LEXUS GAZOO Racing

SUPER GT 2016年 第6戦 鈴鹿1000km

決勝

LEXUS勢1-2フィニッシュとなった表彰台。優勝の立川祐路と石浦宏明、2位の伊藤大輔とニック・キャシディ

鈴鹿1000kmレースで立川/石浦組38号車が今季初勝利!
伊藤/キャシディ組36号車が2位に入りLEXUS RC Fが1-2フィニッシュ

 SUPER GT第6戦鈴鹿1000kmの決勝レースが鈴鹿サーキットで行われ、立川 祐路/石浦 宏明組 ZENT CERUMO RC F 38号車が今季初勝利。伊藤 大輔/ニック・キャシディ組 au TOM'S RC F 36号車が2位で続き、LEXUS RC Fは3年連続の1000km制覇を1-2フィニッシュで飾った。

 28日(日)は前夜からの雨で、午前11時過ぎからのウォームアップ走行時は完全なウェット路面だったが、その後雨が止んで路面は乾いていき、決勝スタートの午後12時半には走行ライン上はほぼ乾いている状況。気温は27度、路面温度30度というコンディションの下、ほとんどの車両がスリックタイヤを選択して、173周、1000kmという長丁場のスタートが切られた。
 LEXUS RC F勢最上位グリッド2列目4番手からスタートを切ったWedsSport ADVAN RC F 19号車関口雄飛は、スタートでのポジションアップを図ってライバルに並びかけたが、逆にブロックされて行き場を失い、片輪がコースオフ。加速が鈍り、6位へと後退。
 8番手グリッドから好スタートを切った立川の38号車は、1周目に19号車もかわし5位へ。勢いに乗る38号車は、5周目に4位へポジションを上げると、前を行くGT-Rを猛プッシュ。12周目に3位の12号車をかわすと、その勢いで更に2位の46号車にもアタックを仕掛け、15周目にはストレートでの激しいバトルを制し、ついに2位へと浮上した。
 更に38号車の立川は首位との差をみるみるうちに詰め、テール・トゥ・ノーズへ。22周目のシケインでインに飛びこみ、8番手スタートから僅か22周で首位へと浮上して見せた。

 その後方では、11番手スタートの36号車もキャシディの好走によりポジションアップ。5位の19号車関口の後方に続くと、3台での4位争いを展開した。
 首位に浮上した38号車は、27周でピットインし、立川から石浦へとドライバーチェンジ。ピット戦略の異なるライバルをすぐにかわし、首位をキープした。
 伊藤へとドライバー交代した36号車は、35周目に5位のNSXをかわすと、45周目には前を行く国本の19号車もパス。
 2位、3位につけていたGT-R勢がトラブルとペナルティで後退したため、36号車が2位、10番手スタートから追い上げたWAKO'S 4CR RC F 6号車が19号車をかわし3位、19号車が4位と、LEXUS RC F勢がトップ4を占める前半戦となった。

 レースが折り返しを過ぎ、DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車以外の全車が3度目のピットインを終えたところで、GT300クラス車両がクラッシュし、セーフティカーが導入されたため、上位勢がそれまでに作ってきたマージンが帳消しに。特にトップ2を走っていたLEXUS RC Fは3位以下に1分近い差をつけていただけに、厳しい状況で後半戦が再開されることとなった。
 しかし、再開後も首位の38号車とそれを追う36号車の2台が3位以下を引き離すバトルを展開。115周が終わった時点で、一足先に36号車がピットへ向かい、キャシディへと交代。これを見て38号車も翌周ピットインし、石浦から立川へと交代してコースへ復帰したが、アウトラップでタイヤが温まっていない隙を突き、36号車が首位に立った。
 しかし、立川もファステストラップを更新する走りを見せ猛追。125周を過ぎたあたりで、コースの一部で強い雨が降り始め、各車がペースダウンするのをものともせずにハイペースを維持した立川の38号車は、128周目のスプーンコーナーで36号車をパス。しかし、まもなく雨が止み、コースが乾いてくると36号車のキャシディも負けじと131周目のシケインで抜き返したが、翌周のスプーンコーナーで再び38号車立川が首位へ復帰するなどLEXUS RC F同士が首位争いを展開。3位以下を10秒以上引き離し、首位の38号車を36号車が2秒以内の差で追い続ける展開となった。

スタートシーン

バトルをするWedsSport ADVAN RC F 19号車とau TOM'S RC F 36号車

WAKO'S 4CR RC F 6号車

DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車

1-2フィニッシュを飾ったZENT CERUMO RC F 38号車とau TOM'S RC F 36号車

 142周目を終えたところで首位走行中の38号車がピットインし、石浦へと交代。ここでチームが素晴らしいピット作業をこなし、翌周ピットインした36号車の前に出ることに成功。36号車の伊藤も追い上げを見せ、一時10秒近くあった差は4秒ほどに縮まったが、首位を行く石浦の38号車はその差をキープ。
 残り3周というころでかなり強い雨が降り始め、各車大きくペースダウン。38号車の石浦は最後のシケインでコースアウトするもすぐに復帰しそのままトップチェッカー。シリーズ最長の1000kmレースで今季初勝利を飾った。立川と石浦がコンビを組んで初の勝利となった。この勝利で立川/石浦組はドライバーズランキングでも2位に浮上した。
 2位には36号車。36号車の3年連続の勝利はならなかったものの、LEXUS RC Fにとっては3年連続、そして1-2フィニッシュで夏の3連戦最後のレースを飾った。36号車のニック・キャシディにとってはSUPER GTで初の表彰台獲得。
 6号車は終盤まで追い上げるGT-R 1号車とのバトルで観客を沸かせたが、ファイナルラップで1号車がストップ。6号車が4位、19号車が5位でフィニッシュし、LEXUS RC Fはトップ5に4台という活躍を見せた。

