第3戦 ブラジルGP 2002

2002年3月22日(金)

ミカ・サロ ブラジルGPへ向けて

ワーオ!ここのところは一年の中でも特にせわしない時期だね。マレーシアからの飛行機から飛び降りるようにして家まで急いだけれど、妻の賀子と息子のマックスに「ただいま」って一言言えるくらいの時間しかいられずすぐに、テストのためにバルセロナへ向かったんだ。

次のレースまで、自宅でゆっくり足を伸ばしたりして休みたいところだったけれど、そんなことはまったく自分勝手なことで、パナソニック・トヨタ・レーシングのチームメンバーは皆、僕たちがオーストラリアやマレーシアで見せた強固なパフォーマンスを、より確固たるものにしようと必死に奮闘していて、僕の意見を必要としているんだ。

バルセロナから戻って、火曜の夜ブラジルGPへ向けてサンパウロへ発つ前に、数日休みを取ったよ。先週のマレーシアGPと同じように、ブラジルGPもまた別の意味で僕たちドライバーにとって辛いレースになるだろうな。マレーシアと違うのは、セパンでの耐えられないくらいの暑さと湿気の代わりに、ブラジルではあの南アメリカ最大の都市特有の刺激性スモッグがヘルメットの中に充満するんだ。

インテルラゴス(ブラジルGP開催サーキット)はコース表面がバンピーで、セパンより荒っぽいサーキットだ。F1で周回が反時計回りのコースは、こことイモラ(サンマリノGP開催サーキット)だけだから、僕は首の左側を強くする何か良い方法がないかと、いろいろ探している。
重りを入れた特別なヘルメットを使うドライバーもいるけれど、僕は頭をタイヤチューブの中にいれてトレーナーに右側へ強く引っ張ってもらう方法でトレーニングする方がいいんだ。ありきたりな方法かもしれないけれど、これが効き目があるんだよ。

コース表面の荒いことといえば・・・断然ここがワースト1だね。主催者側はトラックが湿地に造られたために地盤沈下が起こって、こうなってしまったと言っている。まあ、理由はどうあれ、ドライバーにとっては厳しいコースだし、クルマの損傷の原因となったりするんだ。僕の好きなコースじゃないね。

とは言っても、ブラジルGPでもパナソニック・トヨタ・レーシングは結構いい結果を期待できるのではと思っているんだ。インテルラゴスはTF102と相性が良さそうだからね。
あそこは馬力を必要とするサーキットで、しかも僕たちのエンジンの調子はいいし、さらに、大きなダウンフォースの中で走る必要もないしね。空力の部分はまだ改善の余地があるところだし。

チームとしては、レースごとに良くなってきているよ。特にチームワークで働く場面などね。メカニックたちは、オーストラリアのあとマレーシアまで一緒だったし、また、僕は皆のマレーシアでの動き方には今までとは違うものを感じたんだ。よりチームらしくなっているよ。ブラジルでも同じような進歩が見られたらうれしいな。

今年中に表彰台をと、など考えるほど、僕はこの世界で世間知らずじゃないけれど、いろいろなことがとても順調にいっているから、出来ないことはないかも知れないっていう気になっているよ!

では、また。