Round10
ラリーチャレンジ 2016年 第10戦 渋川
レポート
ラリーチャレンジ 2016年 第10戦 渋川

梅雨明けの猛烈な暑さのなか、
高度なマシンコントロールでデッドヒートを繰り広げる!

 7月31日、群馬県渋川市を舞台としTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ in 渋川ラウンドが行われた。関東地方は28日に梅雨明けしたことから、早朝から強い日差しとともに気温が上昇していく。真夏日に迫る猛烈な暑さの中でのラリーとなったが、集まった60組の参加者達はかつて全日本ラリー選手権の舞台となった渋川総合公園内の特設観戦コースやハイレベルなコースを果敢にアタックした。
 会場内では企業や地元飲食店のブース出展とともにコース内ではデモランや同乗走行が行われ、集まった多くの観客が一日中ラリーを楽しんだ。

  • 地元特産物や自動車パーツメーカーなど多くのブースが出展されたメイン会場の渋川総合公園には、朝から多くのラリーファンや家族連れが訪れていた。
    地元特産物や自動車パーツメーカーなど多くのブースが出展されたメイン会場の渋川総合公園には、朝から多くのラリーファンや家族連れが訪れていた。
  • ハワイと姉妹都市提携しフラダンスに縁がある地元・伊香保のフラダンスチームがスタートを見送り大会に華を添えた。
    ハワイと姉妹都市提携しフラダンスに縁がある地元・伊香保のフラダンスチームがスタートを見送り大会に華を添えた。
  • 公園内SSに特設されたギャラリー観戦エリアには多くの観客が訪れ、目の前を猛烈なスピードで駆け抜けていくラリーカーに声援を送った。
    公園内SSに特設されたギャラリー観戦エリアには多くの観客が訪れ、目の前を猛烈なスピードで駆け抜けていくラリーカーに声援を送った。
  • 全日本ラリー選手権で活躍する石田雅之選手がドライバーを努め、ラリーカーでの迫力のデモランや同乗走行が行われた。
    全日本ラリー選手権で活躍する石田雅之選手がドライバーを努め、ラリーカーでの迫力のデモランや同乗走行が行われた。
E-2クラスを制した角谷・秋田組は名古屋より参戦。
E-2クラスを制した角谷・秋田組は名古屋より参戦。

 ステージ全てがターマック(舗装路)となる本戦は、2本の林道コースと公園内の特設コースを2回づつ走行することとなる。林道コースはどちらもテクニカルで難易度の高いコース設定で、滑りやすい路面と狭い道幅、そして長い下り坂が待ち構える。渋川総合公園内に設置された一般観戦可能なSS(スペシャルステージ。タイムアタック区間)は全長300mのコース。多くの観客が見守る下り坂の前を駆け下りていく。いずれのコースも、下りのマシンコントロール技術が求められるものとなった。

E-2クラスを制した角谷・秋田組は名古屋より参戦。
E-2クラスを制した角谷・秋田組は名古屋より参戦。
C-0クラスで槻島・黒澤組(上部写真(156号車)・クラス2位)と地元対決を演じた谷口・坂巻組はクラス3位入賞を獲得。
C-0クラスで槻島・黒澤組(上部写真(156号車)・クラス2位)と地元対決を演じた谷口・坂巻組はクラス3位入賞を獲得。

 各クラスで熱い戦いが展開することとなった渋川ラウンド。毎回注目を集めるE-3クラスは、山本・安藤組と田原・神谷組が僅差のまま展開。SSごとにコンマ数秒のマージンを稼ぎ、田原・神谷組が1.4秒差の勝利となった。
 チャレンジヴィッツクラスのC-2クラスには最多となる17台が参加。序盤から僅差のバトルを演じたのが厚地・川目組と毛受・中村組。今年の木曽ラウンドにコ・ドライバーとして参戦し、本戦はドライバーとしてエントリーした厚地・川目組。一方、毛受・中村組は前身となるTRDヴィッツチャレンジ時代に長年参戦を続け、今回5年ぶりの復帰となった。両組、抜きつ抜かれつの息をのむバトルを展開。厚地・川目組が接戦を制したかに思われたが、ゴール後、序盤のSS1でのフライングが判定され、結果、約3秒の僅差で毛受・中村組が勝利、復帰戦を飾った。

C-0クラスで槻島・黒澤組(上部写真(156号車)・クラス2位)と地元対決を演じた谷口・坂巻組はクラス3位入賞を獲得。
C-0クラスで槻島・黒澤組(上部写真(156号車)・クラス2位)と地元対決を演じた谷口・坂巻組はクラス3位入賞を獲得。

Rally DataTOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ in 渋川

  • 主催

    チームアルパイン群馬(T.A.G)
    群馬県前橋市荒牧町1-36-12
    渋川市総合公園(HQ)

  • 開催日

    2016年7月31日(日)

  • セレモニアルスタート会場

    渋川市総合公園

  • サービスパーク

    渋川市総合公園

  • ゴール会場

    渋川市総合公園

  • セクション数/SS本数

    2/6本

  • SSトータル距離/総走行距離

    20km/85km

  • 参加台数

    60台
    C-0 5台/C-1 5台/C-2 17台/C-3 9台
    E-1 4台/E-2 5台/E-3 11台/オープン 4台

  • 出走台数/完走台数

    60台/58台

PICK UP 1国内外のレースで活躍する木下選手がラリーに初挑戦!

