TGRF2012レポート2012年11月25日(日)TGRF2012 クルマが作る縁・円・宴!クルマ好きな3万2000人が集結

クルマ好きが集う祭典、好評のうちに2回目の幕を閉じる

11月25日(日)トヨタガズーレーシングフェスティバル2012(以下、TGRF)が、富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)にて、開催された。TGRFは昨年度、「トヨタモータースポーツフェスティバル」からTGRFと名称を変更。従来のモータースポーツファンに加え、クルマファン・クルマ好きにも、クルマを『持つ』『走る』『語り合う』楽しさを共有してもらおうというコンセプトでさらにスケールアップされた、「クルマを愛する全ての人々」が共に楽しむ祭典だ。2回目の開催となる今回、さらにパワーアップしたコンテンツ「GAZOO WORLD」を展開した。クルマ好きへのアピールと日頃の感謝の思いを込め、盛りに盛ったコンテンツは、動員した3万2千人のひとりひとりのハートを引き寄せることとなった。

またイベント広場には、オーナーズクラブが大集合!どこもかしこも、クルマ・クルマ・クルマ!パドックには、チューニングショップや唾涎もののイベントがあちこちに登場!開始前からワクドキする楽しい1日となった。朝から密着した今回のレポ―トは、体験されたお客様の声を中心にお届けする!

メッセージドローイングも2回目で定番に! - 想いよ届け!ニュルブルクリンクにならって再現 -

  • 元気いっぱい、ドローイング!

    元気いっぱい、ドローイング!

  • 86大好き!なメンバーが集合

    86大好き!なメンバーが集合

1日のイベントの始まりは、コレ!メッセージ・ドローイング!ニュルブルクリンク24時間レースの際に、コース上に描かれるメッセージをご存知だろうか?コースに思い思いの言葉、絵などを描き、サーキットに来た“証”として行われているものだが、今回も実施された。

午前7時半からと、開始時間が大変早いのだが、寒さに負けず会場入りするファンは多く、カメラを向けても気付かないほど真剣に取り組んでいた。ちいさなお子様連れのファミリーやカップルもたくさん来場され、ほのぼのする姿の中に、大人が集まっているグループがあった。目を凝らしてみると、数字の“8”と“6”の文字が。今年待望のデビューを遂げたTOYOTA86のオーナー、またファンが集うSNS「86SOCIETY」のメンバーの方々だった。
数日前から、このメッセージ・ドローイングで、シンボルマークを描く計画を立てていたそうで、コース開放と同時に集まったメンバーが制作開始!楽しそうに描いていた。

たった2回目にして、すでに浸透しているこのコンテンツは、クルマファン同士の「縁」を繋ぐ役目も果たしていたようだ。

こうして、メッセージドローイングを皮切りに、サーキットの随所で各イベントがスタートした。

見ているだけではもったない!走行・同乗体験エリア! - ワクドキFreeStyle Attack -

  • 迫力の大ジャンプ。これぞラリーの醍醐味!

    迫力の大ジャンプ。これぞラリーの醍醐味!

  • ナビシートに同乗。ちょっぴり緊張…!?

    ナビシートに同乗。ちょっぴり緊張…!?

TGRFの“ウリ”は、毎年プロドライバーの横に乗って同乗走行ができるコンテンツがあること。今回もパリダカ・エリア、ドリフト・エリア、ショートサーキット、ラリー・エリア、カート・エリアで貴重な機会が設けられていた(事前申し込みのコンテンツあり)。

ショートコースでは、毎年大人気のトヨタ自動車の精鋭テストドライバー集団「トップガン」との同乗走行が行われていた。今年は、TOYOTA86でそのスキルを遺憾なく発揮!パワーに頼らず、タイヤもセーブしつつクルマをドリフトさせるテクニックは、やはり彼らの真骨頂。タイヤの鳴く音が響き渡っていた。

南米の大地を走るダカール・ラリー、その本番まで約1ヶ月となったが、今年惜しくも優勝を逃した三橋淳ドライバーが、ジムカーナ・コースで同乗走行をやっていた。ワイドなトヨタランドクルーザーを巧みに操り、17メートルジャンプを披露するなど、紅葉を背景に縦横無尽に走り回っていた。

ドリフトコースで行われていたのは、マイカーによるタイムアタック(事前申し込み)!スキルなどは問わず、ワンコインでチャレンジできる魅力もあり大人気!このエリアは、とりわけギャラリーも多く、D1の根強い人気が感じられた。

朝から、ガツガツ楽しんでいる参加者たちの声! - ワンコインで広がる新たなクルマとの対話 -

  • 加田さんご夫妻。クルマへの愛情は人一倍!

    加田さんご夫妻。クルマへの愛情は人一倍!

