先行開発のRC F GT3が2015年から走ったSUPER GTのGT300クラス。2017年シーズンには開幕戦から2台の新型RC F GT3がコースを疾走した。そのデビュー戦では8位入賞、続く2戦目で早くも優勝を果たした。結果、全8戦で2勝を挙げ、ランキング3位という手応えある結果を残した。2勝を挙げた51号車のファーストドライバー、中山雄一選手のインタビューと共に、SUPER GTでのRC F GT3の奮闘を振り返る。
参戦2戦目となる富士で
初優勝を飾る
日本を中心にしたアジア地区では、日本の強豪チームが多数参戦しているSUPER GTに、2台の新型LEXUS RC F GT3が参戦した。GT300クラスはGT3車両だけでなく、日本の車両規定のGTカーも加わり激しい競争が展開されている。チームはLM Corsaで、車両はNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3(中山雄一/坪井翔組)の20代コンビと、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3(飯田章/吉本大樹組)のベテランコンビというラインアップだ。
2台のうち、No.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は早くも第1戦岡山でポイント獲得を果たす。続く500kmレースの第2戦富士では優れた燃費を活かし、予選4位から逆転優勝を飾ってみせた。新型RC F GT3にとっては、ヨーロッパで挙げた勝利に続く勝利で、SUPER GTでは初勝利。このレースではGT500クラスでもLEXUS LC500が勝利を飾り、嬉しいアベック優勝となった。
タイでの第7戦で
今季2勝目を獲得
大混戦となった第3戦オートポリスでもポイントを挙げたNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3だが、第4戦SUGOではレース中に接触というアクシデントに遭遇。このレースで躍進を果たしたのは、もう1台のNo.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3だった。予選では、GT3カーの最上位となる3位を獲得。決勝でも5位に入賞して、上位を戦うポテンシャルを示した。また、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3はチームが過去に優勝を飾った経験がある第6戦の鈴鹿1000kmでの過酷なレースを戦い抜き、決勝4位でフィニッシュ。惜しくも表彰台は届かなかったが、RC F GT3はシーズン3回目の5位入賞を飾った。
続く第7戦タイでは、決勝レーススタート直前にスコールが降り、路面が乾いていく難しい展開となる。ここで予選2位からスタートしたNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は、いち早くピットインして、レインタイヤからスリックタイヤに交換する作戦を採る。そして、長い後半を22歳のGTルーキー坪井がトップを守りきって、シーズン2勝目を記録。チャンピオン獲得の可能性を大いに残し、最終戦となる第8戦もてぎに臨んだ。
最終戦、No.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3は予選8位となり、苦しいレースとなった。250kmレースをタイヤ無交換の作戦を採り2つポジションを上げるも6位でフィニッシュ。惜しくもチャンピオンには届かなかった。最終的にNo.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3の中山/坪井組はドライバーズランキング3位に、No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3の飯田/吉本組はランキング12位で、2017年シーズンを終えた。
RC F GT3はバランスが
非常に良くて攻めやすい
来シーズンこそ
タイトルを獲得したい
−− レクサスRC F GT3をドライブした際の初めての印象は?
重量が重いのでどのような動きをするのか不安な部分がありましたが、走行をしてみると驚くほど剛性感があり、特に高速コーナーで高い安定性がありました。そしてエンジンのトルクは太く、加速の良さを感じました。富士スピードウェイでシェイクダウンテストを行いましたが、コースとの相性もバッチリで、初めての走行としてはすごいタイムを記録することができていたので、今シーズンは良い戦いができると確信しました。
−− レクサスRC F GT3の長所はどこですか?
バランスが非常に良いので、癖がなく攻めやすい。予選では自信をもって気持ちよくコーナーに飛び込むことができます。決勝ではタイヤを労わりながらペースを保つことに役立ち、ドライバーの体力の消費を抑えることもできます。また、運転がシビアでないということは、クラッシュのリスクが避けられ、コストも少なくて済むと思います。そしてクルマのトラブルに関しては、シーズンを通して記憶にありません。おかげで毎戦、最後までレースを戦い抜くことができました。
−− 2勝を挙げましたが、勝利へ繋がった最大のポイントは?
燃費の良さ、タイヤへの負担の少なさが2勝を挙げることができたポイントだと感じます。その2つのパフォーマンスが良いことにより、作戦に幅ができ、刻々と変わるコンディションに対し攻めの作戦を選択することができました。
−− 2018年に向けた目標は?
私たちは初めてRC F GT3を使用し、シーズンを戦いました。データが少ない中でも、マシンのパフォーマンスの高さでポイントを積み重ねることができ、ランキング3位を獲得しました。あと一歩足りなかったレースにおいては、原因が明確で対策は可能です。それだけに来年は、さらに高いパフォーマンスを発揮できる自信があります。もちろん、シリーズタイトル獲得が目標となります。
No.51 JMS P.MU LMcorsa RC F GT3
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | Rd.8 | 総合順位 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
4 | 8 | 4 | 1 | 7 | 6 | 7 | 13 | 17 | 9 | 5 | 6 | 2 | 1 | 8 | 6 | 3 |
※総合順位はドライバーズランキング
No.60 SYNTIUM LMcorsa RC F GT3
Rd.1 | Rd.2 | Rd.3 | Rd.4 | Rd.5 | Rd.6 | Rd.7 | Rd.8 | 総合順位 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | 予選 | 決勝 | |
22 | 22 | 21 | 8 | 21 | 12 | 3 | 5 | 23 | 27 | 6 | 4 | 21 | 6 | 15 | 18 | 12 |
※総合順位はドライバーズランキング