全日本ラリー選手権 Japanese Rally Championship

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第5戦 モントレー2012 in 渋川

伝統のモントレー、奴田原 文雄が起死回生の逆転優勝

9年ぶり全日本開催のモントレー

渋川・伊香保ラリーパークで楽しむ観客

渋川・伊香保ラリーパークで楽しむ観客

全日本ラリー選手権第5戦「モントレー2012 in 渋川」が、7月27日(金)~29日(日)に、群馬県渋川市周辺を舞台に開催された。全日本選手権としては9年ぶりの開催となる同大会は、渋川市総合公園内にサービスパークやギャラリーステージに加え「渋川・伊香保ラリーパーク」が設置された。地元の渋川市や伊香保温泉のほか、自動車関連企業のブースも数多く立ち並んだ。ラリー観戦だけではなくトークショーや同乗走行なども楽しめるラリーパークには、大会期間中約2万人の“クルマ好き”の観客が来場し、賑わいをみせていた。

奴田原 文雄が2日目に再逆転

逆転総合優勝を果たした奴田原(左)/佐藤(右)組

逆転総合優勝を果たした奴田原(左)/佐藤(右)組

13本のスペシャルステージ(SS)が用意され、SS総走行距離68.234kmで争われるこのラリーは、シリーズとしては3戦ぶりのターマック(舗装路)路面での勝負となる。連日、気温が35度を超える猛暑の中で争われた同大会は、奴田原 文雄/佐藤 忠宜組(三菱ランサーエボリューションX)が初日前半のSSでトップタイムを連発してトップに立つが、SS3からペースを上げてきた勝田 範彦/足立 さやか組(スバル・インプレッサ)がSS7で奴田原を捕らえ、初日をトップで折り返した。しかし、2日目に入ると奴田原が反撃し、2日目最初のSSで首位奪還に成功した。その後も奴田原がSSベストタイムを連発し、第2戦の久万高原ラリー以来となる今季2勝目をマークした。

クラス別順位結果(上位3クルー)

※クラス区分の説明については、こちらを参照
クラス 順位 ドライバー/コ・ドライバー 車名
JN4 1 奴田原 文雄/佐藤 忠宜 三菱ランサーエボリューションX
2 石田 正史/草加 浩平 三菱ランサーエボリューションX
3 柳澤 宏至/中原 祥雅 スバル・インプレッサ
JN3 1 青柳 勉/箕作 裕子 ホンダ・インテグラ
2 松本 琢史/三谷 良一 ロータス・エキシージ
3 筒井 克彦/永山 総一郎 トヨタ86
JN2 1 岡田 孝一/石田 裕一 マツダ・デミオ
2 川名 賢/小坂 典嵩 トヨタ・ヴィッツ
3 天野 智之/井上 裕紀子 トヨタ・ヴィッツ RS G's
JN1 1 篠原 正行/馬瀬 耕平 ダイハツ・ストーリア X4
2 葛西 一省/安田 弘美 ダイハツ・ストーリア
3 小泉 茂/小泉 由起 日産マーチ

ゴール後に思わぬ結果が待っていたJN4クラス

JN4クラス優勝の奴田原 文雄(三菱ランサーエボリューションX)

JN4クラス優勝の奴田原 文雄(三菱ランサーエボリューションX)

奴田原が優勝を奪ったJN4クラスは、2番手でフィニッシュした勝田が最終サービスアウトのタイムコントロール(TC)で6分の早着ペナルティを受けてしまったため、最終成績はクラス10位まで順位を落としてしまった。そのため、3番手の石田 正史/草加 浩平組(三菱ランサーエボリューションX)と4番手の柳澤 宏至/中原 祥雅組(スバル・インプレッサ)がそれぞれ順位をひとつ繰り上がり、2位と3位に入賞する結果となった。

JN3クラスは青柳 勉が全日本初優勝

JN3クラス優勝の青柳 勉(ホンダ・インテグラ)