会場でばったり出会ったGAZOO Racingの大ファンの加田ご夫妻。これまで、幾度となくGAZOO Racingのイベントに参加してくれているお2人だが、今回揃ってタイムアタックにチャレンジするという。アクティブな奥様にお話しを伺った。

- 参加のきっかけをお聞かせください。
「普段、公道では絶対に体験できないというポイントプラス、楽しさがあると思って参加しました。タイムアタックというよりも、愛車で未知の体験ができる!それが楽しみ。サーキットを高速で走ることで速さに目が慣れるので、一般道での運転に余裕が持てるという事と、自分の車の持っている性能と自分の限界を知っておくという目的もあります。専門的な知識を持っている訳でもなく、運転が上手いわけでもないので、危険なシーンに至ったときに、とっさの判断で大事な愛車を守ってあげたいという気持ちがあります。サーキットなら、万が一スピンしても他の車にぶつかることもないので、スピンすることで車の挙動の勉強にもなると考えました」

- 結果は?
「私の方が、2秒速かったです!」

いざという時に、自分ではなく愛車を守ってあげたい!この言葉、立場が逆転しているが、これが彼女のクルマへの愛情の現れ。旦那様も、奥様のおクルマを2秒分大事に乗ったと思われる。愛車に対する優しい想いが素敵だ。

  • 宮崎さん。これからも参加してくださいね!

    宮崎さん。これからも参加してくださいね!

同じく、ドリフトコースで1台のTOYOTA86が目に留まった。タイムアタック後、横浜からお越しの宮崎秀雄さんにお話を伺ってみた。

- このイベントに参加したきっかけは何でしょうか?
「インターネットでこのイベントを見つけて、最初はどうしようかなと思いましたが、思い切って申し込んでみました。とても良い経験になりました」

- キャリアは?
「キャリアは全くなくド素人ですよ。このクルマは、ドリフトではなく通勤や、中距離ドライブで乗ってますので」

- TOYOTA86 いかがですか?
「いろいろクルマを換えていますが、マニュアル車がやっぱり欲しくて購入しました。4月に申し込んで、8月に手元に来て、3ヶ月です。こういう安心して参加できるイベントや、敷居のあまり高くない走行会などに行きたいと思っています」

TOYOTA86の購入がきっかけでこのイベントに参加してくださった宮崎さん。あれこれ愛車を楽しむ生活は広がっている途中かな?来年は、リピーターとなってまた来てくれるといいな!と、思っております!

イベントは、続くよどこまでも! - オーナーズクラブ大集合! -

富士スピードウェイの随所で体験イベントが進行する中、イベント広場には、朝早くからたくさんのクルマが集結していた!文字通り「集結」!この日の為に、ピカピカにして持ち込まれた自慢の愛車たちが、どうよ!とばかりに車種ごとに整列していて、壮観!そんな美しい姿で鎮座しているのである。

今年デビューしたTOYOTA86など、トヨタ・LEXUSブランドのクルマが並ぶ中に、今回初登場したのはなんとSUBARU BRZ!実はパドック側にも、スーパーGT300クラスに参戦するBRZなど、スバルブランドのクルマも多数展示されたスバルブースが展開されているのだ。メーカーの垣根を越えた催しとしても、注目されるのが今回のTGRF。よって、スバリストがこのイベントに詰めかける!などというのは、当然ウェルカムモード、大歓迎というのが今年の“ウリ”。クルマ好きに垣根はいらないというコンセプトだ。

今回は全車の参加ではないが、最大級の規模を誇る、トヨタエスティマのオーナーズクラブの参加もあった。

そして、毎年恒例となったiQ GRMN、G'sが一堂に会するオーナーズミーティングも忘れてはいけない!このイベントには、このオフ会がだいぶ浸透してきた感がある。オーナー勢揃いの輪の中に、メーカー開発担当者なども駆けつけ、オフ会を楽しんでいた。

  • 宇田さん。愛車G'sプリウスとツーショット

    宇田さん。愛車G'sプリウスとツーショット

  • 岡本さんご夫妻。一目で愛が伝わるクルマです

    岡本さんご夫妻。一目で愛が伝わるクルマです

G'sプリウスオーナーの宇田さんに、少しお話を聞いてみた。このクルマを選択したきっかけは、発表すぐに一目惚れしてしまったという事なのだそうだ。ハイブリッドの中に走りを追求できるところが大きなポイントだったとのこと。迷わず、以前の欧州車から乗り換えた。ご自身曰く、新しもの好きだという。そしてこのおクルマの購入が、このイベントとG'sオーナーズミーティングへの参加のアプローチとなったそうだ。この新しもの好きから生まれたご縁は、続いて行って欲しいね!

