関口が独走のポール・トゥ・ウィンでデビュー4戦目の初優勝!
ロッテラー2位、石浦3位で続きトヨタエンジンはトップ5独占
ツインリンクもてぎでスーパーフォーミュラ第4戦が行われ、関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がデビュー4戦目にしてポール・トゥ・ウィンで初優勝。アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)、石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が2,3位表彰台を獲得。トヨタエンジンはトップ5を占める速さを見せた。
8月21日(日)は、不安定な天候だった前日とは打って変わって朝から好天に恵まれ、真夏らしい日差しと暑さの下、午後3時に52周で争われる決勝レースのフォーメーションラップが開始され、スタートが切られた。 スタートではポールポジションの関口が絶好のダッシュを見せ首位をキープ。最前列2番手の石浦は出遅れ、4位へ後退。4番手グリッドのロッテラーも好スタートで、石浦をかわすと、1周目に更に前車をかわし、2位へと浮上した。
トップを走る関口は、1周目からハイペースで後続を引き離していき、3周目にはその差は約4秒に。3位を走行していた車両がトラブルでリタイアとなったため、石浦が3位へ浮上。国本雄資(P.MU/CERUMO · INGING)、ジェームス・ロシター(KONDO RACING)と続き、トップ5をトヨタ勢が占めての序盤戦となった。 後方では、スタートの混乱で13位へとポジションを落とし、追い上げていたジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が8周目にトラブルに見舞われスローダウン。痛恨のリタイアとなってしまった。 上位勢の車両がソフトタイヤでのスタートを選択したのに対し、ミディアムタイヤを選択した中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)は、得意のスタートで11番手から8位へとジャンプアップ。13周終了時点で早めのピットへ向かい、ソフトタイヤへと交換、ペースアップを図る作戦を採った。 ファステストに肉薄するタイムで追い上げを開始した中嶋一貴だったが、途中で後方集団に追いついてしまい、それ以上のペースアップはならず。
中盤に入ると、後続グループから次々にピットイン。38周終了時に、最後の国本がピットを終えた時点で、関口が2位のロッテラーに約8秒の大差をつけてトップに復帰した。 3位の石浦は、ピット終了時には4秒近くあったロッテラーとの差をじりじりと詰めていき、激しい2位争いを展開。 その後方では、ピットで先行を許したロシターもストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をかわし、5位のポジションを奪還。その後は中嶋一貴がバンドーンを攻めての6位争い、その後ろで小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)が山本 尚貴(TEAM 無限)とのテール・トゥ・ノーズでの入賞をかけてのバトルを繰り広げた。
首位を行く関口は、2位ロッテラーとの差を8秒ほどでキープ。終盤にはややマージンを取ったペースでその差が詰まったものの、それでも6秒の大差をつけ、独走でのポール・トゥ・ウィン。今季から参戦したスーパーフォーミュラのデビュー4戦目にして嬉しい初優勝を飾った。前戦3位表彰台を獲得している関口は、この勝利でドライバーズランキングでも首位に浮上した。 2位は終盤タイヤが厳しくなり、石浦の猛攻を受けるも凌ぎきったロッテラーが入り、今季初表彰台。3位は0.6秒届かず石浦となった。4位には国本が入り、この4台はランキングでも3点以内という僅差でのトップ4を占めることとなった。 5位には今大会練習走行から好調だったロシターが続き、トヨタエンジンは真夏の熱戦で、トップ5独占という速さを見せた。 後半僅差のバトルを続けた中嶋一貴と小林は共に1秒以内の差ながら逆転ならず、7位、9位に終わった。
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車 関口雄飛:
昨日の予選からチームに本当に助けられた。昨日は戦略、クルマ共に最高で、ポールを取ることが出来た。今日のレースもスタートさえ決めて、1コーナーで前に出られればと思っていた。スタートは苦手なので、今大会はずっと練習をしてきた。今回は自分のレース人生を変えられる一戦になると思っていたので、不安もあったが、良いスタートが切れて良かった。スタートのあともとても良いペースで後続を引き離すことが出来、その後は心配なく戦えた。本当にチームに感謝している。レース前から、今年は混戦でみんなポイント差が無いので、ここで勝てばランキング上位に浮上できることが分かっていた。シリーズとしてはルーキーだが、気持ちは周りのベテランと変わらず、チャンピオンを狙うつもりで、次戦以降も勝つことだけを考えて全力で戦う。
VANTELIN TEAM TOM'S 36号車 ドライバー アンドレ・ロッテラー:
まず関口選手の初優勝を祝福したい。彼は本当に素晴らしいレーサーだ。私自身は良いスタートが切れてポジションを上げ、その後野尻選手もかわして2位に上がれたが、関口選手は我々よりも速く、その後は2位を走り続けることになった。前半スティントの終盤はペースが良かったが、周回遅れなどもあり、追い上げには到らなかった。予定よりも早めのピットで、ミディアムタイヤに履き替えてからは良いペースだったが、前を追うためにややプッシュしすぎて、終盤はタイヤが終わってしまった。それでも、2位表彰台に戻れたことは嬉しい。次戦の代替戦となった岡山は、我々にとってはあまり相性の良いコースではないが、調子は上向いているし、開幕戦よりは高い気温で良いレースが出来るのではないかと思う。
P.MU/CERUMO · INGING 1号車 ドライバー 石浦宏明:
