TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL クルマ好き3万人を集め、華々しく開催!

2011年11月27日(日)、晴天に恵まれた雄渾なる富士山に迎え入れられ、「トヨタ ガズーレーシング フェスティバル 2011」(以下、TGRF)が、富士スピードウェイにて開催され、3万人ものクルマファンが集った。

TGRF!始まり始まり!

TGRF!始まり始まり!

このTGRFは、昨年まで過去10回開催されていたモータースポーツファンの感謝祭「トヨタ モータースポーツ フェスティバル(TMSF)」が今回から名称を改め、今までのモータースポーツファンに加え、クルマファン・クルマ好きにも、クルマを『持つ』『走る』『語り合う』楽しさを皆でシェアし、とことん楽しんでしまおうという趣向に変化を遂げたものである。

では、どういう部分が変化を遂げたのか?もちろん、イベントプログラムにも変化の内容が反映されているが、イベントに参加された方がこの1日で感じとったことにも、これまでと違った変化が見られた。GAZOO Racingからのアプローチを追いながら、イベントを振り返ってみる。

夢を描いて - メッセージドローイング -

当日は、メッセージドローイングから静かにスタートした。ホームストレート上に、ファンがチョークで思い思いのメッセージを描いた。朝7時半にコースが解放されると、たくさんのファンがクルマ・モータースポーツに対する思いや、今年発生した東日本大震災の復興を願うメッセージなどを残していった。毎年ドイツで開催されるニュルブルクリンク24時間耐久レースの様子を模したものだが、コース上に描くということは、観客とモータースポーツの距離の近さを意味しているのであろう。前日には、イベントに参加するドライバーもこれに参加し、メッセージを残しておいた為、コースは瞬く間に冷たいアスファルトから、思いが詰まった宝箱へと変化していった。

  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング
  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング
  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング
  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング
  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング
  • それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング

それぞれの思いを込めて描くメッセージドローイング

あのイベントがTGRFに! - ワクドキ サーキットを走ろう! サーキットチャレンジ -

レクサス IS-F CCS-R に先導されサーキットチャレンジなう!

レクサス IS-F CCS-R に先導されサーキットチャレンジなう!

朝8時からショートサーキットでは、GAZOO Racingではおなじみの“ワクドキ サーキットを走ろう!”の「サーキットチャレンジ」が開催された。通常は、参加者の自家用車を用いて先導車の後ろについていき、サーキット走行を学ぶプログラムだが、今回は、あらかじめ用意されたレクサスIS250を操っての走行となった。先導車は、レクサス IS-F CCS-R(Circuit Club Sport Racer)というサーキット専用のコンセプトカー。そして、そこには、トヨタ自動車のテストドライバーの精鋭、トップガンの方々も待機、同乗してもらいながらのアドバイスも可能という、“サーキットを走ろう! TGRFスペシャルバージョン!”となった。走行時間は若干短くなってしまったが、この続きは、ぜひ来年全国のサーキットにて開催されるこのイベントで、堪能して欲しい。

作り手の思いのこもったコンセプトカーを楽しむ - iQ GRMN・G's オーナーミーティング -

みんなで集合写真!

みんなで集合写真!

TGRFオープニングセレモニーの前に、グランドスタンド側の特設駐車場にて、iQ GRMN・G'sオーナー様を集めてオーナーミーティングが開催された。集まってくださったのは、あらかじめ抽選で選ばれた方々だ。オーナー同士、またiQ GRMN・G'sに携わる技術者とも親交を深める機会を今回のTGRFで設けたのである。自己紹介から始まり、じゃんけん大会までと、短い時間ではあったが親交を深めた。そして、日々その愛車を操るオーナーの方々に、お話を伺った。

この足回りと車両の剛性は、とっても楽しいよ!

スーパーカーもいいけど、これおもしろいクルマです!

スーパーカーもいいけど、これおもしろいクルマです!