JN3クラス優勝の青柳 勉(ホンダ・インテグラ)

シリーズランキング上位の選手が次々とリタイアしてしまうというサバイバル戦となったJN3クラスは、全日本ラリーには7年ぶりに出場するという青柳 勉/箕作 裕子組(ホンダ・インテグラ)が、2日目に松本 琢史/三谷 良一組(ロータス・エキシージ)を逆転し、全日本初優勝を飾った。また、3位にはGAZOO Racingのトヨタ86が最終SSでひとつ順位を上げ、表彰台の一角を奪った。

岡田 孝一選手がJN2クラスでの初優勝を奪う

JN2クラス優勝の岡田 孝一(マツダ・デミオ)

JN2クラス優勝の岡田 孝一(マツダ・デミオ)

2010年までトヨタ・セリカを駆りJN3クラスを戦っていた岡田 孝一/石田 裕一のベテランコンビが、初日から2日目にかけて好タイムを連発し、JN2クラス移籍後としては初となるクラス優勝を飾った。2位には、シリーズランキングトップの川名 賢/小坂 典嵩組(トヨタ・ヴィッツRS)が入賞、3位には昨年のチャンピオン天野 智之/井上 裕紀子組(トヨタ・ヴィッツRS G's)が入賞した。

JN1クラスは篠原 正行選手が逆転優勝

JN1クラス優勝の篠原 正行(ダイハツ・ストーリアX4)

JN1クラス優勝の篠原 正行(ダイハツ・ストーリアX4)

シリーズランキングトップの葛西 一省/安田 弘美組(ダイハツ・ストーリア)が初日のトップを奪ったJN1クラスは、2番手につけていた篠原 正行/馬瀬 耕平組(ダイハツ・ストーリアX4)が2日目に逆転を果たし、全日本初優勝を飾った。2位に入賞した葛西選手はランキングトップの座を守り切り、開幕戦優勝の小泉 茂/小泉 由紀組(ニッサン・マーチ)が3位に入賞した。

トヨタ86が続々参戦 GAZOO Racingトヨタ86がJN3クラス3位に入賞

JN3クラス3位に入った筒井 克彦(トヨタ86)

JN3クラス3位に入った筒井 克彦(トヨタ86)

トヨタ86での活動を開始したSHOW AIKAWA WORLD RALLY TEAM

トヨタ86での活動を開始したSHOW AIKAWA WORLD RALLY TEAM

今年の開幕戦で全日本デビューを果たしたGAZOO Racingのトヨタ86は、第2戦のグラベル(未舗装)ラリーから香川 秀樹がドライバーを務めたが、ターマックラリーとなる今回は開幕戦でドライバーを務めた筒井 克彦がふたたびステアリングを握った。「開幕戦の時と比べると、かなりコントロール性が向上してきました。ノーマルの素性を生かしたサスペンションセッティングがコースに合っていたと思います」と語る筒井は、SS中にコースを見誤り一時はクラス11位まで順位を下げてしまったが、その後は粘り強い走りで次々と順位を上げ、最終的にはクラス3位に入賞する力走をみせてくれた。

一方、全日本ラリーやアジアクロスカントリーラリーなど、国内外のラリーで精力的な活動を展開する俳優の哀川 翔率いるSHOW AIKAWA WORLD RALLY TEAMが、今大会からトヨタ86で出場し、多くの話題を集めた。また、同チームからは若手育成プロジェクトの一貫として20歳の小橋 正典がドライバーとして出場してきた。まだ運転免許証を取得して1年未満の小橋は、出場資格が運転免許証取得後1年以上というラリー規定により選手権クラスに出場することはできなかったが、イノベーション(選手権外)クラスではトップタイムでゴールするという活躍をみせてくれた。

俳優の哀川 翔もトヨタ86で参戦

俳優の哀川 翔もトヨタ86で参戦

若手育成プロジェクトでデビューを果たした小橋 正典

若手育成プロジェクトでデビューを果たした小橋 正典