“晴れの国”岡山で、約1年振りとなる“ワクドキ サーキットを走ろう”の開催。9月とはいえ、残暑まだまだ厳しい中、24名のクルマ好きが、中部・近畿・中国・四国と広範囲から集い、熱い1日を過ごした。
今回の開催も、ここ数回の“ワクドキ サーキットを走ろう”同様、1日プログラム。
午前中はミニコースでの実技、午後は国際レーシングコースでの先導走行とサーキットタクシーという内容だ。インストラクターは岡山国際サーキット等でドライビングインストラクターを勤める萬雲(まんくも)氏、先日のスーパー耐久シリーズ第4戦(岡山大会)で見事クラス優勝された阪口氏の2名だ。
まず最初のプログラムはミニコースでの実技。2グループに分かれて、一方はフルブレーキ、もう一方はスラローム走行を同時に行う。フルブレーキ講習では、最初は恐る恐るブレーキを踏む参加者も回を重ねる毎に上達。インストラクターが前日念入りに検証し、設定したコースで規定の範囲内でマイカーの制動を体感した。スラロームも同様、1回目より2回目、2回目より3回目と、だんだんスピードを一定に保ちながらのステアリングワークがスムーズになっていき、参加者の緊張も解けていくのが表情から見て取れた。プログラム合間や休憩中にインストラクターから直接アドバイスを受けられるのもこの“ワクドキ サーキットを走ろう”の魅力のひとつだ。
午後からは、国際レーシングコースでの先導走行。最初は慣熟走行からだんだんとスピードが上がっていく。午前中に体験したステアリングワークと車両制動の実技での学習ポイントを本コースで生かす時間だ。
無線を通したインストラクターからの速度やコーナリング指示によりコースにだんだん慣れてくると、参加者の走行ペースも、興奮度も上がっていく。前半8周、後半12周、クーラーがかかっている車内とはいえ、まだまだ真夏のような日差しと興奮とで、参加者は皆、汗だくになっていた。最後の数本は初心者向けプログラムでありながらも、朝に比べてクルマとの対話を参加者各々が一段と楽しめたと思う。汗にまみれながらも、「心地よい達成感」と「もっと走ってみたい」という次への目標とを同時に感じていただけたことと思う。
そして、最後はレーシングドライバーの運転するISFに乗り込んでの同乗走行、サーキットタクシーだ。プロドライバーの華麗なドライビングテクニックを間近で楽しめる人気プログラムだ。待ち時間の間も、今日初めて会った面々が、和やかにクルマやモータースポーツについて歓談しながらそれぞれの順番を待っていた。特に「86オーナー」4名の参加者が、共通の「クルマ」を通して親近感が沸き、自然と会話が弾んでいたのが印象的だ。「クルマ」が結んだ縁。これもまた“サーキットを走ろう”の魅力であり、それを感じ、楽しんでいただくことができたのはスタッフ一同、非常にありがたく思っている。
汗だくになってクルマから降りてくる参加者の皆さんの顔は、朝の緊張した面持ちとはまったく変わっていたのは、暑い1日を、熱くドライビングしてくれた証だと思う。
今回の参加者の中には、昨年の岡山での開催へ参加されたのをきっかけに何度かサーキット走行やサーキットでのレース観戦を楽しんでいる方が数名みえた。閉講式やアンケートでも「もうちょっと走ってみたい」「またサーキットへ行ってみたい」の声が多数。今後もサーキットでより多くの人がクルマによってつながって笑顔になっていただきたい。