AE86のオーナーの方々も、大事に乗られているクルマで、どーんと集結してくださった。
15台のAE86のお仲間を集めた岡本さんご夫妻。旦那さまとお仲間が、羽はたきでボンネットを入念にお手入れしている姿が目を引き声をかけてみた。今のクルマは、所有して9年になるそうだが、とにかく大事に大事にと箱入り娘にしているようだ。ピカピカでなんぼ!って事だ。そして、この集めてくださった15台は、同じ仕様がないということ。すべて違うバージョンを並べてくれた。称賛すべき“こだわり”のAE86 が集まったということだ。夏にここで開催された“86Style 2012”にも参加されたそうだが、AE86に、未だに大事に乗られているこだわりも考えると、この素敵な“こだわり”は、永遠に続くのかなと感じた。彼らとの再会も、また楽しみに思った筆者だった。

イベント広場は、自然と“円”ができクルマ談義に花を咲かせるグループがとても多かった。このイベントでのオフ会開催、また仲間との再会など、クルマで限りなく広がる輪が、とてもほほえましく、自分も入ってみたい衝動に駆られるシーンであった。

初登場!GAZOO WORLD! - ニュルにカフェに、てんこ盛り! -

  • たくさんの方にいらしていただきました。

    たくさんの方にいらしていただきました。

  • おいしい&かわいいスイーツがいっぱい!

    おいしい&かわいいスイーツがいっぱい!

今回見て欲しかったパワーアップポイント!GAZOO WORLD!

GAZOO Racing関連のピットには、それぞれ「モリゾウピット」「ニュルブルクリンクピット」と名付けられ、マスコットである「ルーキーカフェ」も登場!スーパー耐久参戦車両や全日本ラリー、来夏に始まる86ワンメイクレース用プロトタイプ車両に、Gazoo mura やGAZOO SPORTSのブース、コンセプトカーも展開され、一大GAZOO WORLDが形成された。

モリゾウピットには、これまでドライバーモリゾウが駆ったレーシングカーと、コンセプトカー、ニュルブルクリンクでの秘蔵の写真が飾られた。テーブルや椅子もおかれ、休憩も取ることができるゆったりスペースとなっていた。
ニュルブルクリンクピットは、GAZOO Racingでニュルブルクリンク24時間耐久レースに参戦したLEXUS LFAと、今年クラス優勝を遂げたLEXUS LFA83号車とGAZOO Racing TOYOTA86 166号車も仲良く並べられた。
こちらのピットは、例年大人気!国内でも、なかなか参戦車両はお目にかかることができない貴重なもの。

GAZOO Racingのマスコットでおなじみのルーキーちゃん。そのカフェが、GAZOO WORLD内に登場。甘い香りのするカフェは、スイーツとドリンクをいただくスペースの他、小さなお子様が遊べるコーナーもあり、癒しのスポットとなっていた。

レーシングコースも大忙し! - メーカーの垣根を越え、ニュル24時間クラス優勝を遂げたクルマが集結! -

  • ニュルドライバーが勢ぞろい!

    ニュルドライバーが勢ぞろい!

  • クラス優勝の4台が夢の競演!

    クラス優勝の4台が夢の競演!

ここまで、朝早くからまわって歩き、充実の3時間コース!オーナーズパレードラン、サーキットタクシー、サーキットサファリを経て、ウェルカムセレモニーの時間を迎えた。

和太鼓パフォーマンス集団“倭-YAMATO”の太鼓と笛に合わせ、86パフォーマンスショーが行われたが、音楽に合わせドリフトという斬新なオープニングは、誰もが目を奪われたに違いない。
そして、びっくりしたのは、クルマから降りてきたドライバーモリゾウの姿!噂には聞いていたものの、ウマい!女性ラリー、コ・ドライバーの竹下紀子さんにもびっくりだった。

その後、ドライバーモリゾウが各出演者を握手で迎え入れ、レッドカーペットに整列。
レーシングコースでも、本格的にTGRFが始まった。

ヘリテイジオブトヨタ、ラリースペシャルステージを経て、午後12時50分よりニュルブルクリンクスペシャルランが始まった。今回は文字通りスペシャル!国内で走る姿を見られることはほとんどない上に、「目玉」が用意されていた。スバル WRX STI S206、GTアカデミーGT-R、LEXUS LFA、GAZOO Racing TOYOTA86の合計4台が並び、ニュルブルクリンク24時間耐久レースのクラス優勝車が勢揃いすることとなったのだ。颯爽とコースを周回し、ホームストレートに戻ってくる姿は、夜中も目をこすりながらみたあのニュルのレースを彷彿とさせるものだった。

並走で迫力満点!サーキットサファリ - 実走する“猛獣”たちを間近で体感! -

  • トークもおまかせ!平手選手

    トークもおまかせ!平手選手

  • こんなに間近にマシンが!

