24時間レース前哨戦VLN2でRC Fが総合17位完走

ニュル24時間レース VLN2

 4月15-17日に開催されたニュル24時間のための「Qualifying Race」から約2週間。TOYOTA GAZOO Racingは4月30日に開催された「ニュルブルクリンク耐久選手権第2戦(VLN2)」に参戦。各マシンは短い期間で前回のQFレースでの課題となった部分の改善を実施して挑んだ。
29日に行われた練習走行は、順調に走るC-HR Racing、RC Fに対し、RCは午後の走行でエンジントラブルが発生。メカニックは夜を徹して修復を間に合わせた。

  • 順調に走行するC-HR Racing
    順調に走行するC-HR Racing
  • RCは予選での駆動系トラブルにより決勝は出走を断念
    RCは予選での駆動系トラブルにより決勝は出走を断念

 30日、朝から降っていた小雨は予選開始時に止んだが路面はウエット。8時半から1時間半の予選は、3台はまずレインタイヤを履いてアタックを開始。
RCは前日の修復作業の甲斐もあり、当初は順調に走行したが、木下隆之選手のドライブ時に駆動系トラブルでコースサイドにストップし予選は終了。その後、牽引されてパドックに戻って来たが、決勝スタートまでにトラブル修復が難しいと判断、リタイヤとなった。
C-HR Racingは順調に走行を続けレインコンディションで一時クラストップとなる走りも見せ、総合174位で予選を終えた。
RC Fは路面コンディションの変化に伴いウエットからカットスリックに変更。更に路面はドライとなりスリックへの交換も検討していた矢先に右リアタイヤがバースト。マシンはピットに戻ることができスリックに履きかえ、残り時間10分を切る中でのアタックで総合28位を獲得した。

  • LEXUS RC Fドライバー片岡選手
    LEXUS RC Fドライバー片岡選手
  • 路面コンディションの変化に伴いウェットからカットスリックに変更
    路面コンディションの変化に伴いウェットからカットスリックに変更

 12時からの4時間の決勝レースは、スタート直前に再び小雨が降りウエットとなったものの、太陽が顔を覗くと言うニュルらしい難しいコンディション。C-HR Racing、RC F共にレインタイヤでスタートとなった。

 スタートから20分経過で上位陣はスリックタイヤに交換。RC Fも2周を終了した時点でスリックへと交換を行なう。その後、路面は完全にドライへと変わったため、C-HR Racingもスリックタイヤへ交換する。
しかし、C-HR Racingはスタートから1時間15分後に影山正彦選手から「フロント左から振動あり」との報告が。ピット作業でドライブシャフトの交換をするが、振動は消えず、原因は他にありこれ以上はパドックでの対応は難しいとの判断でリタイヤとなった。
RC Fは小雨が降ったり止んだりと時々刻々と変わるコンディションの中、トラブルなく順調に走行。ゴールまで残り20分で雨足が強くなったものの、ファイナルドライバーの井口卓人選手はスリックタイヤのまま慎重に走り切り、総合17位でチェッカーを受けた。

  • 決勝スタートから約1時間15分経過後、C-HR Racingにも駆動系のトラブルが発生した
    決勝スタートから約1時間15分経過後、C-HR Racingにも駆動系のトラブルが発生した
  • RC Fは総合17位でチェッカーを受けた
    RC Fは総合17位でチェッカーを受けた

 今回はRC/C-HR Racing共に車両のトラブルが原因で満足に走れなかったが、このタイミングでトラブルが発生したことで、ニュル24時間までにクルマを改善することができると思えば、「不幸中の幸い」とも言えるだろう。
また、実戦での予期せぬトラブルにも対処すると言う意味では、今回も人とクルマが成長するいい機会にもなっている。
とはいえ、ニュル24時間まですでに1ヶ月を切っており、残された時間は僅か。もちろん3台共に様々な課題があるため、万全の体制で挑むためにエンジニア/メカニックの手は休まることはない。すべては「もっといいクルマを作り」のためである。

 

C-HR Racingチーフメカニック 大阪晃弘

「今回の駆動系のトラブルは、まだ時間があるので確実に改善を行います。それ以外の部分は順調で、ハンドリングや空力などに関しては前回(QFレース)から対策を行なった部分の効果は、我々の考えた事とドライバーからの評価も一致しています。メカニックは『大きなトラブルの時の対処』と言う意味ではいい実戦訓練ができました。慌てず安全にできていますが、更に効率的にやれるように頑張ってほしい」

RCチーフメカニック 高木実

「今回のトラブルは、原因が解り辛いものではありますが、そのような現象もあり得ると言うことが解ったので、本番に向けて手当てをしていきたいです。前回に引き続き2連チャンで、トラブルはたくさん出ましたが、トラブルが人を強くしているのも事実です。まさに『失敗は成功の元』。言葉で色々言うより、実戦で身につけるほうが絶対覚えますので」

RC F担当エンジニア 東條力

「ピットが6台全部埋まってしまうとやはり大変ですね。ただ、みんな同じ条件なのでとにかく安全第一でやっていきたいです。今回完走してタイヤのライフや燃費などが解ったので、それらを踏まえて24時間に向けて作戦を作っていきます。今回の成績はウエットが多かったので本来のスピードがあったかどうかは解りませんが、トップとの性能差を考えれば十分ではありませんが頑張ったと思います。24時間は長いので生き延びてトップ10を狙いたいです」

RESULT

SP-PRO CLASS
1位 No.160 TOYOTA GAZOO Racing with TOM'S/LEXUS RC F 総合17位
SP 2T CLASS
-位 No.380 TOYOTA GAZOO Racing/ TOYOTA C-HR Racing 総合-位
SP 3T CLASS
-位 No.300 TOYOTA GAZOO Racing/LEXUS RC 総合-位

5/28(土)~5/29(日)今年も現地から26時間の生中継決定!

ニュル24時間レース決勝は5月28日-29日。
今年もTOYOTA GAZOO Racingサイトにて現地からの26時間の生中継を予定

公式サイト内(YouTube Live)で生中継

日本時間 5/28(土) 21:30 ~ 5/29(日) 23:30

26時間生中継

ドイツ時間 5/28(土) 14:30 ~ 5/29(日) 16:30

J SPORTS オンエア

日本時間 5/28(土) 22:00 ~ 5/29(日) 23:30

5つのパートに分けて放送

※放送時間等は変更になる場合がございます。

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