WEC

WEC 2017年 第5戦 メキシコ6時間レース

決勝

TS050 HYBRIDは無念の3位表彰台
次戦オースティンでの雪辱戦へ

WEC第5戦メキシコ6時間の決勝レースで、TOYOTA GAZOO Racingの2台のTS050 HYBRIDは苦戦。2台共にノートラブルで6時間を走り切ったが、#8号車が3位表彰台、#7号車が4位という結果に終わった。

FIA世界耐久選手権(WEC)は、メキシコシティで開催された第5戦メキシコ6時間レースでシーズン折り返し点を迎えた。TOYOTA GAZOO Racingは、シーズン開幕から順調に好成績を記録して来たが、第3戦ル・マンで勝利を逃し、その後のニュルブルクリンクでも苦しいレースを経験した。第5戦のメキシコでもコースの特徴から厳しいレースになることは予想され、予選では、2台のポルシェに最前列を奪われ、2台のTS050 HYBRIDはグリッド2列目からのスタートすることとなった。

レースは正午にスタートしたが、予想された雨はレース終了近くに僅かにコースを湿らしただけで、ほとんどドライコンディションでのレースになった。

スタートは#7号車をマイク・コンウェイが、#8号車をセバスチャン・ブエミが担当。しかし、2台ともポルシェのペースにはついて行けなかった。理由はTS050 HYBRIDのダウンフォース不足。メキシコシティは標高2285mの高地にあり気圧が低い。それに対応すべく最大限のダウンフォースを付けてきたが、それでも十分とはいえなかった。ダウンフォースが不足すればタイヤが理想的な働きをしない。ペースが上がらなかったのはそのせいといえた。

最初のスティントは#7号車が#8号車をリードしたが、スタートから90分を過ぎたところでブエミがコンウェイを交わして3位に。しかし、その後ブエミの#8号車はLMP2カーに接触され、あわやという場面もあった。

その後2台のTS050 HYBRIDは#7号車をホセ・マリア・ロペス、#8号車を中嶋一貴が引き継いだ。2台は燃料補給のピットストップで順位を入れ替えながらの走行。しかし、ダウンフォース不足でタイヤのグリップ性能が十分に発揮出来なかったこともあり、ほとんど磨耗が確認出来なかった。その結果、両車は2スティント無交換でレースを戦ったが、#7号車は3スティント無交換で走破する場面もあった。

最後のスティントに向けて#7号車は小林可夢偉に、#8号車はアンソニー・デビッドソンにドライバー交替を行ったが、そこで珍しいハプニングが起こった。近くの野球場から飛んで来たボールがコースに転がり、そのボールを取り除くためにフルコース・イエローが出された。

レース終了まで30分となった頃、僅かに雨が落ちて来たが、ウエットタイヤに交換するほどの雨ではなく、レースは何事もなかったように続けられた。TOYOTA GAZOO Racingでは、この最後のスティントでチームオーダーを行使した。2台のTS050 HYBRIDは#7号車、#8号車の順位で走行していたが、ドライバーズ選手権で上位にあるドライバーが乗る#8号車を#7号車の前でゴールさせるべく、順位を入れ替えた。その結果、#8号車は3位に入り、デビッドソン/ブエミ/中嶋は15点を追加、ドライバーズ選手権ポイント合計93点とし、41点差でトップのポルシェ#2号車を追うこととなった。今シーズンの残り4戦はTS050 HYBRIDにとって得意なコース。逆転を狙う。

野球場跡をそのまま利用したエルマノス・ロドリゲス・サーキット名物のスタジアムセクション 野球場跡をそのまま利用したエルマノス・ロドリゲス・サーキット名物のスタジアムセクション

2台のTS050 HYBRID 2台のTS050 HYBRID

エルマノス・ロドリゲス・サーキットのスタジアムセクションを走行するTS050 HYBRID 8号車 エルマノス・ロドリゲス・サーキットのスタジアムセクションを走行するTS050 HYBRID 8号車

ピット作業を行うTS050 HYBRID 7号車 ピット作業を行うTS050 HYBRID 7号車

ニュルブルクリンク、メキシコと苦しい2戦を戦ったTOYOTA GAZOO Racingは、2週間後に迫ったオースティン戦では本来のパフォーマンスを取り戻し、表彰台の中央を狙う。気温は非常に高く、路面温度も高くなるオースティンは、TS050 HYBRIDには適したコースといえる。9月16日(土)WECを戦う各チームは、再びオースティンに集まり、TOYOTA GAZOO Racingはポルシェと真っ向対決を展開する。

