第8戦 カナダGP 2002

2002年6月7日(金)

カナダGPフリー走行レポート

パナソニック・トヨタ・レーシングチームは、フォーミュラ・ワン世界選手権シリーズ第8戦カナダGPが行われるモントリオールのジル・ビルヌーヴサーキットでミカ・サロが6番手、アラン・マクニッシュが第2セッションでトラブルに見舞われながらも20番手で初日のフリー走行を終え、まずまずの滑り出しを見せた。

ノートル・ダム島で67年に行われた万国博覧会の会場に作られたコースは、先日のタイトなモンテカルロとはまた違ったチャレンジが必要なサーキットだ。ここでは、パワーは不可欠であり、多くのシケインやヘアピンカーブの出口でのトラクション、そして入口のブレーキング性能が結果を左右する。

サロがマークした1分16秒259というタイムは、トップのマクラーレン・メルセデスのDクルサードからわずか0.85秒差だった。今回トヨタチームの2名のドライバーには新しいTF102シャシーが与えられている。サロは、過去2レースでアンダーステアーの症状が出て苦しんだが、ニューシャシーになって「クルマはオーバーステアーぎみになったよ。僕にとってはこの方が好都合さ。そして今日はギヤ比が合っていなかったからストレートでもエンジンに負担をかけないようにアクセルを全開にしなかった。それでもデータを見て予測すると、ストレートのスピードは高くなることがわかったし、ブレーキングが良いんだ」と語った。

チームによって、テストもレースの経験もないためにデータの分析は、ここモントリオールではキーポイントとなる。

テクニカル・コーディネーターの高橋敬三は「金曜日のフリー走行の間にできるだけ多くの走行データを収集する事が必要です。そしてテクニカル・パートナーであるEMCの素晴らしいソフトウエアーとハードウエアーによってその限られた時間内で得たデータから予選、そして決勝レースの分析を行います。経験のないサーキットでのハンディを埋める大きな助けとなってくれます」と語った。

アラン・マクニッシュのように第2セッションでオイル漏れのトラブルでほとんど走れなかったような状況ではなおさらデータ分析は重要視される。

「残念だよ。チームにとって、モントリオールはひとつのチャレンジだったのに 満足に走れなかったんだから。自信を持って思いっきりブレーキングで奥へ突っ込んで全開でアタックできるようにクルマをセットアップしなくては」とマクニッシュは語った。

チームマネージャーのアンジェ・パスカリは「カナダGPの初日、われわれにとっては重要な日だった。チームは多くを学び、そして明日どうすればよいかを明確にすることができた」と語っている。

クルサードの後ろにはBMWウイリアムズのJPモントーヤがつけ、スクーデリア・フェラーリのMシューマッハーが3番手、Kライコネン(マクラーレン・メルセデス)が4番手、そしてRシューマッハー(BMWウイリアムズ)5番手でサロのTF102の前にいる。