神奈川県からお越しの成瀬さんご夫婦。これまでの通勤車は、驚くことに、ランボルギーニ、ポルシェ、コルベット、GTRという錚々たるおクルマ。会社帰りにどこにも寄ることができない、というお悩みからクルマを探していたそうだ。小さくキビキビした動きのクルマが欲しいと思い、それまで外車志向であったが、トヨタの小型車にご興味を持った。まず購入したのがiQ。こちらは半年で手放し…。そして、次にインターネットでヴィッツと出会った。ヴィッツのRSタイプを購入しよう思っていた矢先、G'sを発見。購入に至ったという。イベントは日曜日であったが、納車はなんと金曜日の夜!このオーナーミーティングへの参加に当選された時には、まだクルマが納車されていなかったそうだ。TGRF当日にご夫婦で初めて乗車。数々のスーパーカーを乗りついだ成瀬さんご夫婦でも、遜色なく楽しめる“おもしろいクルマ”というのがファーストインプレッションだ。メインカーではないということで、「赤」というカラーにもチャレンジしたとのこと。キュートなカラーは、行き交う人の足を停めていた。これから、ご夫婦仲も更にクルマのカラー以上に、ホットになる事だろう。

オートサロンでハートを奪われた!圓山さん

リサーチに時間をかけて探しました!

リサーチに時間をかけて探しました!

埼玉県からお越しの圓山さんファミリー。以前乗られていたミニバンが手狭になってきたことから、ワンボックスへの買い替えをご主人が検討。当初、奥様は反対だったそうだ。ワンボックス特有の乗り心地に酔ってしまう傾向があり、購入に踏み切れなかった様子。それでも、じっくりクルマ探しをするご主人がホームページを見て、このクルマのルックスと操縦性に注目!候補に上げたのが、ノア G'sだった。そして、オートサロンに出展されていたこのクルマを見て、ハートを奪われた。次のステップは試乗。都内にあるアムラックスで試乗し、そしてまたメガウェブで試乗と、いくつもの段階を経て晴れて購入の運びとなった。高い買い物だけあって、いくら購入前から惚れ込んでいても、いざ納車されると「本当にこのクルマでよかったのだろうか?」と誰でも不安になる。だが圓山さんファミリーは、乗り心地に大満足していただいているご様子で、これからファミリーで沢山の思い出を育んでいくことだろう。

ご両親も乗せて、お出かけが更に楽しく

おじいちゃんたちとも、一緒におでかけ!

おじいちゃんたちとも、一緒におでかけ!

名古屋からお越しの伊藤さんファミリー。お二人目のお子様ができたのをきっかけに、ワンボックスを購入された。やはり、荷物がたくさん積め込める大きなクルマは、小さなお子様をお持ちのファミリーには最大の魅力である。チャイルドシートを装着してもスペースに余裕があり、なおかつ運転も楽しめる仕様となれば、一石二鳥だ。ご両親をお連れになっての外出も増え、これから先、もっと遠出も増えることだろう。今回は、このオーナーミーティングをきっかけに、TGRFに初参加。ぜひ来年も参加していただき、お子様の成長と共に、TGRFの毎年違った楽しみを見出してくださることだろう。

ママがひと目惚れ

ママがこのクルマに一目ぼれしちゃいました!

ママがこのクルマに一目ぼれしちゃいました!

SUPER GTの会場に展示してあったG'sのラインナップの中から、このクルマに奥様が一目ぼれしてしまい、購入にいたったという中野さんファミリー。“ワクドキ サーキットを走ろう!”というGAZOO Racingのプログラムにもたびたび参加してくださるなど、SUPER GTも含め、モータースポーツをファミリーで大いに楽しんでくださっている。そして、とうとうG'sを購入。納車からまだ一ヶ月も経たないとのことだが、このクルマの感想は、「おもしろい!」と、間髪を入れずこの言葉が出てきた。そして、今回のオーナーミーティングは、駐車場も特別な場所であったり、パレードランがあったりと、充実した内容に満足してくださっていた。

一番人気! - GRMN iQ Supercharger! -

今回、TGRFのパドックには、また新たにその楽しさを追求したくなるコンセプトカーが持ち込まれていた。
そのクルマとは?

GRMN iQ Superchargerで一番人気は、赤!

GRMN iQ Superchargerで一番人気は、赤!

GRMN iQ Supercharger!再び、ニュルブルクリンクマイスターの故成瀬氏の味付けを施したクルマが3台展示されていた。このクルマは、サーキットだけではなく、「公道を走りだしたその瞬間から楽しいクルマ!」をコンセプトに作られた。エンジンの馬力をスーパーチャージャーで上げた6速のマニュアルミッションだが、動力性能の向上にポイントを置き「走って楽しい!」と感じることを重要視した。また、スーパーチャージャー付きでパワーがあることからサーキット走行も楽しめる、そんなクルマに仕上げている。以前のモデルよりも、更にデザインやクルマに対する信頼性をあげていると、開発者の方も太鼓判を押している。発売時期などは未定。3台それぞれ、白、黒、赤と違うカラーのiQが展示されていたが、その中でもとりわけ「赤」が大人気!目を引くビビッドなカラーが、iQのコンパクトなフォルムを鮮やかに引き立てていた。展示車の中でも、キュートな魅力に、大人だけではなく、子供もシートに座るという光景が多く見られた。

