第4戦 サンマリノGP 2002
2002年4月14日(日)(イタリア・イモラ発)
初のヨーロッパ戦で、パナソニック・トヨタ・レーシングに試練
ミカ・サロとアラン・マクニッシュ、共にレース序盤で戦線離脱
パナソニック・トヨタ・レーシングは、参戦4戦目で、いよいよヨーロッパ戦への挑戦を開始した。決勝レースを前に午前9時30分から30分間行われたウォームアップ走行は、快晴のもと行われ、昨日来のデータを元に、さらにセットアップに検討を重ねた“トヨタTF102”は、最終セッティングの煮詰めを行った。このウォームアップ走行で、ミカ・サロは、1分28秒478で18番手、アラン・マクニッシュは、1分28秒998で21番手となり、午後の決勝レースへと臨むこととなった。
決勝レースを前に、“アウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ”サーキットの上空には、厚い雨雲が訪れた。天気予報も午後には、雨の降る確率が高いことを伝えていたが、熱狂的なF1ファン“ティフォシ”達も、傘を携えてグランドスタンド、好みのコーナーへと足早に観戦ポイントへ急いだ。
午後2時に決勝レースがスタートしたが、雲の切れ目からは、青空と太陽が覗くまでに天候は回復。予選落ちとなったA.ユーン(ミナルディ・アジアテック)を除く21台が、全62周のレースを開始。しかし、スタートの瞬間、パナソニック・トヨタ・レーシングに不運が襲った。スタートで加速を始めたアラン・マクニッシュの“トヨタTF102”は、直後に失速、ピットレーンの出口近くでストップ。その後ピットへと押し戻されたものの、戦列復帰は出来ずにリタイア、駆動系のトラブルであった。そして、予選16番手からスタートのミカ・サロは、1周目には15位にポジションアップ、その後、5周目には14位へと躍進。序盤戦24周目に予定通り1回目のピットインをしたものの、直後の26周目には4速ギアを失って再びピットイン。やはり、駆動系のトラブルで、戦列復帰は出来ずにリタイアを余儀なくされてしまった。
優勝は、M.シューマッハ。2位は、R.バリチェロで、サンマリノ・グランプリは、2台のフェラーリの入賞で、“ティフォシ”の熱狂に包まれた。
ミカ・サロ: #24 リタイア 26周 シャシー:TF102/04
「トラクション・コントロールをレース開始早々に失い、最初のピットインの直後に4速ギアも失ってしまった。今年最初のリタイアとなってしまったが、本当に難問を抱えた週末であった。ミシュランタイヤは、良かったが、TF102を満足の行くまで仕上げることが出来なかった。来週ムジェロのテストで、やらねばならぬことが沢山出来た」
アラン・マクニッシュ: #25 リタイア 0周 シャシー:TF102/05
「スタート直後に、成すすべも無く、私のレースは終わってしまった。コース横に寄る事が精一杯だったが、幸いにも他車を巻き込むことも無かった。これまで信頼性が良かっただけに、初めて苦渋を味わうことになったが、今後へと、さらに邁進する」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「とても失望している。しかし、我々は現実に直面せねばならない。今までは、とても幸運だったが、今日のリタイアは、学習の一部でもある。徹底的に原因を究明し、ムジェロのテストを経て、次戦スペイン・グランプリへと立ち向かう」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「今日は、2台とも予期せぬ駆動系トラブルでリタイアする結果となってしまった。とても残念だが、これも、技術的な限界へと挑戦した結果。ひとつの試練でもあり、徹底的に原因を究明し、早急に対策を施し、今後へのレースへと立ち向かっていきたい」
天候: | 晴れ時々曇り |
気温: | 最低18℃ 最高20℃ |
路面温度: | 最低20℃ 最高31℃ |
湿度: | 50% |
T-CARシャシ-: | TF102/02(ミカ・サロ仕様) |
パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週イタリアのムジェロ・サーキットで3日間に渡るテストを予定。16日と17日は、ミカ・サロとアラン・マクニッシュ、18日はライアン・ブリスコとステファン・サラザンの2人のテストドライバーが担当する。
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