スタートを決めてトップに立ちたかった。練習では上手く行っていたのに、本番では動き出しが悪く、イン側というポジションでややグリップが低いという影響もあって、スタートでライバルに前に出られてしまったのは失敗だった。クルマはとても速く、前車に阻まれなければもっとハイペースで走れただろう。ポテンシャル自体は高かったと思う。金曜日の時点ではライバルに対し大きな差を感じていたが、チームと共に努力を続け、着実に差を詰めることが出来、決勝前には戦える自信があった。実際に決勝を戦ってみて、タイヤの使い方などかなり進歩し、手応えも感じられたので、シーズンを考えるとかなり前向きな結果に終わって良かった。次戦は代替戦の岡山ということで、オートポリスも得意だが、2年連続で勝っている岡山は、流れを引き寄せるという意味でチャンスだと思っている。
RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第4戦 もてぎ 決勝結果
順位 | No. | ドライバー | 車両名/エンジン | 周回 | 所要時間 | 差 | ベストラップ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 20 | 関口 雄飛 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'17.584 S/M | --- | 1'36.496 |
2 | 36 | アンドレ・ロッテラー | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'23.711 S/M | 6.127 | 1'36.713 |
3 | 1 | 石浦 宏明 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'24.292 S/M | 6.708 | 1'36.461 |
4 | 2 | 国本 雄資 | P.MU/CERUMO · INGING SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'38.910 S/M | 21.326 | 1'37.103 |
5 | 3 | ジェームス・ロシター | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'49.580 S/M | 31.996 | 1'37.030 |
6 | 41 | ストフェル・バンドーン | DOCOMO DANDELION M41S SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:25'53.345 S/M | 35.761 | 1'37.142 |
7 | 37 | 中嶋 一貴 | VANTELIN KOWA TOM'S SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:25'53.918 M/S | 36.334 | 1'36.824 |
8 | 16 | 山本 尚貴 | TEAM 無限 SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:26'01.781 S/M | 44.197 | 1'37.479 |
9 | 8 | 小林 可夢偉 | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:26'02.177 M/S | 44.593 | 1'36.444 |
10 | 64 | 中嶋 大祐 | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:26'24.359 S/M | 1'06.775 | 1'37.773 |
11 | 34 | 小暮 卓史 | DRAGO CORSE SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:26'33.104 S/M | 1'15.520 | 1'37.706 |
12 | 10 | 塚越 広大 | REAL SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:26'34.008 M/S | 1'16.424 | 1'37.992 |
13 | 4 | ウィリアム・ブラー | フジ・コーポレーション KONDO SF14 TOYOTA RI4A | 52 | 1:26'39.250 M/S | 1'21.666 | 1'37.707 |
14 | 11 | 伊沢 拓也 | REAL SF14 Honda HR-414E | 52 | 1:26'40.610 S/M | 1'23.026 | 1'37.905 |
15 | 18 | 中山 雄一 | KCMG Elyse SF14 TOYOTA RI4A | 51 | 1:25'29.863 S/M | 1Lap | 1'38.296 |
65 | ベルトラン・バゲット | GREEN TEC/NAKAJIMA SF14 Honda HR-414E | 35 | 58'44.989 M/S | 17Laps | 1'37.256 | |
7 | ナレイン・カーティケヤン | SUNOCO TEAM LEMANS SF14 TOYOTA RI4A | 33 | 56'02.792 S/M | 19Laps | 1'38.014 | |
19 | ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14 TOYOTA RI4A | 7 | 11'44.600 M | 45Laps | 1'38.748 | |
40 | 野尻 智紀 | DOCOMO DANDELION M40Y SF14 Honda HR-414E | 4 | 6'38.158 S | 48Laps | 1'37.811 |