第9戦 ヨーロッパGP 2002

2002年6月18日(火)(ドイツ・ニュルブルクリンク発)

チーム本拠地の地元で行われる第9戦ヨーロッパGPにアタック

F1ヘレス合同テストの成果をもって、前戦カナダGPの雪辱戦へ

パナソニック・トヨタ・レーシングは、先週のスペイン・ヘレスでの3日間にわたるテストの成果をもって、心機一転、ヨーロッパGPへと臨む。

チームはヘレスにおいて、ミカ・サロと共に多くの新しい部品をテスト、2週間前のカナダGPでの問題を解決したことを確信して、F1世界選手権第9戦へとやってきた。

チームは昨年、"トヨタTF101"でテスト走行を行っており、ニュルブルクリンクの情報はすでに得ている。しかし、今年は第1コーナーが変更されており、新たなコースレイアウトをマスターせねばならない。新しいコースは、V字型に戻り、総延長は4.556Kmから5.144Kmへと伸ばされ、新たに560mのインフィールド・セクションが加えられている。

30ヶ国のスタッフで構成されたパナソニック・トヨタ・レーシングの拠点となる施設は、ケルン市に位置しており、ニュルブルクリンクからちょうど40分という立地条件からも、地元でのグランプリ出場となる。サーキットが、このように拠点と近いことで、他の遠征チームよりは、2日間余分に、ケルンの施設で作業を続けることが出来た。

オベ・アンダーソン:
「我々は、F1参戦初年度のシーズン折り返し点にいる。そして、我々は多くを学んで来た。もし、今のチームを、初戦となったオーストラリアを戦った当初と比較すると、信じ難いほどの違いだ。我々は長期目標を立て、それを遂行している。このレースには、新しい部品も採用しているので前戦より戦闘力が増していることを期待する」

ミカ・サロ:
「先週のヘレスでのテストは、本当に身のあるものとなった。そして、このニュルブルクリンクへ向け、"TF102"のセットアップと、いくつかの新しい部品について、多くを学ぶことができた。3日間のテストでは、今年行ってきたどのテストよりも良いハンドリングを味わうことができ、このことからも、カナダで起きたような問題は再発しないと確信している」

アラン・マクニッシュ:
「先週、ル・マン24時間レースを観戦に行き、スポーツカーレースで戦う友人に会うことができた。しかし、今の私はニュルブルクリンクに照準を合わせている。新しいレイアウトのコースを運転するまでは何ともいえないが、とても素晴らしいサーキットではないだろうか。私のエンジニアによると、ミカ・サロとライアン・ブリスコが、ヘレスで成果をあげてくれたということで、大きな自信へと繋がる」

ミカ・サロは、ニュルブルクリンクについて、「ニュルブルクリンクのことを、ハンガリーのA1リンクにも似たスタジアムトラックと呼んでいる。しかし、まだ、新コースを走ったことは無く、走行を前に、運転が楽しいか、あるいは見所は、と問われても、答えにくい。ただ、かつての"Esses"コーナーと比べるとスローダウンを強いられ、速度を落とさなくてはならず、難所のようにも見える。しかし、追い抜きのポイントのひとつにもなりそうで、決して悪くは無い。コースは、5速ギアを使用して高速で抜ける"RTLコーナー"を除き、いくつかのテクニカルコーナーで構成された中程度のダウンフォースを必要とするレイアウトとなっている」と語った。