全日本ラリー選手権 Japanese Rally Championship

トップへ戻る

第4戦 2012 ARKラリー洞爺

初日を快走した柳澤 宏至が逃げ切り、今季初優勝

ショートステージが連続するスプリント勝負

洞爺湖文化センター前で行われたセレモニアルスタート

洞爺湖文化センター前で行われたセレモニアルスタート

2012年JAF全日本ラリー選手権(JRC)の前半戦を締めくくる第4戦は、北海道の観光地として名高い洞爺湖周辺を舞台に6月29日(金)~7月1日(日)の日程で開催された。ヘッドクォーター(HQ)やサービスパークなどラリーの拠点は洞爺湖温泉街の中心部にある洞爺湖文化センターに設置され、ラリー開催期間中には多くの観光客が沿道からラリーカーに声援を送る姿が見られた。ラリーは、総距離が100kmを超えるスペシャルステージ(SS)を準備していたが、今年の5月に降った大雨の影響により20kmを超えるロングステージが通行不可となってしまった。そのため、SSの総距離は64.66kmに短縮され、3~5kmのショートステージを中心とした15本のSSで競われることとなった。

柳澤 宏至がシリーズランキング2位に浮上

今季初優勝を飾った柳澤 宏至(左)と中原 祥雅(右)

今季初優勝を飾った柳澤 宏至(左)と中原 祥雅(右)

グラベル(未舗装路)3連戦の締めくくりとなるこのラリーは、第3戦の福島で激戦を繰り広げた勝田 範彦/足立 さやか(スバル・インプレッサ)と柳澤 宏至/中原 祥雅(スバル・インプレッサ)が、ふたたび北海道の大地で激突した。初日を終えトップに立った柳澤組は、2日目は18.3秒遅れの4番手から猛烈な勢いで追い上げてくる勝田を6.3秒差に抑え、今季初優勝を飾った。これで柳澤は、シリーズランキングでも奴田原 文雄/佐藤 忠宜(三菱ランサーエボリューションX)を抜き2位に浮上した。また、3位にはベテランの石田 正史/草加 浩平(三菱ランサーエボリューションX)が、約1年ぶりに表彰台の一角を獲得した。

クラス別順位結果(上位3クルー)

※クラス区分の説明については、こちらを参照
クラス 順位 ドライバー/コ・ドライバー 車名
JN4 1 柳澤 宏至/中原 祥雅 スバル・インプレッサ
2 勝田 範彦/足立 さやか スバル・インプレッサ
3 石田 正史/草加 浩平 三菱ランサーエボリューションX
JN3 1 村田 康介/平山 真理 ダイハツ・ブーン X4
2 三好 秀昌/保井 隆宏 トヨタ86
3 山口 清司/島津 雅彦 トヨタ・カローラレビン
JN2 1 上原 淳/漆戸 あゆみ マツダ・デミオ
2 川名 賢/安東 貞敏 トヨタ・ヴィッツ
3 高橋 悟志/箕作 裕子 トヨタ・ヴィッツ
JN1 1 松岡 竜也/縄田 幸裕 ダイハツ・ストーリア X4
2 山口 貴利/山田 真記子 ダイハツ・ストーリア X4
3 葛西 一省/安田 弘美 ダイハツ・ストーリア

出走順がタイムに影響するグラベルラリー

序盤から速さを見せた柳澤 宏至のスバル・インプレッサ

序盤から速さを見せた柳澤 宏至のスバル・インプレッサ

今回のラリーは、第3戦に続き出走順がタイムに大きく影響する結果となった。初日はゼッケン1の勝田 範彦/足立 さやかが路面の砂利を掃除する“砂利かき役”となり苦戦を強いられ、3番手スタートの柳澤 宏至/中原 祥雅がベストタイムを連発した。しかし2日目は柳澤組が先頭ゼッケンとなり、4番手スタートの勝田組が、砂利が一掃されて安定した路面で連続ベストタイムを獲得し、2位に浮上した。

JN3クラスはトラブルを克服した村田 康介が今季2勝目

JN3クラス優勝の村田 康介(ダイハツ・ブーンX4)

JN3クラス優勝の村田 康介(ダイハツ・ブーンX4)

初日に三好 秀昌/保井 隆宏(トヨタ86)がトップを奪い話題を集めたJN3クラス。2日目に入ると初日にパンクやサスペンショントラブルを抱えてクラス4位に沈んだ村田 康介/平山 真理(ダイハツ・ブーンX4)が、14.0秒の遅れを跳ね返し、逆転優勝を飾った。2位には、初日トップの三好組が、3位には山口 清司/島津 雅彦(トヨタ・カローラレビン)が入賞した。

JN2クラスは、上原 淳が9年ぶりに全日本優勝

JN2クラス優勝の上原 淳(マツダ・デミオ)

JN2クラス優勝の上原 淳(マツダ・デミオ)

JN2クラスは2年連続チャンピオンの天野 智之/井上 裕紀子(トヨタ・ヴィッツG's)が初日にサスペンショントラブルのためリタイアと、波乱の幕開けとなった。初日トップに立った上原 淳/漆戸 あゆみ(マツダ・デミオ)が2日目も快走し、上原自身にとっては9年ぶりとなる全日本優勝を獲得した。2位には川名 賢/安東 貞敏(トヨタ・ヴィッツ)が入賞し、シリーズランキングトップに躍り出ている。また、3位には第2戦優勝の高橋 悟志/箕作 裕子(トヨタ・ヴィッツ)が入賞した。

JN1クラスは、最終SSで松岡 竜也が大逆転

JN1クラス優勝の松岡 竜也(ダイハツ・ストーリアX4)

JN1クラス優勝の松岡 竜也(ダイハツ・ストーリアX4)

5台が出場したJN1クラスは、クラス中唯一4WD車のダイハツ・ストーリアX4を駆る山口 貴利/山田 真記子と松岡 竜也/縄田 幸裕が終始トップ争いを展開した。最終SSを迎え、山口組が3.1秒差でトップを死守していたが、その最終SSで松岡組がベストタイムをマークし、合計タイムではわずか0.4秒という僅差で逆転優勝を果たした。3位にはシリーズトップの葛西 一省/安田 弘美(ダイハツ・ストーリア)が入賞し、トップの座を守った。

トヨタ86がグラベルラリーでクラス2位に入賞

JN3クラス2位を獲得したトヨタ86

JN3クラス2位を獲得したトヨタ86

ドライバーはアフリカラリー王者の三好 秀昌

ドライバーはアフリカラリー王者の三好 秀昌

ターマックラリーでの活躍が期待されているトヨタ86だが、後輪駆動車には不利といわれているグラベルラリーでも、三好 秀昌/保井 隆宏が見事JN3クラス2位に入賞を果たした。初日は、ライバルがマシントラブルにより次々と脱落するなか、見事にトップで折り返す活躍をみせた三好組は、2日目に入るとグラベルラリーでは最も有利といわれている4WDのダイハツ・ブーンX4を駆る村田 康介/平山 真理にトップを譲るものの、一時は0.9秒差にまで迫ってきた山口 清司/島津 雅彦(トヨタ・カローラレビン)を振り切っての2位だ。「特に路面が掘れてきたあたりから、タイムが上がってきましたね。深い轍(わだち)を利用してコーナリングスピードを上げることができました。走破性の高いトヨタ86だからこそ、タイムアップが可能になったと思います。第5戦からはトヨタ86が得意とするターマックラリーが続くので、さらに上を目指して頑張ります」とドライバーの三好。ターマックラリーでのトヨタ86のさらなる活躍に期待が高まる。