Team Land Cruiser TOYOTA AUTO BODY 冒険は止まらない ダカールラリーでの試練と名声が“タフで強いランクル”を育む   第1回 ダカールラリー部門5連覇への挑戦

2009/04/23

01 市販車部門参戦へのこだわり

TLC(チームランドクルーザー・トヨタオートボデー)は、ランドクルーザーを企画・開発・生産する、トヨタ車体株式会社が運営するラリーチーム。世界一過酷なラリーとして知られるダカールラリーでは、市販車部門に参戦。TLCの前身であるトヨタ・チームアラコで初参戦した1995年以来、上位入賞の常連となり、2005年以降は今回の09年まで(08年のラリー開催中止を挟み)、同部門での4連覇という偉業を成し遂げている。

現在のダカールラリーでは、総合優勝はラリー専用のプロトタイプカーによって争われるが、TLCはあくまでも市販車にこだわる。それは絶大なる信頼性と比類無き走破性により世界中で愛されるランドクルーザーだからこそ、その製造を担うメーカーとして、市販車最強の存在であり続けることが何よりも大切なことと考えるからだ。

この強い意志はTLCの主体であるトヨタ車体株式会社は言うに及ばず、部品メーカーを始め総勢100社にものぼるサポートスポンサーの真摯な協力体制にも表れている。TLCにとってダカールラリーは単なるラリーではなく、最良の製品を送り出すモノ造りの姿勢を試される場所なのだ。


目指すは5連覇

09年のTLCのチーム構成は「ランドクルーザー200」の2台体制で、1号車は07年部門優勝の三橋淳(ドライバー)/ブルーノ・カタルリ(ナビ)、2号車にはニコラ・ジボン(ドライバー)/三浦(ナビ、トヨタ車体社員)が搭乗。チーフメカニックに、チームの古株フィリップ・シャロワ、車両担当メカとして東京トヨペットの黒澤/小林メカニック、福岡トヨタの堺/松本メカニック達がサポートにあたった。

チーム体制作りとマネジメントは酒井チーム代表と森監督、競技車両の開発は小川エンジニアが担当。彼らトヨタ車体の社員のラリー活動は、驚くことに日常業務との掛け持ちなのだという。

環境問題に取り組む姿勢として、TLCはバイオフューエル使用という試みを始めたが、その元になる廃食油の回収では、トヨタ車体社内はもちろん、地元小中学校などの協力が、関係者を大いに勇気づけた。

TLCの挑戦は終わらない。次のダカールに向けた取り組みは、すでに開始されている。目標はもちろん市販車部門5連覇だ。4連覇を成し遂げたモノ造りの力とチームワーク、そして歴代最強のポテンシャルを誇るランドクルーザー200の実力を持ってすれば、それも決して夢物語ではないだろう。


(文=竹平誠)