村田 久武 TOYOTA GAZOO Racing代表:

非常に残念なレースとなってしまいました。我々はここメキシコへ勝利を目指してやって来て、両チャンピオンシップでのポイント差を詰めるチャンスだと考えていましたが、ポルシェに敵いませんでした。 彼らの勝利を祝福します。 ドライバーを含めたチームは今週末、全員が全力でレースに挑んでくれましたが、望んでいた結果にはなりませんでした。気持ちを切り替えて次のレースに備えます。夢である世界チャンピオン獲得へ向け決して諦めることなく、次戦こそは勝利を争えるよう努力を続けます。

小林 可夢偉(TS050 HYBRID #7号車):

ベストを尽くしましたが、残念ながら今日はポルシェにプレッシャーをかけることが出来ませんでした。我々はTS050 HYBRIDがこのコースに最適ではないことは分かっていました。次戦は必ず勝利を争えるよう、全力を集中して臨みます。表彰台を逃したのは残念ですが、これもレースですし、次戦オースティンに向けて士気は高まっています。

小林 可夢偉

マイク・コンウェイ(TS050 HYBRID #7号車):

可能な限りハードにプッシュして前の2台を追いましたが、今日は満足の行くレースになりませんでした。最後までベストを尽くし、僅かな可能性に望みをかけましたが、残念ながら雨は降らず、ポルシェもクリーンなレースでした。次戦こそはもっと力強いレースを戦えるようにプッシュして行きます。

ホセ・マリア・ロペス(TS050 HYBRID #7号車):

予選ではとても良いパフォーマンスを発揮出来たので、今日の決勝レースでも高い競争力を期待していましたが、狙い通りのペースで走ることは出来ませんでした。我々はベストを尽くし、クリーンなレースを戦いました。可夢偉、マイクと共に走った今日のパフォーマンスには満足しています。

中嶋 一貴(TS050 HYBRID #8号車):

我々全員にとって厳しいレースとなってしまいましたが、少なくともノートラブルで完走し、表彰台に上れたことは良しとしなくてはならないでしょう。我々#8号車にとっては、第2戦スパ以来の表彰台であり、その点では良かったです。全体的に厳しいものとなったレースウィークですが、全力を尽くしました。

3位表彰台に上がったセバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン、中嶋一貴

セバスチャン・ブエミ(TS050 HYBRID #8号車):

厳しいレースでした。公式練習が終わった時点で難しいレースになることは予想していましたが、首位を争えるスピードはありませんでした。自分自身については3スティント、3時間以上に渡って走れたことに満足しています。信頼性も高かったですし、走りもスムースでした。ただ、速さが足りませんでした。

アンソニー・デビッドソン(TS050 HYBRID #8号車):

我々にとって非常に厳しいレースになってしまいました。ダウンフォースが足りなかったように感じられました。ストレートでは速かったのですが、コーナーでは遅く、特にツィスティなセクター2では顕著でした。個人的にも車両のバランスで苦しみ、公式練習の時とは異なっているように感じました。3位表彰台というのは現在の我々にとって全力を尽くした結果です。

