第4戦 サンマリノGP 2002

2002年4月11日(木)

パナソニック・トヨタ・レーシング、イモラにモーターホームを初乗り入れ

パナソニック・トヨタ・レーシングは戦いの舞台をヨーロッパラウンド、サンマリノGPに移すが、このグランプリでデビューをはたすものがある。それは、チームのモーターホームとテクニカルサポート・トレーラーである。パナソニック・トヨタ・レーシングは、F1世界選手権のヨーロッパラウンドを2台のモーターホームと5台のトレーラーで、転戦することになる。

スタイリッシュで、機能性、専門性に優れたこのモーターホームは、モータースポーツや企業のホスピタリティー設備分野の専門で知られるイギリスのポクリントン・コーチワークス(Pocklington Coachworks)社製である。

冷暖房完備の2台のモーターホームは、全長14メートル・幅2.5メートルで、屋根部分が可動式で2階建てになる。それぞれ1台ずつ単独でモーターホームとしての機能を果たすことができ、電話、FAX、Eメールシステムや、キッチン、マルチチャンネルテレビに対応したパナソニック製オーディオビデオシステム、DVD、CD等が備え付けられている。

2台のうち1台のモーターホームは、メディア関係者との打ち合わせ、チームゲストのおもてなしといった機能と、チームの広報・マーケティング用のオフィス、ミーティングルームがある。もう1台は、チーム専用のスペースとなり、マネージメント用のオフィスや、ミカ・サロ、アラン・マクニッシュのドライバー用の部屋がある。

パナソニック・トヨタ・レーシングF1チームのテクニカルパートナーであり、ヨーロッパ地域における商用車製造分野でのリーディングカンパニーであるMAN社が、5台のトレーラーを提供してくれ、そのうち3台のトレーラーは、パドックエリアに置かれて、テクニカルユニットとして使われている。

このテクニカルサポート・トレーラーは、サーキット現場におけるチームの様々な施設の中でも、必要不可欠なものである。無線やテレメトリー・トランスミッションのアンテナ設備だけでなく、ワークショップ設備やTV会議システムがある最新オフィス関連設備なども搭載されている。

このうち1台のトレーラーは、レースやテストセッションでのTF102カー運搬と、スペアパーツの保管専用として使われる。また、別の2台のトレーラーは、パドックエリアのすぐ外側に置かれ、ピットガレージやモーターホーム用の装置・備品類を保管する目的で使われる。

これら7台のモーターホームとトレーラーは、トヨタのコーポレートスタイルやイメージを伝えるために、入念にデザインされたもので、TF102カーの毛筆で描いたような赤白のデザインがほどこされ、チームパートナーのロゴを配している。

ヨーロッパラウンドを転戦するF1チームにとって、こうしたモーターホーム、テクニカルトレーラーは、風物詩となっている。パナソニック・トヨタ・レーシングが、ヨーロッパで開催される各グランプリに運び込むこの台数は、F1チームとして通常の数であり、また、これは主催者サイドの規則に則ったものである。

多忙を極めるこのF1グランプリ開催中では、チームの必要性に応えられる、このような機能的な設備のもとで働けるということは、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、大変有益なことである。