第3戦 ブラジルGP 2002
2002年4月4日(木)
アラン・マクニッシュ - ブラジルGPをふりかえって
ブラジルでは、あまりいろいろ周りを見てまわることができなくて残念だったよ。空港とホテル、そしてサーキットくらいだったね。ブラジルでのイベントの一つに、トランスアメリカホテルでのパーティがあって、たくさんのブラジルのジャーナリストや現地のパナソニックやトヨタの関係者の人々と出会えたよ。
走ったことのないサーキットに行くのはいつも楽しみだよ。でも、インテルラゴス(ブラジルGP開催サーキット)には、とてもびっくりしたと言わざるを得ないね。テレビで見る限りでは、このサーキットがどんなに路面のアップダウンがあるか分からないかな。そう、いわゆる「バンピー」ということなのだけれど、とてもテクニカルで、挑戦のしがいもあるんだ。高温ということもあるし、また、このサーキットは反時計周りに走るから、首の負担がかかる方も、普段慣れている方とは反対側になるんだ。
レースウィークは、決勝の第1ラップのアクシデントを除けば、そんなに悪くなかったかな。金曜日は3番手で練習走行を終了できて、とても良かったしね。TF102はとても調子が良くて、バランスもとれていたと思う。けれど、土曜日にはあまり扱いやすくなくなってしまったんだ。アンダーステアが出てしまって、それを完全には解決することができず、この点では金曜日に比べて一歩遅れを取ってしまったんだ。
日曜日のウォームアップの時には、僕はまたバランスのとれたところまで持って行けたのだけれど、最高のところまでは行けなかったね。決勝では、16番グリッドから、まずまずのスタートが切れて、第1コーナーのところで何台か抜くことができたよ。そのあと、バックストレートへ入ったところでは、ミカのすぐ後ろにいたんだ。その時、ミカが急にサイドに避けたあと、トラックの真ん中にフロントウィングが落ちていて、僕はそれを踏んでしまった。自分のフロントウィングを傷めてしまい、また、タイヤと、クルマの空力に大切なバージ・ボードにもダメージを受けて、ピットに戻らなければならなくなったんだ。
ピットクルーにノーズの交換や、修理をしてもらってコースに戻ったけれど、オーバーステア気味になるなど、クルマの状態がだんだん悪くなってきてしまったんだ。40周回目でとうとうハンドリングの不調でレースを終えてしまった。ターン4でブレーキがロックして、スピンしてしまったんだよ。
テレビでリプレイを見たのだけれど、クルマはすごい速さでスピンしていたね。何が起こっていたのかはっきりは分からないけれど、コースの端に止まってしまったから、クルマの状態を見ている場合ではなかったんだ。すぐにその場を離れたよ。
レースの序盤、第1周回のアクシデント後にピットインしたあとすぐは、クルマの調子はとても良かったよ。いい感じでマクラーレンとルノーを追っていたんだ。もし、K・ライコネンとポジション争いをしていたのであれば、彼を追い抜くこともできたのではないかと思っているよ。けれど、実際は周回遅れだったから、リスクを避けたんだ。
レースはリタイアとなってしまったけれど、インテルラゴスでのドライブはとても楽しめたよ。コースの至る所にあった「TOYOTA」の看板を見ると、ぐんとやる気が沸き、パナソニック・トヨタ・レーシングは大きなサポートを受けているんだということを感じて、とても励みになったよ。まだデビューシーズンの3戦目を終えたばかりだけれど、チーム全体が非常に前向きで、いい方向に向かっているよ。
僕は今、スペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで金曜日までテストをしている。それから、新しいことと言えば、僕のスポンサーの関係でバーゼル時計フェアに呼ばれているんだ。その後、2週間後にせまったイモラ(第4戦 サンマリノGP開催サーキット)から始まる、ヨーロッパラウンドに向けて集中する前に、いろいろ考えをまとめる日を持とうと思っているんだ。イモラでも、今の勢いを持って前進して行きたいと、みんな思っているよ。
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