第6戦 オーストリアGP 2002

2002年5月12日(日)(オーストリア・A1リンク発)

“トヨタTF102” オーストリアGPで4回目のトップ10獲得

ミカ・サロが8位、アラン・マクニッシュ9位。2台揃って“シングルフィニッシュ”

オーストリアGP決勝レースを迎えたオーストリア・スピルバーグ地方は、美しい夜明けとともに爽やかな朝を迎えた。例年通り、熱狂的なオーストリアのF1ファンに、隣国ドイツから大挙して駆けつけるドイツのF1ファンが加わり、“A1リンク”へのアウトバーンは、時ならぬ“F1ラッシュ”。天気予報では、午後から雷雨との予想も流れ、各チームとも戦略に頭を悩ます中、スタンドを埋めた大観衆は、今や遅しと「F1サウンド」を待ちわびた。

折りしも、5月12日は「母の日」。戦いの舞台となる“A1リンク”は、F1ドライバー12人の母親をサーキットに招待するという、“粋な計らい”を行った。パナソニック・トヨタ・レーシングのミカ・サロとアラン・マクニッシュも、母親の応援のもと、決勝レースへと臨むこととなった。

午後2時に決勝レースがスタート。71周、305.252Kmの戦いへ突入。緊迫の第1コーナーをクリアしたミカ・サロは、1周目で8位に躍進、アラン・マクニッシュは14位で序盤戦へと戦い進んだ。その後、ミカ・サロは、15周目から19周目にわたって、J.ビルヌーブ(BARホンダ)と激しい7位攻防戦を繰り広げ、23周目にO.パニス(BARホンダ)のストップで出された4周にわたる赤旗中断を機に7位へと進出。しかし、レース再開直後に起きたN.ハイドフェルド(ザウバー・ペトロナス)の佐藤琢磨(ジョーダン・ホンダ)への側面衝突による、再度の赤旗中断でのピットイン争いにより、37周目のレース再開時は、ミカ・サロが11位、アラン・マクニッシュが12位から中盤戦を開始した。終盤戦へと、さらに多くが戦列去る波乱のレースを、パナソニック・トヨタ・レーシングのミカ・サロとアラン・マクニッシュは慎重な中にも果敢に戦い、着実に順位を上げて、ミカ・サロが8位、アラン・マクニッシュが9位でチェッカーフラッグを受け、4回目のトップ10入りを果たした。

優勝は、M.シューマッハ。唯一、これまで勝利をものに出来なかった“A1リンク”を制し、GP開催全サーキットの完全制覇という偉業を成し遂げた。

ミカ・サロ:  #24  8位  71周  シャシー:TF102/04
「セーフティカーが入るまで、レース運びはうまくいっていた。しかし、ピットインのタイミングで失敗してしまった。これは、我々が学ぶべきことであると思う。その後は周回遅れに阻まれ、先頭集団に離された。ただ、2回目の2台トップ10完走は、チームにとって非常に意味のある成果だと思う」

アラン・マクニッシュ:  #25  9位  71周  シャシー:TF102/02「充実したレースだった。序盤戦で波乱があったが、セーフティカーが入ったことでチャンスを失った。しかし、終始“TF102”の調子は良く、中盤戦からも満足のいく戦いをすることが出来た」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「チームは、またも、本当に良く戦ってくれた。大きな問題もなく、信頼性の高さも証明出来たと思う。セーフティカーが我々のレース運びを狂わせてしまったが、それさえなければ、2台揃っての入賞も出来たかもしれない。この厳しいレースを戦い抜くことが出来、我々は着実に進歩している」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「順位としては、もっと上位を目指していたので、多少悔しい。しかし、この過酷なサーキットで、再び2台揃ってトップ10で完走出来たことは、これからのレースへの自信へと繋がった。さらに、速さを追求し、改良を進める。佐藤琢磨選手が大事に至らなかったことは、不幸中の幸いだった」

<決勝>
天候: 晴れ時々曇り
気温: 最低20℃ 最高23℃
路面温度: 最低24℃ 最高33℃
湿度: 38%
   
T-CARシャシ-: TF102/05(ミカ・サロ仕様)

パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週15日から17日までの3日間、ホーム・サーキットである南仏のポールリカールでのF1合同テストへ参加する予定。