昨年まで、トヨタ系のドライバーたちとメガウェブとのコラボレーションで開催していたファン感謝イベントが、今年はさらにバージョンアップした。SUPER GTを運営するGTアソシエイション、さらに、ホンダ、日産、トヨタの3メーカーの協力もあって、SUPER GTドライバーが大集結したのだ。ファンの目線でイベント作りがしたいと、舵取り役を担当したレクサスのドライバー脇阪寿一選手の考えに、ホンダの道上龍選手、日産の本山哲選手らも賛同。総勢29名のレーシングドライバーが自主的に企画、運営にあたる、画期的なイベントとなった。
SUPER GTで競い合う「ホンダNSX」や「日産GT-R」、そして「レクサスSC430」と、ライバルメーカーのマシンも仲良く展示スペースに並ぶ会場。「サーキットの外ですが、これだけのドライバーが集まりました。いかがですか?」オープニングのあいさつで胸を張った脇阪に、詰めかけたファンも、割れんばかりの拍手を送った。
トークショーのシートを求め徹夜組まで出たというその来場者は、約4000人。サーキットでは勝利に向けてピリピリとしたムードに包まれるドライバーたちも、この日ばかりは常に笑顔でリラックス。どこでも気軽に写真撮影やサインの求めに応じるなど、サービスも満点とくれば、さらにハートをガッシリつかまれたファンも多いのではないだろうか。
メインステージでウラ話いっぱいのトークショーを展開、ファンを笑いの渦へと誘ったドライバーたちは、会場のあちこちに広がるブースでさまざまなイベントにも参加した。滑りやすいコースを3輪車で全開アタック、タイムを競う「ドリフト3輪車」では、さすがプロドライバー!と思わせる巧みなテクニックで後輪を滑らせながら、カーブだらけの難コースを漕ぎまくり!ときには勢い余り、大きくコースをはみ出て苦笑いする場面も見られたけれど……。
かと思えば、子供向けの「カート講習会」に参加して、チビッコたちに手取り足取りカートの運転技術を伝授。ミニチュア版のGTマシンを使った「ラジコン大会」では、レース本番よりも(?)真剣な表情を見せる。さらに、サイン会や電気自動車の同乗試乗会など、楽しみながら何にでもホンキで取り組むドライバーたちに、ファンのテンションもますますヒートアップ。サーキットとはまた違った一体感が味わえたようだ。
その盛り上がりが最高潮になったのは、最後に用意されたメインイベント「カート大会」だ。30人ほどのGTドライバーが5チームに分かれて、全18周でのガチンコ勝負。接触あり、リタイヤあり、ペースカーが入るほどのデッドヒートを展開した。その様子はSUPER GTで見せる真剣勝負そのものだった……が、最後はやはりサービス精神たっぷりの演出!?アンカーのドライバーだけは、ファイナルラップをランニングで周回しなければならないというユニークなルールも!コースサイドが大爆笑に包まれるなか選手たちに次々チェッカーフラッグが振られると、5時間にわたった夏祭りもフィナーレを迎えた。
最後の挨拶では「楽しかった!」「来年もぜひ参加したい」の声が多く聞かれたように、自分たちで作り上げたイベントを成し遂げて満足げな表情を浮かべる選手たち。真夏の暑さも吹き飛ばすようなホットなイベントを弾みに、これからのSUPER GT後半戦でも、さらにアツい戦いが期待できそうだ。