RESULT
WEC 2017年 第5戦 メキシコ6時間レース 決勝レース結果

順位No.クラスチーム/車種ドライバー所要時間/差周回ベストラップタイヤ
12LMP1-Hポルシェ LMP チーム
ポルシェ 919 Hybrid
ティモ・ベルンハルト
アール・バンバー
ブレンドン・ハートレー
6:00'05.7572401'25.730M
21LMP1-Hポルシェ LMP チーム
ポルシェ 919 Hybrid
ニール・ジャニ
アンドレ・ロッテラー
ニック・タンディ
7.1412401'25.876M
38LMP1-HTOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
セバスチャン・ブエミ
アンソニー・デビッドソン
中嶋 一貴
1 Lap2391'26.445M
47LMP1-HTOYOTA GAZOO Racing
トヨタ TS050 HYBRID
マイク・コンウェイ
小林 可夢偉
ホセ・マリア・ロペス
1 Lap2391'26.240M
531LMP2ヴァイヨン・レベリオン
オレカ 07 - ギブソン
ジュリアン・キャナル
ニコラ・プロスト
ブルーノ・セナ
21 Laps2191'33.670D
636LMP2シグナテック・アルピーヌ・マットムート
アルピーヌ A470 - ギブソン
ニコラス・ラピエール
グスタボ・メネゼス
アンドレ・ネグラオ
21 Laps2191'34.373D
724LMP2CEFC マノー TRS レーシング
オレカ 07 - ギブソン
マシュー・ラオ
ベン・ハンリー
ジャン-エリック・ベルニュ
21 Laps2191'34.222D
826LMP2G-DRIVE レーシング
オレカ 07 - ギブソン
ロマン・ルシノフ
ピエール・ティリエ
アレックス・リン
21 Laps2191'33.869D
913LMP2ヴァイヨン・レベリオン
オレカ 07 - ギブソン
マティアス・ベシェ
デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン
ネルソン・ピケJr.
22 Laps2181'34.500D
1037LMP2ジャッキー・チェン DC レーシング
オレカ 07 - ギブソン
デビッド・チェン
アレックス・ブランドル
トリスタン・ゴメンディ
22 Laps2181'34.112D
1128LMP2TDS レーシング
オレカ 07 - ギブソン
フランソワ・ペロード
マシュー・バシビーレ
エマニュエル・コラール
22 Laps2181'34.366D
1225LMP2CEFC マノー TRS レーシング
オレカ 07 - ギブソン
ロベルト・ゴンザレス
シモン・トリュンマー
ヴィタリー・ペトロフ
23 Laps2171'35.140D
1338LMP2ジャッキー・チェン DC レーシング
オレカ 07 - ギブソン
ホー・ピン・タン
オリバー・ジャービス
トーマス・ローラン
29 Laps2111'33.942D
1495LMGTE Proアストンマーチン・レーシング
アストンマーチン ヴァンテージ
ニッキー・ティーム
マルコ・ソーレンセン
31 Laps2091'40.268D
1571LMGTE ProAFコルセ
フェラーリ 488 GTE
ダビデ・リゴン
サム・バード
31 Laps2091'40.212M
1691LMGTE Proポルシェ GT チーム
ポルシェ 911 RSR
リヒャルト・リエツ
フレデリック・マコヴィッキィ
32 Laps2081'40.889M
1767LMGTE Proフォード チップ・ガナッシ チームUK
フォード GT
アンディ・プリオール
ハリー・ティンクネル
33 Laps2071'40.838M
1892LMGTE Proポルシェ GT チーム
ポルシェ 911 RSR
マイケル・クリステンセン
ケヴィン・エストル
33 Laps2071'40.959M
1951LMGTE ProAFコルセ
フェラーリ 488 GTE
ジェームス・カラド
アレッサンドロ・ピエール-グイディ
34 Laps2061'40.969M
2066LMGTE Proフォード チップ・ガナッシ チームUK
フォード GT
ステファン・ミュッケ
オリヴィエ・プラ
35 Laps2051'40.864M
2177LMGTE Amデンプシー プロトン レーシング
ポルシェ 911 RSR (991)
クリスチャン・リエド
マッテオ・カイローリ
マービン・ディエンスト
36 Laps2041'41.976D
2298LMGTE Amアストンマーチン・レーシング
アストンマーチン V8 ヴァンテージ
ポール・ダラ・ラナ
ペドロ・ラミー
マティアス・ラウダ
37 Laps2031'42.231D
2386LMGTE Amガルフ レーシング UK
ポルシェ 911 RSR (991)
マイケル・ウィンライト
ベンジャミン・バーカー
ニコラス・フォスター
37 Laps2031'41.926D
2454LMGTE Amスピリット オブ レース
フェラーリ 488 GTE
トーマス・フローア
フランチェスコ・カステラッチ
ミゲル・モリーナ
39 Laps2011'41.881M
2561LMGTE Amクリアウォーター レーシング
フェラーリ 488 GTE
モク-ウェン・サン
澤 圭太
マシュー・グリフィン
41 Laps1991'42.998M
97LMGTE Proアストンマーチン・レーシング
アストンマーチン ヴァンテージ
ダレン・ターナー
ジョニー・アダム
ダニエル・セラ
157 Laps831'41.317D