第2戦 マレーシアGP 2002

2002年3月20日(水)

アラン・マクニッシュ セパンからの手紙

僕のF1初参戦のオーストラリアGPがファーストコーナーで終わってしまった後だっただけに、今回のマレーシアGPはうまくいったというべきかな。実を言うと、土曜の夜はあまりハッピーじゃなかったんだ。セパンでどれくらい走れるかあまり分からなかったからね。

予選19位にはすごくがっかりしていたんだ。セパンでの初走行の時に僕のレースカーがトランスミッションのトラブルを起こして、スペアカーに替えたのだけれど、そのせいもあってあまり良い結果が出せなかったからなんだ。スペアカーは僕のレースカーとは全然違って、いい感じではなかった。僕の決勝本番のクルマも最初はいい状態ではなかったけれど、ミカのクルマや日曜朝のウォームアップ走行から情報をとることができたので、それまでよりはずっと良くなったんだ。

チームは、練習走行、公式予選、ウォームアップ走行、決勝というあらゆる場面で、きちんといけるとはっきり分かっていたので、決勝も信頼して臨めたよ。

レースはコースが日中最高気温の45度に達するくらいの暑さの中で、気力が削がれるくらいだったけれど、僕たちはパンコール島で体を気候に慣らして準備しておいたので、実際僕は身体的には全く問題はなかったね。

決勝では、僕は最高のスタートを切れて、スターティンググリッド上では前方にいた他チームのクルマと充分戦うことができるという自信につながったね。まあ、このところずっと調子良かった直線スピードだけではなく、ブレーキングの場面ではかなり攻め込むことができたよ。

他のクルマを抜いていくのはとても楽しかったけれど、ちょっとやっかいだったことといえば、第1コーナーで追い越しをかけようとしたとき、ベルノルディがすこし攻撃的にかすめてきたことかな。

9位まで上がって、ミカと同じくらいのペースで快適に走っていたけれど、前を走っていたクルサードがトラブルを起こしたとき、芝地へ入ってしまってタイムロスをしてしまった。コーナーの前でクルーサードをパスしようとしたのだけれど、マーブル(コーナー端に設置されたゴム)に接触して、グリップを失ったんだ。僕は芝地を抜けてコースに戻るしかできなかったね。一瞬ラリーのようだったよ!クルマがとても丈夫だったから、ダメージは全くなかったよ。最初のピットストップでクルーがラジエーターに付いた芝をうまく取り除いてくれたので、エンジンがオーバーヒートするかもしれないというような心配をする必要もなかったね。

レースが進んで、実際僕は6位にまで順位を上げることができて、ポイント獲得できるかもしれないと思いはじめたよ。そのとき僕はマッサをとらえていたんだ。コースのどのポイントで僕のほうが速くて、また逆にどのポイントではマッサの方が速いのか分かっていたので、レース展開を考えることができていたんだ。2回目のピットストップの後でマッサより前に出られていれば、ポイントは確実に取れていたよ。

2セット目のタイヤのバランスが、最初のセットのタイヤと比べてあまり良くなかったのだけれど、2回目のピットストップに入った時に、残念なことに誤解があったんだ。何が起こっていたかは詳しくは分からないけれど、僕がピットインしたときにはチームメイトのミカがそこを離れた直後だったので、タイヤが準備されていなかったんだ。燃料補給の後、時間を稼ぐために、同じタイヤをはめなおして、そのまま最後まで走らなければならなかったんだ。その間に、サウバーは行ってしまったので、結果7位となった。とは言っても、僕はチーム全体の仕事ぶりにはとても満足しているんだ。あのピットストップ自体の問題は小さいもので、こういうことをこれからチームが今年1年かけて学んでいくことになるのさ。

オーストラリアでミカが獲ったポイントに見合う成績が挙げられなかったことは残念だったけれど、これもレースだからね。良かったこととしては、クルマのパフォーマンスの良さを楽しめたことは素晴らしいことだし、これだけやれるということで、いろんな人たちをきっと驚かせたと思うよ。今回のレースは僕にとって、これからのシーズンを戦っていくことに、大きな自信となっているよ。

セパンを出て、1週間は国に戻るんだ。ミカは今週ブラジルGPの前にバルセロナ(スペイン)でテストをし、僕はブラジルGPの後に、バレンシア(スペイン)でテストをする予定なんだ。忙しいスケジュールだけれど、とりあえず次のレースの前に家で過ごす数日を楽しみにしているところだよ。