/28 thu- 31 sunNeste Rally Finland

新井・マクニール組(SS3 Halinen)
新井・マクニール組(SS3 Halinen)
勝田・パリッド組(SS17 Ouninpohja 2)
勝田・パリッド組(SS17 Ouninpohja 2)
海外メディアからインタビューを受ける新井
海外メディアからインタビューを受ける新井
最終日のスタート前、真剣な表情の勝田
最終日のスタート前、真剣な表情の勝田
  1. DAY1 (7/28)
    - Shakedown (Ruuhimäki) (4.30km)
    - SS1 Harju (2.27km)

    DAY2 (7/29)
    - SS2 Mökkiperä 1 (13.84km)
    - SS3 Halinen (6.75km)
    - SS4 Jukojärvi 1 (21.25km)
    - SS5 Surkee 1 (14.95km)
    - SS6 Horkka 1 (15.10km)
    - SS7 Äänekoski‐Valtra (7.40km)
    - SS8 Mökkiperä 2 (13.84km)
    - SS9 Jukojärvi 2 (21.25km)
    - SS10 Surkee 2 (14.95km)
    - SS11 Horkka 2 (15.10km)
    - SS12 Harju 2 (2.27km)
  2. DAY3 (7/30)
    - SS13 Ouninpohja 1 (33.00km)
    - SS14 Päijälä 1 (23.50km)
    - SS15 Pihlajakoski 1 (14.51km)
    - SS16 Saalahti 1 (4.40km)
    - SS17 Ouninpohja 2 (33.00km)
    - SS18 Päijälä 2 (23.50km)
    - SS19 Pihlajakoski 2 (14.51km)
    - SS20 Saalahti 2 (4.40km)

    DAY4 (7/31)
    - SS21 Lempää 1 (6.9km)
    - SS22 Oittila 1 (10.2km)
    - SS23 Lempää 2 (6.9km)
    - SS24 Oittila 2 (10.2km)

 Neste Rally Finlandは、勝田、新井が昨年よりトレーニングの拠点としているユバスキュラ(フィンランド)で開催され、両選手はチーム関係者や地元ファンからの大きな声援を受けながら、4日間で総SS距離333.99キロを競うラリーに挑んだ。前回のFIA欧州ラリー選手権第6戦(ERC)auto24 Rally Estoniaで共にリタイアを喫した2人は、完走することを今回の参戦の第一目標とした。

 勝田貴元、ダニエル・バリット組は堅実な走りでクラス12位、総合27位で完走、新井大輝、グレン・マクニール組は最終日まで安定した走りを継続していたが、ステージを2つ残してリタイアするという惜しい結果に終わった。新井は3日目のSS16ではクラス6位のタイムを出すなど調子を上げていたが、4日目のSS22でコーナーリング中にコーナー外側の木にリヤをヒットした結果、走行継続不可となった。一方、はやる気持ちを抑え、十分なマージンを取った走りに徹した勝田は、途中葛藤の表情を見せながらも、完走という目標を達成し、最後は清々しい表情で完走表彰を受けた。

 チーフインストラクターのヨウニ・アンプヤは「新井のリタイアは非常に残念だったが、2人とも十分な競技距離を走行し、世界レベルのラリーがどんなものかを理解することができたはずだ。この経験をもとに、また新たな一歩が踏み出せると考えている」と語った。

新井・マクニール組(SS3 Halinen)
新井・マクニール組(SS3 Halinen)
勝田・パリッド組(SS17 Ouninpohja 2)
勝田・パリッド組(SS17 Ouninpohja 2)
海外メディアからインタビューを受ける新井
海外メディアからインタビューを受ける新井
最終日のスタート前、真剣な表情の勝田
最終日のスタート前、真剣な表情の勝田

トレーニング日記

Hiroki Arai
今回の目標
常にコンスタントなタイムでクリーンにステージを走ること
参戦して感じたこと
今回は残り2本というところでリタイアに終わってしまい、とても悔しいです。今回のミスは、一言で言うのは難しいのですが、自分のペースノートに迷いがあったことが一番の原因だと思っています。このラリーは今まで出場してきたイベントの中で最も難しいラリーでした。常に130km/hでクレストやジャンプを含む複合コーナーはペースノートスキルを最大限に試されるステージでした。他のトップ選手達と同じステージでタイムを比較できるので自分のレベルを把握できる最高の機会でした。
今回学んだこと、成長できたと思う部分
まだまだ経験が浅いせいでトップと同じようなスピードで走れるステージもあれば、かなり離されてしまうステージもありました。今後一定のペースで走りきれるようになればラリーが組み立てやすくなるのでこれが今後の自分の課題です。
最終日でクラッシュしてしまった原因は自分のペースノート表記のイメージが確立できていなかった事。今回のラリーを通して、トップの選手達が走っているペース、そして自分の課題となるペースノートの部分が明確になったので次回に生かせると思います。
Takamoto Katsuta
今回の目標
初めてのWRC、また長いラリーなので、より多くの経験を積むために、まず完走すること。
これまでの経験を生かして、初日から最終日までの間に少しづつドライビングの幅やペースノートへの理解をより広げていくこと。
参戦して感じたこと
まずは目標だった完走ができてうれしいです。今回のラリーは、とにかく距離が長く、また僕が今までに出場したどのラリーよりもクレストやジャンプが多く、ペースノートメイキングにおいてとても勉強になりました。それぞれのステージの特色が違うと言うよりは、一つのステージの中に様々なタイプの道がジャンクションを通して入り乱れているといった感じで、そこの状況判断や、頭の切り替えがとてもいい勉強になりました。長い4日間のラリーは精神的に厳しかったですが、常にコミュニケーションを取り、僕をコントロールしてくれたダニエルにとても感謝しています。
今回学んだこと、成長できたと思う部分
目標である完走ができたことで、自分のペースノートへの理解もより深まりました。今の僕の一番の大きな課題はペースノートのメイキングがまだ未熟なこと。ステージ中ペースノート聞いた際、頭の中で作るイメージがまだ完璧にできていないことです。ラリーフィンランドの初日には、頭の中で完璧にロングコーナーの長さをイメージしきれてないことがたくさんありました。ですが、ステージを走り切っていくごとに、僕の頭の中のイメージがより正確になってきているのを、走りながら自分でも実感していました。最後の方はペースノートに対する不安もどんどんなくなっていき、このコーナーはもっとペースノートをこういう風にした方が良かったな、など落ち着いて考えながら走ることができ、次に大きく繋がるラリーになりました。
講師 ヨウニ・アンプヤ
チーフインストラクター
ヨウニ・アンプヤ
今回のまとめ

新井のリタイアは非常に残念であったが、全体として今回のラリーは満足できるものと考えている。両ドライバーにとって非常に重要な週末となり、ラリーの最高峰の舞台で新しいことにたくさん直面した。今回のWRCへの参戦を通し、両ドライバーはスポーツとしてのラリーをより深く知ることとなり、現時点の自分の強みと弱みについてより理解を深めた。プロのラリードライバーになるためにどのくらい努力が必要かをより理解したはずである。WRCという長期間にわたるラリーは体力的、精神的に非常に厳しい。競技中に高い集中力を保つためには、体力と精神力の強さが求められる。両ドライバーとも、体力面ではまだまだ努力が必要である。今回の経験によって、ラリードライバーとしての自分自身をより深く理解し、今後の成長に役立ててくれると信じている。

8月19-20日に行われるフィンランド国内選手権第5戦「SM-Ralli Turku」に参戦!
応援よろしくお願いします!!

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