第6戦 オーストリアGP 2002

2002年5月10日(金)

オーストリアGP フリー走行レポート

今週末、フォーミュラ・ワン世界選手権は舞台をオーストリアに移し、第6戦を迎えた。開催サーキットは、パナソニック・トヨタ・レーシングチームにとって、すでに走行したことのあるA-1リンクサーキットだ。

オーストリアは、チーフデザイナーのグスタフ・ブルナーの故郷であり、昨年フルディスタンスのレースシュミレーションを行ったことがある。チーム員にとってグランプリレースの現場の緊張感や間合いもシュミレーションしたサーキットでレースをすることができる。その効果が早くもアラン・マクニッシュをフリー走行第2セッション序盤でトップ10へと後押しした。1コーナーでスピンをしてしまったが、最終的にマクニッシュは、5番手という素晴らしい滑り出しを見せた。彼の1:11.140のタイムはセッションのトップタイムからわずか0.6秒差だった。

「セットアップはとても良かった。そして、われわれは確実に進歩している。やはりレースシュミレーションをこのサーキットで行っていることはとても大きいアドバンテージだよ。バルセロナは初めてだったから苦労したからね。何人ものトップドライバー達よりも速いというのは何か変な感じだよ」とマクニッシュは語った。

19番手、1:12.375でセッションを終えたミカ・サロは「このセッションでは、予定したプログラムを完全にこなすことだけに集中した。セットアップは、ハイスピードで若干バランスに問題があるのに全体としては、すごく良いんだ。他には不満はないから予選には自信があるよ」と語っている。

そしてブルナーは「2台のTF102は、問題もなく走行し、良いセッションだった。しかし、コース状況は変化する。明日、全体のタイムが上昇するから、われわれがどこに位置するか見極めるのが難しい。ニュータイヤを装着することで1秒、燃料を軽くすることでまた1秒。各チームがどのような作戦を展開するかは全くわからないんだ。今日、アランは、少な目の燃料でタイヤの比較テストを行い、ミカは多めの燃料で同じようなテストを行った。明日の予選はかなりの接戦となるだろ。コンマ1秒の差が大きな差となる、予選は現在のわれわれの力を試す場でもある」と語った。

フェラーリチームは、M・シューマッハーが開幕から5戦中4勝を上げるという好調さをここでも示している。2004年までの契約を更新した彼のチームメイトR・バリチェロが自らを祝福するようにファステストタイムを叩き出した。2番手にシューマッハー、その背後にBMWチームのJ・モントーヤ、マクラーレンのK・ライコネン、そしてマクニッシュと続いて、アローズのE・ベルノルディがトップ6のグリッドをわけた。