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平川亮の挑戦
欧州ル・マン シリーズ参戦記
第1回:新たなる挑戦への旅立ち

ELMS 第1戦 シルバーストーン4時間レース 第1回:新たなる挑戦への旅立ち

ELMS 2016年 第1戦 シルバーストーン4時間レース

シルバーストーン・サーキット(1周5.900km)
公式練習:4/15(金)、予選&決勝:4/16(土)

4/13(水)移動日

最初の課題は時差調整

こんにちは、平川 亮です。
今シーズン、僕が参戦する欧州ル・マン シリーズ、ル・マン24時間レースでの戦いをこの参戦記で毎戦お届けします。応援よろしくお願いします!

まず、熊本の地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。僕も何かできないかと考えております。少しでも早い復興を祈っております。

移動日のこの日は、朝の飛行機で羽田空港からイギリス・ヒースロー空港に飛びました。
これまでテストでは何度もヨーロッパを往復していますが、今回はいよいよレースが始まるんだなという期待と、絶対いい結果を残してやるぞという決意で、これまでとはちょっと違った気持ちでした。数日前からヨーロッパ時間に合わせるために遅寝遅起きをしていたので、飛行時間のほとんどを寝て過ごすことができました。

ヒースロー空港に到着後は、レンタカーを借りて、一人でシルバーストーン・サーキットに移動。通常ヒースローからシルバーストーン近くのホテルまで1時間半程度ですが、イギリスの道は複雑なロータリーが多く2回も道を間違えてしまい、2時間近くかかりました。

ホテルに到着したのは夕方になってから。とても眠かったのですが、時差調整のためにホテルの周りを散歩することに。しかし寒すぎて10分でリタイヤしてしまいました。世界で戦うための最初の課題は、どうやって時差調整をし、体力を維持するかだと思いました。これからも自分に合った時差調整をいろいろ試していきたいと思います。

  • ホテルの近くにあった桜の木とともに

    ホテルの近くにあった桜の木とともに

  • クルマに「頑張れ日本」の文字。チームが熊本で発生した地震へのメッセージを入れてくれた

    クルマに「頑張れ日本」の文字。チームが熊本で発生した地震へのメッセージを入れてくれた

4/14(木)サーキット入り

初めてのコースをいかに早く攻略するか

明日からの練習走行に向けて、今日やることは

①. ドライバーライセンスや装備品の検査
②. ピットストップ練習
③. トラックウォーク
④. ミーティング
⑤. ブリーフィング

の5つです。

お昼前にチームメイトのピエール(・ティリエ)とマティアス(・ベシェ)と合流し、ドライバーライセンスと(ヘルメットやグローブなどの)装備品の検査を受けに行きました。日本だとマネージャーが代行してくれたりするのですが、こちらでは全て自分でやらなければいけません。日本とヨーロッパの違いを感じました。

昼食後はまず、ピットストップ練習を行いました。ドライバー交代はかなり大変で、タイヤ交換をせずに給油のみの時は20秒ちょっとで完了しなければなりません。最初はなかなかうまくいかず、何度も試行錯誤を繰り返し、最終的には20秒前半で出来るようになりました。

次にトラックウォークを行いました。初めて走るコースでいかに短期間にトップタイムを出せるかも課題の一つです。そのためには、レースで走行するコースを実際に歩いて、走行ラインを想像しながら、縁石や路面の凹凸などの状況をしっかりと確認することが不可欠です。

シルバーストーンで走行経験があるチームメイトのマティアスに、ここのコーナーはこの辺からブレーキングでこの辺を通るのだとか、ここからは滑る路面だとか、ここは跳ねるからブレーキングでは気を付けろとか、色々なアドバイスを受けました。

ここに来る前にシミュレーターで何周もしたり、オンボード映像も何回も見て準備をしてきましたが、実際には微妙な誤差があるので、その差を埋めていきました。

  • 欧州ル・マン シリーズ用のレーシンググローブ

    欧州ル・マン シリーズ用のレーシンググローブ

  • トラックウォークの様子

    トラックウォークの様子

  • チームメイトのマティアス・ベシェからアドバイスを受ける

    チームメイトのマティアス・ベシェからアドバイスを受ける

4/15(金)公式練習日

チームの一員としてベストを尽くす

この日は朝から雨が降り続き、フリー走行1はウエットコンディションでした。僕がまず最初に7周ほど走行する予定でしたが、赤旗により5周でピットインとなりました。雨がかなり強かったため前がまともに見えず、初めて走る条件としてはかなり厳しかったですが、この時点でトップタイムをマークできました。

