スーパーフォーミュラ 2016年 第6戦 SUGO

決勝

ポールトゥウィンで2勝目を飾ったITOCHU ENEX TEAM IMPULの星野一義監督と関口雄飛

逆境を跳ね返す圧巻の独走劇で関口雄飛が今季2勝目!
ルーキーの関口がランキングトップに再浮上し最終戦へ

 9月25日(日)スーパーフォーミュラの第6戦が行われ、セーフティカー導入などの不運をはねのけて圧倒的な独走劇を繰り広げた関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が今季2勝目を飾った。ルーキーの関口が混戦の2016年シーズンで初の2勝目を挙げ、ランキングも首位に浮上して最終戦に臨むこととなった。

 25日(日)は朝から日差しにも恵まれ、やや暑さを感じる気温27度、路面温度44度というコンディションで午後3時15分に68周で競われる第6戦決勝レースのスタートが切られた。
 ポールポジションの関口はポジションをキープ。その後方、ペナルティで3番手グリッドにひとつ降格してのスタートとなった中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が得意のダッシュを決めて関口に続く2位に浮上した。

 首位の関口がじりじりと後続を引き離していく中、追う中嶋一貴は6周目に駆動系のトラブルに見舞われスローダウン。中嶋一貴はこのトラブルを抱えたままレースを続けることとなったが、このスローダウンで6位へと順位を落としてしまった。
 この中嶋一貴のスローダウンもあり、関口は2位に7秒もの大差で独走態勢に入った。
 後方では、7周目終了時点で8位を走行していたアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が早くもピットイン。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)らも早めのピットで追い上げる作戦に出た。

 18周を終了した時点で、関口は2位に約14秒もの大差をつけて独走。ところが、19周目にチームメイトのオリベイラがスピンしコースオフ。グラベルに捕まって脱出できなくなってしまったため、セーフティカーが導入された。
 このセーフティカー導入のタイミングが関口にとっては不運となり、関口を除いた2位以下の未ピット勢が一斉にピットへ。これにより、隊列が整ったときには関口は首位にはつけていたものの、唯一ピットに入っておらず、しかも後続との大きなマージンを失うという厳しい状況となってしまった。

 しかし、23周目にセーフティカーが退出して再スタートが切られると、関口が猛烈なペースで後続との差を広げていった。ファステストラップを更新しながら、毎周約1秒ずつ2位との差を広げていった関口は、50周目を過ぎた頃には2位に30秒もの大差をつけ独走。約35秒差で55周目にピットインした関口は、燃料を給油すると、見事首位でコースに復帰して見せた。
 その後も後続を引き離す走りを続けた関口は、最終的に2位に14秒もの大差でトップチェッカー。今季2勝目を挙げた。これまでの6レース、全て異なる勝者となっていた今年のスーパーフォーミュラで、ルーキーの関口が初めて2勝目を挙げたドライバーとなった。

スタートシーン

VANTELIN TEAM TOM'Sの中嶋一貴とアンドレ・ロッテラー

ガッツポーズで2勝目のチェッカーを受ける関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

 この勝利で、関口はランキングでも首位に浮上。2位の国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)に4.5ポイント差をつけ、最終戦に臨むこととなった。
 トラブルを抱えながらも、再スタート後は終始3位を追うバトルを続けた中嶋一貴が、惜しくも逆転表彰台獲得はならず4位。ロッテラーが5位、ロシターが8位でポイント獲得。ロッテラーは首位に6ポイント差のランキング3位、中嶋一貴が7ポイント差の4位へと浮上し、最終戦での逆転に望みを繋いだ。

ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車 関口雄飛:

スタートで不安要素はあったが、今週へ向けて色んな人が助けてくれて、ある程度コツをつかみ、自信を持って臨めた。(中嶋)一貴選手がやはり好スタートを切って迫られたが、予定通り抜かれずに1コーナーをトップで通過できた。クルマのバランスも、ペースも良く、セーフティカーが入るまでは予定通りだった。セーフティカーが入ったことで、あの時点では最悪の状況となってしまったが、選手権のことも考え、1ポイントでも多く獲得すべく、ピットイン後に少しでも良い位置で戻れるよう、諦めずに毎周毎周マージンを広げるためのプッシュを続けた。ピットインの直前まで、トップで戻れるとは思っていなかった。ポイントリーダーに復帰することは出来たが、最終戦は勝者のボーナスポイントが大きく、今のポイント差はあってないようなものなので、とにかく勝ちを狙っていく。第1レースで勝って、少し余裕を持って第2レースに臨めれば最高だ。

優勝を喜ぶITOCHU ENEX TEAM IMPULの星野一義監督と関口雄飛

RESULT
スーパーフォーミュラ 2016年 第6戦 SUGO 決勝結果

順位No.ドライバー車両名/エンジン周回所要時間ベストラップ
120関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
681h22'26.480183.323km/h1'07.736
264中嶋 大祐GREEN TEC/NAKAJIMA SF14
Honda HR-414E
681h22'40.75814.2781'08.865
340野尻 智紀DOCOMO DANDELION M40Y SF14
Honda HR-414E
681h22'45.36518.8851'08.728
437中嶋 一貴VANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
681h22'45.81119.3311'08.730
536アンドレ・ロッテラーVANTELIN KOWA TOM'S SF14
TOYOTA RI4A
681h22'46.73520.2551'08.486
641ストフェル・バンドーンDOCOMO DANDELION M41S SF14
Honda HR-414E
681h22'49.58123.1011'08.657
734小暮 卓史DRAGO CORSE SF14
Honda HR-414E
681h22'50.47023.9901'08.463
83ジェームス・ロシターフジ・コーポレーション KONDO SF14
TOYOTA RI4A
681h22'53.88127.4011'08.505
965ベルトラン・バゲットGREEN TEC/NAKAJIMA SF14
Honda HR-414E
681h22'54.66228.1821'08.442
104ウィリアム・ブラーフジ・コーポレーション KONDO SF14
TOYOTA RI4A
681h23'04.48138.0011'08.553
1110塚越 広大REAL SF14
Honda HR-414E
681h23'04.80538.3251'08.747
127ナレイン・カーティケヤンSUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
681h23'05.30438.8241'08.173
1311伊沢 拓也REAL SF14
Honda HR-414E
681h23'08.67442.1941'08.293
1416山本 尚貴TEAM 無限 SF14
Honda HR-414E
681h23'16.20849.7281'08.790
152国本 雄資P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
681h23'21.00054.5201'08.384
161石浦 宏明P.MU/CERUMO · INGING SF14
TOYOTA RI4A
681h23'24.83758.3571'08.608
178小林 可夢偉SUNOCO TEAM LEMANS SF14
TOYOTA RI4A
671h22'41.2611 Lap1'08.065
19ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14
TOYOTA RI4A
1720'23.45051 Laps1'08.856
18中山 雄一KCMG Elyse SF14
TOYOTA RI4A
44'51.42964 Laps1'10.044