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パナソニック・トヨタ・レーシングとフランス人ドライバーとの一つの時代が終わり、新たな時代へと引き継がれる2007.01.29

パナソニック・トヨタ・レーシングはオリビエ・パニスと2006年限りで別れを告げたが、新たにフランク・モンタニーがチームに加入したことで、チームとフランス人ドライバーとの関係は続くことになった。フランク・モンタニーは新型“TF107”で初めてのテストを明日スペインのバレンシア・サーキットで行う。

現時点においては、最後にF1優勝を果たしたフランス人ドライバーとなるオリビエ・パニスは、パナソニック・トヨタ・レーシングで、次世代のフランス人ドライバーへとバトンを譲ることとなった。正式には、フランク・モンタニーは2007年の1月1日から、チームのサードドライバーの任に就いた。

パナソニック・トヨタ・レーシングのテストドライバーとしての任を終え、F1界から去ったオリビエ・パニスは新たな挑戦へと集中し、彼の離脱はフランク・モンタニーにサードドライバーとしてのチャンスを与えると共に、チームとフランス人ドライバーとの長い関係を継続するものとなった。

2001年、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって初めてのF1カーが世界へ向けてフランスのポール・リカール・サーキットでベールを脱いだ。これは伝説的なル・マン24時間レースでのGT-Oneプロジェクトの成功を直接受け継いだものであった。チームがF1で初めてのシーズンを戦った2002年は、フランス人ドライバーであるステファン・サラザンがテストの作業を助け、翌年からはオリビエ・パニスがレースドライバーとして“TF103”のシートを得て、トヨタとの長期に渡る関係が始まった。

フランク・モンタニーは、豊富なテスト経験をもとに、レースドライバーのラルフ・シューマッハーとヤルノ・トゥルーリを支援することで、チームにおけるフランス人ドライバーの歴史を引き継ぎ、そして、F1界における国際連合というチームの評判を継続すべく選ばれた。

異なる世代の二人の「飛躍するフランス人」は、2006年12月13日の午後、チームにとってこの年最後、そしてオリビエ・パニスにとって最後のF1ドライブとなるテストが行われたヘレス・サーキットで顔を合わせた。フランク・モンタニーはまだ正式にトヨタのドライバーにはなっていなかったが、ヘレスで走行し、契約が始まる前にチームに馴染み、シーズン前にテストを行う機会を得た。

29歳のフランク・モンタニーは、彼の世代にとってフランス人ドライバーの中で最も成功したドライバーの1人として尊敬するオリビエ・パニスが成し遂げた頂点へ道程を追い、そして、F1におけるフランス人ドライバーの存在を継続する。

両者のキャリアは数年離れているにもかかわらず、その始まりから似ている。どちらもフォーミュラ・ルノーのフランス選手権を卒業したあと、2年間フランスF3を戦い、その2年間に全く同じ、ランキング4位からランキング2位へ躍進するという結果を残している。しかし、その後国際F3000にステップアップしてから、二人の運は大きく異なるものとなった。

フランク・モンタニーは2年間の厳しい年を経て、成功のために、ワールドシリーズ・バイ・ニッサンに参戦することを決めた。オリビエ・パニスは1993年に国際F3000でチャンピオンを獲得し、F1へのステップを上った。そして、異なった道を歩んだ、二人は、この冬、スペインで、同じチームでテストを行うこととなった。

「オリビエ・パニスが去ったパナソニック・トヨタ・レーシングに私が加わるというのはとても不思議な感じだ。なぜなら、私は昔、ジュニアカテゴリーを走っていた頃に、F1で戦っていたオリビエ・パニスを見た記憶があるからだ」とフランク・モンタニーは語る。「パナソニック・トヨタ・レーシングで彼の仕事を引き継ぐことになり、それを考えると、ある意味、ちょっと奇妙に感じる。しかし、この役割を得られたことは本当に嬉しい。いつも彼がF1でレースを戦っているのを楽しんで見ていたし、彼がトヨタで成し遂げた素晴らしい仕事についても知っている」

オリビエ・パニスは彼の12年、158戦に及ぶF1生活の中で、多くの忘れがたい瞬間を残してきたが、フランク・モンタニーには一つの際だった思い出があるという。

「オリビエ・パニスがレースを戦ってきて、良い瞬間も、悪い瞬間もあったのは覚えている。彼がカナダGPで足を骨折したのは間違いなく悪い瞬間であったが、それよりも、モナコGPでの、特に印象的な優勝のことを思い出す」フランク・モンタニーは、オリビエ・パニスが1996年にリジェを駆り、ウェットコンディションとなったモナコGPにおいて、衝撃的な走りで優勝したことについて語った。「モナコGPのウィニングランで、フランス国旗が振られていたのは、本当に素晴らしい記憶だ」

フランク・モンタニーが語るとおり、この二人のドライバーは共通の国籍や言語を持つだけでなく、強い絆で結ばれている。「私はオリビエ・パニスと常に良い関係だった。互いに多くを見なくても我々は友人だと言える。私は彼が好きだし、会うときはいつでも非常に友好的だ。それは我々がフランス人同士だからというだけではなく、いつでもとても話が合うのだ」

オリビエ・パニスは彼自身のF1での生活に幕を下ろす、最後の短いテストセッションの前に、ヘレスでフランク・モンタニーが“TF106B”でドライブし、その進歩を見ることが出来た。

パナソニック・トヨタ・レーシングでの4年間の活躍を終え、40歳のオリビエ・パニスは“トヨタ・オーリス”でアンドロス・トロフィー氷上レースに出場するなどトヨタとの関係を続けている。そして彼は、フランク・モンタニーもトヨタドライバーとして成功すると確信している。それだけではなく、オリビエ・パニスはフランク・モンタニーが彼の後を継ぎ、チームの開発に有意義な貢献が出来るように計らった。

「私はフランク・モンタニーがレースをしているのを見たことがあるが、彼は非常に速いドライバーであり、また、昨年シルバーストーンとヘレスでトヨタのためにテストを行ったのも見たが、とても感銘を受けた」とオリビエ・パニスは回想する。「彼にとってもトヨタに加わるのは良いことだったと思う。トヨタは巨大なチームであり、多くの可能性を秘めているからだ」

「彼はチームと上手くやっていけると思う。チームスタッフは全員非常にプロフェッショナルであり、よく働き、そしてそれはフランク・モンタニーも同じだからだ。彼は良い男で、我々が会うときはいつも仲良くやっている」

「フランス人がチームに加わってくれることは良いことだ。そのことには満足している。ここ数年のF1は、フランス人ドライバーにとっては厳しいものであったが、現在はフランク・モンタニーが多くの経験をF1のテストで積んでおり、彼はトヨタで非常に良い仕事をしてくれると確信している」

フランク・モンタニーが正式なパナソニック・トヨタ・レーシングのサードドライバーとして初めてのテストは明日、スペインのバレンシア・サーキットで始まる。彼はヤルノ・トゥルーリと共に、チームのシーズン前テストプログラムを遂行する。

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