  • 出展されたのは3タイプのカラー 白・黒・赤

    出展されたのは3タイプのカラー
    白・黒・赤

  • 乗り込んで仕様を確認する方

    乗り込んで仕様を確認する方

  • 足を止める方の多かったGRMN iQ Supercharger

    足を止める方の多かったGRMN iQ Supercharger

このGRMN iQ Superchargerは、限定販売。大量生産ではできない部分を個性として引出し、作っているそうだ。クルマ好きの技術集団が、クルマ好きの人々の為に、日々クルマのおもしろさを追求している。手塩にかけて生産した少量のものを世に出し、メーカーと顧客の距離が近くなることも目指しているプロジェクトが「GRMN」。その顧客とのつながりを、次の商品に生かして行くことにも可能になるわけだ。

G's に興味津々の方々

G's に興味津々の方々

実際クルマを作っている方々に、今回のイベントの感想を伺ったが「もっとコアなクルマファンが来ると思っていた」という。あらゆる世代が足を止めている光景に、若干驚き良い意味で期待を裏切られたようだ。狙い通りの世代がクルマを見てくれることもあれば、子育てが終わって2人の生活をエンジョイしている熟年夫婦が、2ドアのスポーツタイプのクルマに興味を抱く様子も見受けられ、その想定外の行動も、しっかり着目していた。クルマ好きの人々の意識に、さらに働きかける創作意欲がTGRFを通して増したのではないだろうか。

86のお披露目 - モリゾウドライバーが操る86(ハチロク)プロトタイプデビュー! -

86を自らの手で操り、お披露目をした豊田社長

86を自らの手で操り、お披露目をした豊田社長

ファン待望の小型FRスポーツ「86(ハチロク)」のプロトタイプが、正式名称“86(ハチロク)”として、東京モーターショーの開催に先駆け、このクルマ好きの集う祭典TGRFで初お披露目された。GAZOO Racingの車両がグリッドにつき、LFAのエンジンの咆哮が轟く中、モリゾウことトヨタ自動車社長 豊田章男氏が86をドライブ。ホームストレート上に86が姿を現すと、スタンドから歓声が沸いた。

GAZOO Racing スペシャルラン with SUBARU - ニュルブルクリンクの感動を再び -

グリッドウォークが行われたあと、歴代のニュルブルクリンク24時間耐久レース参戦車両、アルテッツア2台、レクサスIS250、LF-A 14号車、LFA50号車、LFA88号車、LFA111号車、レクサスCT200h、レクサス IS-F CCR-S、FT86と、今シーズンの参戦車両まで、合計10台と、今季ニュルブルクリンク24時間耐久レースで共に戦ったSUBARUのSUBARU WRX STi tSがデモ走行を実施した。日本で走る機会が滅多にない為、貴重な機会となった。また、メインステージでは、ドライバー勢揃いの中、チーフメカニックも招き、今年の戦いを振り返るGAZOO Racingトークショーも行われた。

  • 2011年仕様のLFA

    2011年仕様のLFA

  • VLN9でデビューしたFT86のレース仕様も日本で初披露

    VLN9でデビューしたFT86のレース仕様も日本で初披露

  • GAZOO Racingトークショー

    GAZOO Racingトークショー

チームランドクルーザー、ファミリーエリアに登場! - ダカールラリー、夢の同乗走行 -

ほかの4輪にはない縦の動き、ジャンプ!

ほかの4輪にはない縦の動き、ジャンプ!

「ダカールラリー2012」の開催をいよいよ来年のお正月に控え、三橋淳ドライバーが観客を乗せ体験同乗走行を行った。会場に砂漠があるわけでもなく、50×15メートルのアスファルトが舞台。ダカールの車両は、オフロードを走る為に作られたものだが、世界の大舞台で活躍するラリードライバーは、そんな無理も承知で観客を楽しませてくれた。4輪のモータースポーツでジャンプするものはダカールラリー以外にない。スケールがかなり縮小されてしまったが、大人気のコンテンツとなった。トークショーも開催され、ここでしか聞くことのできない秘話が盛りだくさんであった。

来場されていた方の声

サーキット楽しい!