コース上のあちこちで路面のグリップが違ったのですごく難しく感じましたが、一方でそれを新鮮に感じ、楽しむことができました。その後はチームメイトの2人のドライバーが走ったのですが、ここでも赤旗やフルコースイエローが出たため、予定していたプランを消化出来ずにセッションを終えました。

昼前には雨があがり、フリー走行2はドライで走れました。まず僕が最初に走行しドライでの感触を掴みました。その後、チームメートが走行している間に、データロガーで自分の走りをチェックし、改善点を探しました。

そのおかげもあり、2回目の走行ではかなりタイムアップをすることが出来、この時点でまたトップタイムをマークしました。最終的にはマティアスがニュータイヤを履きさらにタイムアップし、車の調子がとても良いことを確認出来ました。

また、走行後にデータロガーやオンボード映像を見て、さらに何が改善できるかを考え、それらをエンジニアと話し合ったりしました。

<結果>
公式練習1回目:総合1位 #46 ピエール・ティリエ/マティアス・ベシェ/平川亮 2:08.679
公式練習2回目:総合1位 #46 ピエール・ティリエ/マティアス・ベシェ/平川亮 1:49.320

  • オレカ05のコックピットに収まる

    オレカ05のコックピットに収まる

  • 車の調子がとても良く、トップタイムでフリー走行終了

    車の調子がとても良く、トップタイムでフリー走行終了

  • セッションの間に車の整備を行うティリエ・バイ・TDSレーシングのメカニック

    セッションの間に車の整備を行うティリエ・バイ・TDSレーシングのメカニック

4/16(土)予選&決勝日

トラブルで早々にリタイア。レースで、ドライブできず

朝には雪が降るというとても寒いコンディションの中、お昼前に10分間の予選が行われました。僕らのチームはマティアスがアタックし、ポールポジションを獲得しました。

午後の決勝は、レコードライン上のみ乾いている難しいコンディションでのスタートとなりました。僕らのチームは、ピエールがスタートを担当、その後、僕に代わり、最後にマティアスに代わるという作戦でした。

僕らはイン側スタートで路面が濡れていたため、スタートで出遅れてしまい、順位を6~7番手まで落としました。しかし、その後はとても良いペースで走行・・・とその矢先にメカニカルトラブルによりクラッシュし、リタイヤとなってしまいました。幸いにもピエールにケガはなく安心しました。

<結果>
予選:ポールポジション #46 ピエール・ティリエ/マティアス・ベシェ/平川亮 2:06.471
決勝:リタイア #46 ピエール・ティリエ/マティアス・ベシェ/平川亮 11Laps

  • サイン会の様子。イギリスのファンも日本のファンと同じぐらい熱心。

    サイン会の様子。イギリスのファンも日本のファンと同じぐらい熱心。

  • 決勝レースは、ポールポジションからのスタート。

    決勝レースは、ポールポジションからのスタート。

  • 決勝レースのスタートシーン

    決勝レースのスタートシーン

4/17(日)レース翌日

WECのレースをコースサイドから勉強

この日はWECのレースを観戦しました。レース最初の2時間は、コース外から車の走りをチェックしました。コーナー毎で車の動きが違ったり、微妙にライン取りや走り方の違いが判り、とても勉強になりました。

今回、残念ながら僕はレースで走行することができませんでしたが、この週末で多くのことを学びました。ドライバーとしては、刻々と変わる路面状態や数多くの追い越しの中でも常に安定したペースを保ちながら次のチームメイトにバトンを渡し、クルマを完走に導くことが本当に大事だと改めて思いました。

今回学んだことを5月15日に開催される第2戦イモラに活かし、チームの勝利に少しでも貢献できるようにがんばりたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします。

  • 欧州ル・マン シリーズは土曜日でレースが終わったので、日曜日はWECのレースを観戦。

    欧州ル・マン シリーズは土曜日でレースが終わったので、日曜日はWECのレースを観戦。

  • コース外から車の走りをチェックし、とても勉強になりました

    コース外から車の走りをチェックし、とても勉強になりました