ZENT CERUMO RC F 38号車 ドライバー 立川祐路

こんなに疲れた1000kmレースは初めてだ。1周1周、最初から最後まで全開で走り続けた。正直途中疲れも感じたが、この勝つチャンスをものにしなくてはいけないと必死で走った。結果的に勝てたので、頑張った甲斐があったという思いだ。去年から石浦という最強のパートナーを得て、一緒に戦ってきたのになかなか勝てそうで勝てず、という状況が続いた。そういう意味でも、今回勝てて本当に良かった。

優勝を喜ぶLEXUS TEAM ZENT CERUMOの立川祐路、高木虎之介監督、石浦宏明

ZENT CERUMO RC F 38号車 ドライバー 石浦宏明

チーム・セルモに来て、スーパーフォーミュラではチャンピオンを取らせてもらったが、GTではなかなか勝てず、立川さんと組んで勝てていないというのは自分の中でもプレッシャーになっていたし、何とか早く勝ちたいと思っていたので、やっとその日が来て嬉しい。昨日の予選の後、立川さんがすごく悔しそうで、明日絶対に挽回すると予選直後から言っていて、その言葉通り最初のスティントでいきなりトップに立ってくれた。あの気迫を見て、自分もクルマ以上のパフォーマンスを出すような走りをしたいと思っていた。後続の追い上げも凄かったが、引き離すよりも絶対に競り勝つんだという気持ちで最後まで走った。とにかく結果が出せて本当に良かった。

au TOM'S RC F 36号車 ドライバー  伊藤大輔

予選でちょっとパフォーマンスが悪かったが、結果的にここまで巻き返して、ほぼトップ争いが出来たので、そういう意味では満足している部分もある。しかし、3連覇がかかっていた車として、どうしても勝ちたかったのに届かなかったという意味で正直悔しい気持ちもあるし、複雑な気持ちだ。ニック(キャシディ)もスタートから頼もしい走りをしてくれて、自分たちの車のパフォーマンスが良いことを確認出来、レースペース的には自信を持って挑めたので良かった。雨が降ったり止んだり、運転する方は結構どきどきしたが、今年初表彰台という意味では良いステップになったレースだと思う。まだまだポイント面ではトップに届いていないが、それでもこの暑い鈴鹿できちんと結果を出せたことを自信に、次のタイでは予選から前のポジションを狙い、主導権を握ったレースで勝ちたい。

au TOM'S RC F 36号車 ドライバー  ニック・キャシディ

自分の最初のスティントは、1周目から2台パスでき、良いスタートが切れた。その後はとても長いレースだと自分に言い聞かせてペースを保とうとしたが、周りが最初からすごくアグレッシブなので驚いた。伊藤選手も順調な走りでポジションを上げてくれて、私の2度目のスティント時に勝てると思った。3度目のスティントのアウトラップは、これまでにないほど全てを出し尽くして走り、トップに立てた。その後雨に見舞われたが、GTのスリックタイヤで雨の中を走るのは初めての経験で、経験豊富な立川選手に追い上げられてしまった。とにかくコースオフしないように安全重視で走り続けた。こんなに長いレースで、(伊藤)大輔という素晴らしいパートナーと一緒に戦えて本当に良かったし、多くの経験も積めた。次戦のタイは初めてだが、前戦富士ではLEXUS勢最上位だったし、SUGOではペナルティまでは首位を争うなど、この3レースは調子がいいのでその勢いを活かして臨みたい。GTで初めての表彰台は嬉しいが、1000kmも走って1.2秒差で勝利を逃したという意味では残念でもあるし、複雑な気分だ。

RESULT
SUPER GT 2016年 第6戦 鈴鹿1000km 決勝結果:GT500

順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
138ZENT CERUMO RC F
LEXUS RC F / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
1731'51.0145:45'34.230BS40
236au TOM'S RC F
LEXUS RC F / RI4AG
伊藤 大輔
ニック・キャシディ
1731'51.3521.242BS34
346S Road CRAFTSPORTS GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
本山 哲
高星 明誠
1731'51.1211'15.104MI30
46WAKO'S 4CR RC F
LEXUS RC F / RI4AG
大嶋 和也
A.カルダレッリ
1731'51.7271'31.514BS50
519WedsSport ADVAN RC F
LEXUS RC F / RI4AG
関口 雄飛
国本 雄資
1731'52.3721'48.254YH24
61MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
1721'52.7931LapMI100
7100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
山本 尚貴
伊沢 拓也
1721'51.7341LapBS26
839DENSO KOBELCO SARD RC F
LEXUS RC F / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
平手 晃平
1721'52.3281LapBS74
98ARTA NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
松浦 孝亮
野尻 智紀
1711'51.0672LapsBS20
1017KEIHIN NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
塚越 広大
小暮 卓史
1711'51.8672LapsBS40
1164Epson NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
中嶋 大祐
ベルトラン・バゲット
1711'52.3512LapsDL2
1224フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
佐々木 大樹
柳田 真孝
1691'50.9244LapsYH44
37KeePer TOM'S RC F
LEXUS RC F / RI4AG
ジェームス・ロシター
平川 亮
921'52.70681LapsBS60
15ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT
Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E
武藤 英紀
オリバー・ターベイ
801'51.38193LapsBS8
12カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20A
安田 裕信
J.P.デ・オリベイラ
591'52.184114LapsBS56