過酷なニュルブルクリンクでのレース経験が豊富な木下選手だが初めてのラリーは新鮮なものだった。次第にコ・ドライバーとの呼吸が合い、ペースノートでの走行ができるようになっていった。
過酷なニュルブルクリンクでのレース経験が豊富な木下選手だが初めてのラリーは新鮮なものだった。次第にコ・ドライバーとの呼吸が合い、ペースノートでの走行ができるようになっていった。

 今回E3クラスには、ニュルブルクリンク24時間レースやスーパー耐久シリーズで活躍する木下隆之選手が、全日本ラリー選手権でも活躍中の保井隆宏選手をコ・ドライバーに迎えエントリーした。初のラリー参戦となる木下選手はペースノートを用いての走行も初体験。「公道を使っての全開走行は普段は出来ないので、最初はドキドキで目の前に見える範囲でのアタックしかできませんでした。でも後半は保井選手のペースノート読み上げが頭に入ってくるようになってきて…ペースノートと走りがシンクロした瞬間の快感は忘れられませんね!初めてのラリー、楽しかったです!」と感想を語った。

過酷なニュルブルクリンクでのレース経験が豊富な木下選手だが初めてのラリーは新鮮なものだった。次第にコ・ドライバーとの呼吸が合い、ペースノートでの走行ができるようになっていった。
過酷なニュルブルクリンクでのレース経験が豊富な木下選手だが初めてのラリーは新鮮なものだった。次第にコ・ドライバーとの呼吸が合い、ペースノートでの走行ができるようになっていった。

PICK UP 2 丹精込めて作り上げた美しいマシンを自分たちの手で走らせる学生チーム!

 ドライバー/コ・ドライバーだけではなく、メカニックも学生が主体となって長く参戦を続けるトヨタ東京自動車大学校。C-2クラスとC-1クラスにヴィッツ2台体制で、4月の木曽ラウンドに続き今年2戦目の参戦となった。チーフの黒岩先生は「状況に合わせて臨機応変に対応しなければならないラリーの現場は、勉強になることばかりです。チームの目標や作戦は生徒達が自主的に決めていますが、まずは完走が第一目標ですね」とスタート前に語った。同校で引き継いでいくラリーカーということもあり、各選手もまずは完走が目標と語った。
 無事ラリーを終え、ドライバーを務めた塩谷選手は「今年は学生生活最後のラリーとなりますが、本当に楽しかったです。就職してもラリーに挑戦したいです!」と満足気な表情で語った。

  • 学生チームのトヨタ東京自動車大学校は、学生が主体となってマシン製作・整備・チーム運営を行っていく。完走が目標とは語ったが、果敢にアタックしていた。
    学生チームのトヨタ東京自動車大学校は、学生が主体となってマシン製作・整備・チーム運営を行っていく。完走が目標とは語ったが、果敢にアタックしていた。
  • トヨタ東京自動車大学校チームからC-2クラスに参戦の「ガルーダ」は2016年東京オートサロンにも展示され注目されたマシン。インド神話の神鳥の名を冠したこのマシンは、グラインダータトゥーという特殊技法でボディサイドに大きな翼を浮かび上がらせる。
    トヨタ東京自動車大学校チームからC-2クラスに参戦の「ガルーダ」は2016年東京オートサロンにも展示され注目されたマシン。インド神話の神鳥の名を冠したこのマシンは、グラインダータトゥーという特殊技法でボディサイドに大きな翼を浮かび上がらせる。

クラス別順位

E-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 角谷 豪也/秋田 典昭/トヨタ 86
2 小倉 康宏/高田 高志/トヨタ 86
3 北爪 浩志/鈴木 博/トヨタ 86

E-3

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 田原 憲/神谷 慶祐/トヨタ 86
2 山本 悠太/安藤 裕一/トヨタ 86
3 細谷 裕一/高橋 直美/トヨタ ヴィッツ

E-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 赤木 攻/赤木 弥生/トヨタ ヴィッツ
2 永野 隆之/飯室 知也/トヨタ ヴィッツ
3 亀高 秀也/安江 広和/トヨタ ヴィッツ

C-3

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 長崎 雅志/鈴木 敬一/トヨタ 86
2 吉谷 基伸/大野 千明/トヨタ 86
3 米川 直己/米川 智美/トヨタ 86

C-2

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 毛受 広子/中村 佑太/トヨタ ヴィッツ
2 白洲 剛/宮下 貴光/トヨタ ヴィッツ
3 厚地 保幸/川目 良一/トヨタ ヴィッツ

C-1

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 岩田 晃知/増田 好洋/トヨタ ヴィッツ
2 高桑 真人/高桑 真/トヨタ ヴィッツ
3 越智 瑞穂/新井 祐一/トヨタ ヴィッツ

C-0

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 和田 利明/落合 弘志/トヨタ アクア
2 槻島 もも/黒澤 恵理/トヨタ アクア
3 谷口 いずみ/坂巻 りさ/トヨタ アクア

オープン

順位 ドライバー / コ・ドライバー / 車名
1 加藤 祐介/権田 哲也/マツダ デミオ
2 野村 翔太/中島 昌也/トヨタ ヴィッツ
3 隅田 修/隅田 祐樹/スバル インプレッサ