クラス1のヴィッツのエントリーは6台。彼女たちは5番目の出発。
何台かのヴィッツが順番にゆっくりとスタートしていくのを見守って、いよいよ彼女たちの出番です。
TRDラリーチャレンジでは、スタート時に必ずインタビューを受けます。
これって、プロのラリーストになったみたいでちょっとうれしい!!
緊張がすこし緩んだ気がします。
MC 「初参戦、緊張していませんか?自信の程は?」
かすみん 「とっても緊張していますけど、とにかく完走できるようにがんばります!」
そうなんです。初心者に大事なのは、まずは完走すること。
迷子になったり、事故を起こさず、無事に走り終えることが肝心です。
「GAZOO Lady ワクドキ Vitz CVT、奥野・皆川選手がスタートします!!それでは行ってらっしゃ~い!」
MCの掛け声とともに、スタート!
“しーちゃん”はカメラ目線で満面の笑み。ガッツポーズまで出ました~!
スタートゲートの周りにはたくさんのギャラリー(観戦者)がいて、みんなが手を振って送り出してくれます。
そして、スタートゲートを通過すると、最初のタイムコントロール(TC)です。
ラリーは合計タイムで順位を競うモータースポーツです。
区間ごとにTCが設置され、きっちり時間を管理されるのです。
TC予告の看板から先は、決められた時間の1分前にならないと先に進めないのですが、この、「1分前」を忘れてしまった彼女たち!
ヴィッツがTC予告看板に向かって走っていきます。
ダメダメ!1分前じゃないとそこは入れないのよ!!ペナルティーよ!!!
でも、周りにいるギャラリーの方がこっそり声をかけてくださり、何とかストップ!!
1分前までTC予告看板の前でじっと待ち、その後もスタッフが親切にレクチャーしてくださいました。良かった、良かった!!
「標識はちゃんと習って覚えていたのに、緊張するし、実際にやってみないとわからない~」と“かすみん”。
TRDラリーチャレンジは、競技の順位だけにこだわらず、みんなでラリーを楽しんでいる感じ。安心しました~。
なんとか無事にTC通過。SSに向かって出発です。
SSとSSをつなぐリエゾンは一般公道ですから、道路交通法に則って走行します。
ただし、コマ図(ラリー専用の地図)を見ながら迷わないように!!
“しーちゃん”は運転が大好きなので、リエゾン走行はまったく問題なし。
ちょっとしたドライブのような雰囲気です。
“かすみん”はコ・ドライバーとしてこれまで習ってきたコマ図の読み方を思い出し、頭をフル回転させます!
SS1はグラベル(未舗装路)です。
今回のラリーチャレンジのSSは7本、そのうち3本がグラベル(未舗装路)、4本がターマック(舗装路)の林道です。
グラベル(未舗装路)はなんと、スキー場を走るのです。
雪の無いスキー場って、見たことないですね。言われなければスキー場だとわかりません。
こんな風に、レアな場所に来ることが出来るのも、TRDラリーチャレンジならではかも?
さぁ、SS1スタート!
黄色と緑のパイロンで作られたコースを、間違えないように、タイムロスしないように、がんばって!!
勢い良く巻き上がる砂煙でパイロンが見えなくなってしまうのではと心配しましたが、一度もミスコースせず、きっちり完走!!
おまけに初参戦にもかかわらず、SS1本目は5位!
しかも同じコースのSS4本目は3位!!すごい!!
がんばったね、よかったね、“しーちゃん”、“かすみん”。
午前のSSグラベル2本、ターマックの林道2本は無事終了。
ターマックの林道は意外と道が細く、カーブが多いので心配しましたが、なんと彼女たち、そつなくこなしてサービスに戻ってきました!
スタートの時にちょっと手間取ったTCも、お昼にはこの笑顔で時間きっちりで通過♪
朝早くからたくさん緊張したので、おなかもペコペコ。
TRDラリーチャレンジは、ドライバー、コ・ドライバーにお昼のお弁当があるのでサービスに戻るのが楽しみです。
でも!!本来のサービスの時間は、ラリーカーをチェックする大切な時間。
埃だからけになったラリーカーを拭いてあげたり(視界を良くするためにもね)、タイヤの空気圧チェック、ホイールナットの増し締め、そのほか異常が無いか入念にチェックする時間でもあるのです。
ラリーカーチェック完了!お弁当完食!!
ラリーカーも彼女たちもパワーチャージして午後からもチャレンジします。
午後のSSはターマックの林道2本とグラベル1本。
同じ場所でもコース違いで走るので、違った感覚で楽しむことが出来ます。
後半戦は余裕すら感じた、初参戦のラリー。
とにかく無事に帰ってこられてよかった!
ルールも守れてよかった!みんなに迷惑をかけなくてよかった!
もっと速く、上手に走りたいと思えて、楽しかった!!
クルマの事、ラリーのことを何も知らない彼女たち、本当にがんばりました。
自分達だけで喜んでいるヒマはありません。つぎつぎとラリーカーが戻ってきます。
そして、モリゾウ選手と足立選手も無事フィニッシュ!
「モリゾウ選手と足立選手に教えていただいたことを守ってがんばりました!お疲れ様でした~!」
フィニッシュ後は車両保管。車両を不正に改造していないかなど、スタッフがチェックする時間です。
そして最後は表彰式。
彼女たちはクラス1のヴィッツエントリー6台中4位。
初参戦にしてはまずまずの成績です。
通常は表彰台に乗ることのできる選手がひとことずつコメントするのですが、初参加の彼女たちも特別にステージへ。
「女性同士でも参加できてしまってびっくりしています。ルールや仕組みを勉強してきましたが、実際に参加してみるとすぐに覚えられて楽しかったです」
「SSではとても緊張して、リエゾンではドライブ気分でリラックスできました。緊張感の緩急がラリーの面白さだと感じました」
「地元の方が手を振って応援してくださったのはとってもうれしかったです!」
彼女たちは、彼女たちの言葉で感じたことをきちんと話すことが出来ました。
GAZOO Racingドライバーの飯田選手、脇阪選手はなんとクラス優勝!
ミスコースしたりハプニングはあったものの、ここはやっぱりプロですね。
後半でミスを挽回する走りを見せて見事優勝しました。チームワークも一流です。
おめでとうございます!!
モリゾウ選手に憧れて、一緒にラリーに参戦したいと思って始めたラリー。
何とかなるのではと軽い気持ちで始めたけれど、あまりにも何も知らなかった彼女たち。
周りの方たちの協力があったからこそラリーカーも装備品も準備することができ、無事に参戦することが出来ました。
標識もコマ図のルールも一生懸命覚えたけれど、やはり実践が一番!
ラリーに参戦してみたことで、スッと頭に入ってきました。
また、完走したときの達成感といったら、何にも変え難いもの。
もっとたくさん走りたい!もっと上手に走りたい!もっと速く走りたい!!
彼女たちの初心者体験レポートはまだまだ始まったばかり。
本物のラリーストになるためにチャレンジします!!