第1戦 オーストラリアGP 2002
2002年3月3日(日)(オーストラリア・メルボルン発)
“トヨタTF102” 大混戦のF1デビュー戦でミカ・サロが堂々6位入賞
スタート直後の多重クラッシュでアラン・マクニッシュは、惜しくも戦線離脱
パナソニック・トヨタ・レーシングのF1デビュー戦オーストラリアGP決勝日は、朝から雨模様。午前9時30分から30分間行われたウォームアップ走行も、レースコースは完全にウェット コンディション。時折、雨足が強くなる悪条件が、多くのドライバーを苦しめたが、ミカ・サロも 例外ではなく、ウォームアップ走行終了間際に、R.バリチェロ(フェラーリ)にコースを譲った ミカ・サロは、走行ラインを外してスピン。大事には至らなかったが、フロントウィングを小破。 “トヨタTF102”は問題なく修復されたものの、決勝レースへの暗雲を予感させた。
しかし、午後2時の決勝レースのスタート時には、時折、太陽も覗き、レースコースは、ドライコンディションへと変わり、外気温19度、路面温度23度という肌寒いながらも天候は回復。大観衆の歓声の中、午後2時3分過ぎにF1シーズン開幕戦が開始された。ところが、
スタートの瞬間に、首位争いのR.バリチェロ(フェラーリ)とR.シューマッハ(BMWウィリアムズ)2台のクラッシュに誘発されるように、後続グループでも多重クラッシュ。惜しくも、予選16番手からF1デビュー戦に燃えていたアラン・マクニッシュも、このクラッシュの餌食となり、無念の戦線離脱。何と出場22台中9台がこの多重クラッシュで戦列を去る中、予選14番手からF1復帰のミカ・サロは、辛うじて難を逃れ、9周目にレースが再開されると11位から追い上げを開始。J.モントーヤ(BMW)とM.シューマッハ(フェラーリ)が激しい首位争いを展開する混戦で、14周目には佐藤琢磨(ジョーダン・ホンダ)をかわして10位へポジションアップ。その後も、相次ぐリタイヤを横目に、ミカ・サロと“トヨタTF102”は、パナソニック・トヨタ・レーシングの期待を一身に担って、ベテランの走りを展開。25周目に9位、29周目に8位と躍進をはたし、レースも終盤となった40周目には、遂に6位へと進出。5位のM.ウェーバー(ミナルディ)をじわじわと追い上げ、大観衆を沸かす大バトル。しかし、ミカ・サロは、無念にも痛恨のスピン。惜しくも5位躍進は逃したが、見事パナソニック・トヨタ・レーシングを初出場初入賞へと導いた。
ミカ・サロのコメント:
「今日は、最高のレースが出来た。1周目に接触し、リアのサスペンションを壊し、交換したが、“トヨタTF102”は、速く、とても信頼性が高かった。また、チームも良い仕事をしてくれた。これまでもポイントを獲得したことはあるが、今回のポイント獲得が一番重要なものだと思う」
アラン・マクニッシュのコメント:
「我々の最初のグランプリで、オープニングラップさえ終えられなかったのは、本当に悔しい。しかし、このレースを前に、準備を重ねてきたことで、とても多くのことを学ぶことが出来た。サロがポイントを獲得してくれたことは、とても嬉しい。これからのグランプリで、今日の無念を晴らすつもりだ」
TMG会長 冨田務のコメント:
「レース開始の1時間前までは非常に緊張した。しかし、レースが始まって、最後には、ホッとした。2人のドライバーは、素晴らしい仕事をしてくれた。マクニッシュは、残念だったが、サロは、本当に信じがたい良い仕事をしてくれた。今回の経験を、これからの戦いへと繋げていきたい」
TMGテクニカルコーディネーター 高橋敬三のコメント:
「最初のレースを最高の結果で終えることが出来た。こんなに嬉しいことはない。この結果もトラブルを出さないというチームの努力が実を結んだもの。次戦も気を引き締めて頑張る」
トヨタ自動車(株)会長 奥田碩のコメント:
「初戦でこのような入賞が出来て、大変感激している。支援をいただいた多くの皆様に改めて感謝したい。幸運にも恵まれた入賞だと思っており、兜の緒を締め今後に臨みたい」
<決勝> | ||||
天候: | 曇り | 気温: | 19℃ | |
路面温度: | 23℃ | 湿度: | 67% |
M.サロ: | 6位 | 1時間44分23秒3 | 56周完走 | シャシー:TF102/04 | |||
A.マクニッシュ: | 16位 | 1アクシデント | 0周 | シャシー:TF102/05 |
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