    こんなに間近にマシンが!

体験型イベントの中でも人気の高い「サーキットサファリ」。普段は間近で見ることのできない“走っているマシン”と一緒にサーキットを体感することができる貴重なチャンスだ。しかも、バスガイドはコースを知り尽くしたドライバーたちが担当!
「今回、担当させていただく平手でーす。運転手さん、時速250キロで走行お願いしま~す、あ、よかったら僕が運転代わりましょうか?」の軽妙トークに、お客様も思わず爆笑。
並走するマシンは、ニュル、スーパーGT、フォーミュラニッポンと各カテゴリーから登場。最初の1周はゆっくり走行モードでファンサービス、2周目以降は全開のバトルモードで激走。
レーシングマシンの迫力を肌で感じられるイベントに、お客様も大満足のご様子だった。

見応えあり!200%ガチンコ勝負! - 86/BRZワンメイク・スペシャルレース&スーパーGTスペシャルバトル -

  • ワンメイクレース、いよいよスタート!

    ワンメイクレース、いよいよスタート!

  • いきなり大混戦。これぞ、ワンメイク!

    いきなり大混戦。これぞ、ワンメイク!

レーシングコースでのメインイベントも、まだまだ続く。

来夏より開催予定の86ワンメイクレース、そのデモレースが開催された。先般、SUBARU BRZでの参戦も可能になったことが発表され、今回はSUBARU BRZを交えてレースが開催された。
予選順位は、抽選で決定済み。6周を競うレースとなったが、この超スプリントガチンコレースが、動きがあっておもしろいおもしろい!結果は、スバルBRZを駆って参戦した山野哲也選手(BRZ)が優勝、2位に佐々木孝太選手(BRZ)、3位に新田守男選手(86)が入った。山野選手と佐々木選手は、スーパーGT300 クラスで、SUBARU BRZを駆って参戦しているスペシャリスト!当然と言ったら当然の結果かもしれないが、表彰台では2人そろって「空気を読まないでごめんなさい」とコメントし、会場の笑いを誘った。
優勝者には、お米86キロが贈呈された。
スーパーGTのスペシャルレースもガチンコ勝負!シリーズ戦と見違うほどの迫力あるバトルを展開。これに関しては、チーム側は苦笑いだろう。まさかの本気モードの中嶋一貴選手の優勝で終わった。彼は初優勝をTGRFで遂げることとなった。

エンディングは、グリッドウォークで! - また来年お会いしましょう! -

  • コクピットまで見れちゃう!

    コクピットまで見れちゃう!

コース上では走行イベント、メインステージではトークショーと、楽しい時間を過ごしてきたTGRFだが、いよいよエンディングを迎えた。
スターティンググリッドを、出演した全車両で埋め尽くし、お客様を迎え入れるという演出が用意されていた。レースウィークのスターティンググリッドは、誰でも入れる訳ではない、一度は入場してみたいと思う場所だ。今回はそれを実現、来場されている方全員に開放したのだ!グリッドは、イベントのクライマックスに持って来いのにぎやかさ。間近に見るクルマたちは、迫力も桁違い。たくさんの笑顔に囲まれたクルマやドライバーたちは、イベント最後の想い出として、さらに心の中に刻まれていく。ドライバーたちも、いつものようにレースを待つ雰囲気ながらも、いつも以上にファンサービスに勤しんでいた。

こうして、クルマが結んだ“縁”による“宴”は、大盛況の中、幕を閉じた。また来年、ここでお会いしましょう!

皆様、ありがとうございました。また来年もお会いしましょう!

皆様、ありがとうございました。また来年もお会いしましょう!

参加ドライバーのコメント

竹下紀子選手のコメント

「先日、新城ラリーでモリゾウドライバーのコ・ドライバーをさせていただいた縁で、このイベントに呼んでいただきました。初参加となりましたが、ラリー以外のレーシングカーやドライバーも普段見ることがないので、大変興味深かった。オープニングのパフォーマンスをやらせていただきましたが、私がココにいて良いんだろうか?と思うほどたくさんの方が来場されていてビックリしました。来年も呼んでいただけるようレースも頑張りたいと思いましたね。ありがとうございました!」

佐藤久実選手のコメント

「今日は、ファミリーが多かったなあという印象です。小さな子どもたちが遊べるスペースも用意されていましたので、特にそう感じました。またレースの時と違って、パドックが解放されているのが、とても良いと思います。レースウィークのパドックとは違って、お客様との距離も近いし、通常のレースウィークだと、パドックは敷居も高くレースをやる側としても排他的で申し訳なく思っているので、その壁が取り払われた感があります。来場されたみなさまが、楽しんでいただくのが一番ですからね!今日は1日ありがとうございました」