ラリー競技はサーキットレースと違い、一般の公道を使って行なわれるモータースポーツだ。ちょうどマラソン競技が一般道路を封鎖して開催されるのと同じように、ラリーはあらかじめ使用許可をとった山の中の林道などを舞台に行なわれる。
競技といってもラリーは一斉に走って競争するわけではなく、いくつかの競技区間(スペシャルステージ=SS)で1台ずつタイムアタックし、その積算タイムで勝敗を争う。SSの総走行距離はラリーごとに異なり、全日本ラリー選手権では60㎞~250㎞だが、WRC世界ラリー選手権では300km以上にもおよぶ。
SSとSSの間は一般の道路を、一般の交通とともに移動するため、ラリーカーはすべてナンバー付き。移動区間は「リエゾン」と呼ばれ、その国の道路交通法に従って安全に移動しなければならないというのも、ラリーの特徴のひとつだ。
ラリーを観戦する場合は、SSは基本的に立ち入りが禁止されているため、主催者によって定められたギャラリーエリアかリエゾン、あるいは競技中のマシンをメンテナンスしたり修復したりする「サービスパーク」で観戦する。
全日本ラリー選手権は、日本自動車連盟(JAF)登録クラブ・団体が主催する国内格式のラリー競技だ。
2012年の全日本ラリー選手権は、4月から10月にかけて全9戦が開催予定。それぞれに特徴をもった、その地方ならではの個性豊かなラウンドが設定されている。近年では、開催地域のお祭りとコラボレーションし、地元と一緒になってラリーを盛り上げるケースも少なくない。
観戦に行く場合は、あらかじめその地方の名産品や観光名所などを調べていくと、より楽しみの幅も広がるはず。週末のドライブや旅行がてらの観戦計画を立てて、ラリーを思い切り満喫しよう!
全日本選手権の下には全国5地区(北海道、東日本、中部・近畿、中国・四国、九州)に分かれた各地区トップラリーシリーズ(JAF地方選手権)があり、その下には各地区のジュニアシリーズや県シリーズなどが存在し、総走行距離やSS総距離によりレベル分けされています。