第8戦 カナダGP 2002

2002年6月1日(土)

ミカ・サロ - カナダGPを前に

もうご存知の通り、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、モナコGPは納得のいかないレースになってしまった。レースに向けて、多くのテストを繰り返していたから、モナコでのレースの結果には期待していたんだ。まして、僕が9位、アランが10位の予選結果で、実のところ僕は日曜の決勝レース本番ではきっと6位以内入賞が果たせると思っていたんだ。

僕の100戦出場記念のレースが、ブレーキ系統の不調でバリアに接触し、70周目で終わってしまったことはとても残念に思っているけれど、少なくとも、僕たちの予選でのパフォーマンスは、F1カレンダー上のこれから行われるカーブの多いサーキットでもうまく行けることを示しているよ。

さて、次のレースはカナダだ。カナダGPが行われる、ジル・ヴィルヌーブ・サーキットで重要なところは2つある。直線でのスピードと、ブレーキング時の安定性だ。僕たちはその両方とも兼ね備えているから、カナダGPのレースは調子良くいくと期待しているんだ。6位以内入賞も可能だと思うよ。そう、モナコでは、僕のクルマにはブレーキに問題を抱えてしまったけれど、今度のカナダGPで使うものは、まったく違うものになるから、また同じようなことが起きるかもしれないなんて心配はしていないよ。先日行われたイギリス・シルバーストーンでの3日間のテストでは、カナダGP用のギアレシオとウィングのセッティングで走ったんだ。路面が乾いたり濡れたりの繰り返しという最悪の天気だったわりには、クルマの調子はまずまず良かったよ。でも、その天気のせいで、重要なテストができなくなってしまったね。僕は15年以上もイギリスでレースをしていて、好きな国なのだけれど、イギリスの友人みんなが言うことには気にしていられないね。イギリスの天気は、いつもヒドイね!

パナソニック・トヨタ・レーシングは、昨年11のサーキットでのテストを実施したけど、カナダではテストをしていないので、データを持ち合わせていないんだ。コースの路面は、たいていフリープラクティスの初日にはとてもきれいとは言える状態ではなく、そのため、ラップタイムが良くなるのは、クルマが改良されたせいではなくて、コースがきれいになったからだったりするんだ。土曜の朝になってから、予選用のセットアップを詰めるために、すばやい対応をしなければならないんだ。

けれども、もし、予選結果がそれほど良くなくても、このサーキットにはロングストレートと激しいブレーキングエリアがあるので、追い越しのチャンスが結構あるんだ。一番の抜き所は最終コーナーでブレーキをかけながらというところなのだけれど、気をつけなければいけないのは、コーナーを出るときに壁に接触しないようにしないとね。もし失敗して壁にぶつかってしまったら、ピットウォールにいるみんなに一部始終を見られてしまって、とても恥ずかしい思いをしてしまうよ。

カナダGPは、PRの仕事でも忙しいよ。レースへはチームメイトのアラン・マクニッシュと、パナソニック・トヨタ・レーシングの代表のオベ・アンダーソン社長と一緒にトロント経由で入るんだ。トロントでは、トヨタの製造工場を訪問する予定で、楽しみにしているんだ。以前、日本のトヨタ工場を訪問したことがあるのだけれど、比べてみるのも面白そうだよね。

モントリオールでも、いくつかイベントの予定が入っているのだけれど、その合間にも楽しみがあるんだ。僕の友人ジャック・ビルヌーブが、ニュータウンという名のレストランを持っているんだ。ごちそうしてもらえるんじゃないかってちょっと期待しているところだけれどね!この街はレースウィーク中、とてもいい賑わいがあるから、レースに行くのも楽しみなんだ。

今まで僕は、カナダGPのレース後は、だいたいモントリオールで休息とリラックスのために、数日過ごしていたよ。けれど、今回は来週木曜からのスペイン・ヘレスでのテストのために、日曜にもすぐヨーロッパへ戻らなければならないんだ。残念だけれど、チームの仕事が最優先だからね。

それでは、また。