第2戦 マレーシアGP 2002

2002年3月17日(日)(マレーシア・クアラルンプール発)

F1マレーシアGPでアラン・マクニッシュが猛追し7位健闘

亜熱帯のサバイバルマッチでミカ・サロもトラブルを克服し12位完走

パナソニック・トヨタ・レーシングのF1デビュー2戦目となるマレーシアGP決勝日は、朝から薄曇り。しかし、その雲をも透過する強烈な太陽で、相変わらずの蒸し暑さに変わりはなく、10時30分から30分間行われたウォームアップ走行は気温31度、湿度80%の中で、過酷な決勝レースへ向け、最後のセットアップと確認作業が行われた。このウォームアップ走行で、ミカ・サロは14番手、アラン・マクニッシュは、16番手のタイムを刻み、決勝レースへと体制を整えた。

午後になり、青空から強烈な太陽が照りつけ始めたが、各チーム共、決勝レースを前に天気情報の収集に余念が無い。ここ数日、夕方には決まったように、激しい雨が時折雷を伴ってサーキットを襲っており、日を重ねるごとに、雨の降り出す時間が早くなる傾向にあった。

欧州でのF1GPより1時間遅い、午後3時の決勝レーススタートは、この天候の不安がよぎる中で開始された。予選10番手からスタートのミカ・サロと“トヨタTF102”は、抜群のスタートを切り、1周目には9位、2周目には8位とポジションを上げて序盤戦に突入。予選19番手のアラン・マクニッシュも1周目で14位、6周目に10位へ躍進。10周目には、ミカ・サロと7位、8位体制へ。その後もミカ・サロとアラン・マクニッシュの快進撃は続いていた。しかし、25周目にミカ・サロが6位を確保したその瞬間に、突然の電気系トラブルが発生。ミカ・サロは、急遽ピットインし、14位へと後退してしまった。しかし、アラン・マクニッシュは、28周目には7位へポジションアップ。パナソニック・トヨタ・レーシングの期待を一身に担って力走。40周目には6位へ躍進。2回目のピットインで7位へ後退したものの健闘を続け7位をキープして55周を走り、チェッカーフラッグを受けた。ミカ・サロも執念の追い上げを見せ、12位で太陽が照り続けた灼熱のサバイバルマッチを走り抜いた。優勝は、ラルフ・シューマッハ(BMW・ウィリアムズ)であった。

アラン・マクニッシュ: #25  7位 1時間35分38秒086 55周完走 シャシー:TF102/05
「予選順位を考えれば、今日の結果はとても嬉しい。“トヨタTF102”は、金曜、土曜と比べて運転しやすく、決勝レースでは、思いもよらぬライバル達とレースを戦うことが出来た。この成果からも、次戦ブラジルへ向けて、自信をもって戦いに臨める」

ミカ・サロ: #24  12位 1時間35分39秒091 53周完走 シャシー:TF102/04
「今日は、まずまずのレースと言える。序盤戦は、とても順調で前を行くドライバーに簡単に追いつけ、追い抜きも出来た。最初のピットストップの後、トラクションコントロールの電気系に問題が発生、上位争いは諦めることになってしまったが、2台が完走出来た事で、チームと共に今後の自信へと繋がった」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「今日は、我々にとって2戦目であり、2台の“トヨタTF102”をフィニッシュラインへ通過させることが大切だった。ミカ・サロの電気系の問題や、アラン・マクニッシュのピットインでの混乱などはあったが、予想以上にうまくいったと考える。問題が発生するまでは、ポイント獲得圏内にいたことは、チームにとっても貴重な経験を積むことになった」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「この過酷な条件の中で2台を完走させることが出来、初期の目的を達成した。さらにアラン・マクニッシュは、19番手から7位へと大健闘してくれた。ミカ・サロは、思わぬトラブルで後退したが、最後まで諦めずに、本当に良く頑張ってくれた。次戦ブラジルへ向けて、さらに体制を整える」

<予選>
天候: 曇り(ドライ・コンディション)
気温: 33℃
路面温度: 40℃
湿度: 52%
T-CARシャシ-: TF102/02(M.サロ)

パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週スペイン・バルセロナのカタルニア・サーキットで3日間に渡るテストを予定している。20日(水)は、ライアン・ブリスコ、21日(木)22日(金)は、ミカ・サロが担当する。