第7戦 モナコGP 2002
2002年5月17日(金)
ミカ・サロ - モナコの標石(マイルストーン)
オーストリアではポイントを獲ることができなかったけれど、パナソニック・トヨタ・レーシングにとっては意義のあるレースウィークだったよ。僕の予選10位の結果は、クルマのスピードを証明したし、2台完走は、レースでのクルマの信頼性を証明することとなった。
メカニカルの部分では、まだ改善の余地があると思う。そうだね、もっと速くなって欲しいけれど、クルマの開発は順調だよ。オーストリアでは、アランも僕もポイントを獲れたかも知れなかったけれど、2回のセーティーカー導入のために叶わなかったね。
でも、A1リンクでの出来事は、僕にはなんだかもう遠い昔のような気がするよ。今はちょうどポールリカール(フランス)での2日間のテストが終わったところで、ここでは、6月のカナダGPのためのエアロダイナミクスのテストと、次戦モナコGP対策として、ミシュランタイヤのテストとメカニカルの調整を行ったんだ。
モナコはF1カレンダーに残る数少ない歴史あるグランプリのひとつだ。モナコは、現存の個性が薄れ、チャレンジングさに乏しい、スタジアムタイプのサーキットが生まれる前からある。モナコには、歴史の真の価値があって、とてもインスピレーションを感じる場所なんだ。
モナコではのんびりと暮らすことができなさそうなので、僕はあまり住みたいところではないのだけれど、F1カーをドライブするには最高の場所だね!ドライバーは他のサーキットとは違う対応をしなければならないんだ。どのシングルコーナーも見通しが悪くて集中力を必要とする。経験がものをいうこところで、その点では、僕はモナコは良く知っているよ。6回レースをして、そのうち4回はポイントを獲得したからね。
モナコでいい成績を出す秘訣は、どこにもぶつからないようにすることなんだ。壁面がとても近接しているから、ほんの小さなミスでも「ゲームオーバー」の原因となってしまう。だから、壁にぶつからないように気をつけて、さらに、クルマに信頼性があれば、ポイントを獲得するチャンスがあるんだ。
実は、今回のレースは僕にとって特別なレースだ。100戦記念だよ!現役ドライバーの中で100戦達成の8人目のドライバーになるのだけれど、これはとても特別な人たちへの仲間入りを意味している。ということは、僕も年を取っちゃったってことかな。
1994年の鈴鹿(日本GP)でロータスに乗り込んでF1デビューをしたことが、本当に、昨日のことのようだよ。この8年はまたたく間に過ぎたけれど、どの瞬間もとても大切に思っている。さらに、これから僕が走ることになる各グランプリでの成功も願っているところだけれど、リカルド・パトレーゼの256戦参戦の記録を抜くことはできそうにないね。
モナコで少しやっかいに思っているのは、プライベートの時間がないことかな。どこに行ってもサインや写真を求められて、もし、全然断らなかったとしたら、レースに出ることさえもできなくなってしまうよ。個人的に気にしていることは、交通手段ができるかぎり水路を使うことなんだ。ボートに滞在して、そこからパドックへの移動には小型ボートを使うことになる。海が荒れないことを祈っているよ。
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