クルマもレースも大好きです!

クルマもレースも大好きです!

横浜市からお越しの大倉さん。クルマ大好き!SUPER GTも大好き!ということで、こちらのイベントに遊びに来てくださった。普段お乗りのNOAHには、エアロパーツを装着しドレスアップして、カーライフを楽しんでいるとのこと。今回は、パドックにチューニングカーやコンセプトカーが展示してあったり、クルマのパーツ関連の出展もあり、レースウイークのパドックと違う趣向にも喜んでくれ、レースウイークと違ったイベントならではの、ピリピリ感がない雰囲気は、とても落ち着くと、TGRFを絶賛してくれた。

SUPER GTのクルマにしたい!

ドレスアップをして目指すクルマは、SUPER GTのマシン!

ドレスアップをして目指すクルマは、SUPER GTのマシン!

遠く岡山からお越しになった加田さんご夫妻。以前、“ワクドキ サーキットを走ろう!”のサーキットチャレンジに参加された経験がある。奥様が、無類のクルマ好きで、貯金でレクサスSC430を購入したほど大好きなのである。SUPER GTのファンでもあり、ごひいきのドライバーもいるが、やっぱりパーツ関連の出展にも目が行ってしまったそうで、しっかり購入されたとのこと。目標は、SUPER GTのレース仕様車にちょっとでも近づけたいそうだ。奥様の夢にびっくりしつつも、それを見守る優しい旦那様の姿。次の再会の時は、クルマの様子はどうなっているのだろうか?

各イベントスペースも大盛り上がりの中、時間はあっという間に過ぎて行き…
いよいよイベントも終盤に突入。

Future of AUTOMOBILE - 近未来を担うクルマたち -

近未来を担うクルマのデモラン

近未来を担うクルマのデモラン

フィナーレを前に、モータリゼーションの可能性のあるものや、将来性のあるクルマとして脚光を浴びているクルマが登場し、デモ走行を行った。走行したクルマは4車種。GRMN SPORTS HYBRID II、GRMN iQレーシング、TES-ERA EVとテスラ。GRMN SPORTS HYBRID Concept IIは、今年のニュルブルクリンク24時間レースで初お披露目された。前身のモデルからスタイリングを一新、4WDスポーツハイブリッドシステムを搭載している。FT86レーシングコンセプトは、当日正式名称「86」として発表されたクルマのレーシング仕様。TES-ERA EVは、トヨタ技術会のメンバーが、自己啓発のために制作したEV車(電気自動車)。自主研究の為のクルマではあるが、レース仕様になっており、EVレースで完走を遂げている。テスラも、EV車で、今春、トヨタ自動車と電気自動車開発で技術提携を行った事から、TGRFでの走行となった。

フィナーレ

閉会式を終えて、参加ドライバーの一人ひとりにお礼を述べる豊田社長

閉会式を終えて、参加ドライバーの一人ひとりにお礼を述べる豊田社長

TGRFで登場したたくさんのクルマが、最後にアンコールランを行い、ホームストレートへ帰還。用意されたレッドカーペットに、ドライバー全員が揃ったところで、トヨタ自動車 豊田章男社長が挨拶に立った。今日一日を堪能した多くの観客から、惜しみない拍手が送られ、その後、豊田社長が、出演したドライバー、ひとりひとりと握手を交わし、TGRFは大団円となった。

また来年お会いしましょう!

また来年お会いしましょう!

TGRFを終えて

GAZOO Racing 木下隆之ドライバーのコメント

「大成功だったと思う。これまでのイベントと違い、とてもファンの方に近いイベントとなった。「モータースポーツを見て!」というスタンスから、「モータースポーツを一緒に楽しみましょう!」という形に変化し、感動的だった。本当に良かったと思う。これでまたクルマや、モータースポーツファンが増えていってくれれば、自分の仕事にもやりがいを更に見出すことができる」

GAZOO Racing 飯田章ドライバーのコメント

「今までと違う盛り上がり方で、みんなに楽しんでいただいて良かったのではないだろうか。クルマ好きの方に楽しんでもらうと言う事に関して、まず自動車メーカーにおもしろいクルマを作ってもらうことが先決で、そこにおのずとイベントのおもしろさは付いて来るのではないだろうかと考える。TGRFとして初開催、いろいろありましたが、とても楽しい時間が過ごせた」

名称を変えて、リニューアルしたTGRF2011。これからも、クルマの進化と共に、イベントも姿を変え、またファンを楽しませていくことだろう。