第5戦 スペインGP 2002

2002年4月30日(火)

アラン・マクニッシュ - バルセロナの戦いを振り返って

これまでのグランプリレースで不運がいくつか続いていたけど、先週末のスペインGPでは僕は今シーズン2度目の完走を果たすことが出来たね。ミカも完走して、僕らはクルマの信頼性を回復したことを示せたね。

前回のサンマリノGPで2台ともリタイヤとなった後、チームはイタリア・ムジェロで3日間のいいテストが出来た。僕らのF1カーについて多くのことを学んだよ。
これだけ集中的なテストが出来たのは、今シーズン始まってからは初めてだったね。

バルセロナでは少し苦労するだろうとは感じていたね。なぜならカタルニア・サーキットでは、トラクションとエアロダイナミクスのパフォーマンス、この2つのことがとても大事なんだ。明らかに、僕らの風洞実験のプログラムはまだ初期段階であって、現時点ではTF102はダウンフォースが足りていないね。

金曜日の1回目のフリー走行では、ピットレーンを出たところで僕のクルマはストールしてしまって、このセッションをフルには走れなかったんだ。今回も'運'は僕には向いていてくれないのではないのかって、疑ってしまったね。ローンチコントロールを試していたんだけど、システムが止まってしまったんだ。不運にも、クルマは白線を横切ってしまったんで、コースに正式に出たとカウントされてしまって、後のセッションを'観客'として観るしかなかったね。

それから、予選ではターン12を抜けたところでスピンしてしまった。ちょっとプッシュし過ぎたかもしれないけど、全速でそのターンを攻めてやろうと思って、縁石の内側にタイヤをかぶせ過ぎたのかな。それで、狙っていたラインよりクルマが振れて、左のリアタイヤをコースの外に落としてしまったんだ。瞬間的には問題ないかと思ったけど、クルマがスピンして、ウォールに激しくヒットする!と思ったよ。

なんとか体勢をもち直して、ピットレーンの入り口に後ろ向きにクルマを進めたんだ。ウォールとの接触は最小限に食い止めたけど、止まった位置が他のドライバーがみんな向かってくるところでね。まあ、その時はみな時速600kmくらいで突っ込んで来るように感じたね。

ピットレーンの逆走は禁止されているから、どうすればいいのかちょっと悩んだけど、
タイミングを見計らって、スピンターンをして何事もなかったようにコースに戻ったね。

予選はタイム的には接近戦だった。結果は18番手と20番手。決勝では、ミナルディの2台が出走を取りやめたため、僕が最後尾になるところだったけど、Eアーバインのジャガーが燃料違反とのFIA判定で僕の後ろに廻ったんだ。スタートでは、アーバインにポジションを取られたけど、最初の周回のターン4でジャガーの2台を抜いたよ。

ミカにとっては、僕よりいろんなことがあったレースだったね。ミカのリアタイヤのひとつが早い段階でスローパンクチャーになってしまっただろ。僕のレースは、とても'さびしい'ものと言わざるを得ないね。だって、レースの中で、僕の前にも後ろにも誰もいない状態がずいぶんあったからね。

でも、僕ら2台は完走したし、僕が8位でミカが9位と結果を残せた。納得いくラップタイムも何度か出せたしね。シーズンが始まる前に、僕らは明解な目標を打ち出した。それは、「全レースで2台とも予選通過し、出来るだけ多くのレースで完走する」ということ。今シーズン5レースが終わり、僕とミカ合わせて、完走すれば可能な624周のうち428周を走った。これは、ほぼ70%の完走率にあたるよ。

これからは、更にクルマの開発を進めるために、ライアン・ブリスコがポルトガルのエストリルで今週テストをしているよ。僕は、しばらくモナコのアパートで休息を取り、それからオーストリアGPが始まる前にちょっとだけスコットランドの家に戻るつもりなんだ。オーストリアGPでまた応援お願いするよ!
アラン