第7戦 モナコGP 2002

2002年5月26日(日)(モナコ・モンテカルロ発)

“トヨタTF102”モナコGP完走ならず ミカ・サロの猛追もかなわず

初出場のアラン・マクニッシュは、健闘空しく序盤戦でバリアに接触してリタイア

伝統のモナコGP前夜を、パーティで、そしてカジノでと、思い思いに夜更かししたF1ファンは、午前9時30分に始まったウォームアップの甲高い「F1サウンド」で、気だるい朝から目覚めた。

午後2時にスタートした決勝レースは、快晴、気温23度、路面温度35度のコンディションで、78周に渡る戦いを開始。スタートを順調に切り抜けた、ミカ・サロとアラン・マクニッシュは、各々ポジションを上げ、8位と9位で序盤戦へと突入した。しかし15周目に、アラン・マクニッシュが、ガードレールにクラッシュして戦列を去ることとなり、ミカ・サロの孤軍奮闘となってしまった。

さらに19周目には、ミカ・サロの左リアタイヤが異常をきたし、21周目に緊急ピットイン。タイヤ交換を終えたミカ・サロは、19位へと後退して猛追を開始、48周目には再び8位へ復帰する激走を見せた。F1GP100戦目を戦うミカ・サロは、その後も、追い越しの難しい市街地コースで果敢に上位進出を狙っていたが、不運にも71周目にブレーキの不調からスピンを喫し、ガードレールへと接触。“トヨタTF102”のモナコGP初完走はかなわなかった。

優勝はD.クルサード(マクラーレン・メルセデス)。ヨットハーバーに停泊した無数の豪華ボートから、激戦を戦ったドライバーと各チームの活躍を称える霧笛が鳴り響いていた。

ミカ・サロ: #24  リタイヤ  69周  シャシー TF102/04
「予期せぬ左リアタイヤの不調とバイブレーションで、ピットインせざるを得なかった。その後は、“TF102”のパフォーマンスは素晴らしかったが、ブレーキが使用不能となり、クラッシュしてしまった。しかし、中盤戦ではR.バリチェロとも互角に戦えていたし、自身100回目のGPには満足している」

アラン・マクニッシュ: #25 リタイヤ 15周  シャシー TF102/02 
「“TF102”は予選から素晴らしく良く仕上がっており、戦闘力は充分だった。イン側のバリアに接触してしまい、コントロールを失ってタイヤバリアに接触したが、すべて私のドライビングミスだった。初めてのモナコGPを完走出来ず無念だが、気を取り直して次のカナダGPへと頑張る」

チーム代表 オベ・アンダーソン:
「予選では、これまでのベストリザルトを確保、決勝レースでも、ミカ・サロは中盤戦までフェラーリと戦うなど、ドライバーもチームも本当に良く頑張ってくれた。もしトラブルが無ければ、ポイント獲得も可能であったかもしれないが、伝統あるそして厳しいモナコGPは、それを許してはくれなかった」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「2台ともにリタイヤという残念な結果になってしまった。特にミカ・サロは、タイヤの不調で予定外のピットインを強いられるまでは、上位を狙える位置にいただけに、本当に悔しい。しかし、初めてのモナコGPで、TF102もドライバーも持てる力を十分発揮したと思う。次のカナダGPへ向けて、今日の経験も活かして、さらに着実に準備を進める」

<決勝>
天候: 快晴
気温: 最低21℃ 最高24℃
路面温度: 最低32℃ 最高37℃
湿度: 53%
   
T-CARシャシ-: 2台(ミカ・サロ仕様/アラン・マクニッシュ仕様)

パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週5月28日(火)から3日間イギリスのシルバーストーン・サーキットで行われるF1合同テストへ参加する。28日は、ライアン・ブリスコとステファン・サラザン、29日と30日の両日は、ミカ・サロとアラン・マクニッシュがテストを行う予定。