第9戦 ヨーロッパGP 2002
2002年6月23日(日)(ドイツ・ニュルブルクリンク発)
"トヨタTF102"激戦のヨーロッパGPで苦戦 アラン・マクニッシュが14位
ミカ・サロは、不運のメカニカルトラブルでリタイア 応援のTMGスタッフの期待かなわず
ヨーロッパGP決勝日を迎えたニュルブルクリンクは、時折、小雨の降る、肌寒い、厚い雲の下で夜が明けた。しかし、未明から、続々とサーキットへ向かう車の列は、途切れることを知らず、週末を恒例のテント村で過ごしている人々を含め、GPの舞台となる山間は、F1ファンで埋め尽くされた。
そして、熱気溢れるグランドスタンドには、パナソニック・トヨタ・レーシングの拠点、ケルンから、TMGのスタッフ500人余りが、3日間にわけて、応援に駆けつけている。この期待にも応えるべく、ミカ・サロとアラン・マクニッシュは、午前9時30分から30分のウォームアップ走行で最後のセットアップを確認。決勝レースへと臨んだ。
決勝レースは、午後2時にスタート。大観衆の熱気からか、雨雲は去り、青空から強烈な太陽が照り始め、気温20度、路面温度も32度へと上昇する中で全60周の激戦に突入した。ミカ・サロとアラン・マクニッシュは、スタート直後の新設第1コーナーの混乱もうまくかわし、1周目にはミカ・サロが11位、アラン・マクニッシュが12位で序盤戦へ。しかし、直後の5周目には、ミカ・サロがコースオフし、19位へ後退、執拗に追い上げを図るものの、22周目には、左後輪の不調を訴えて、予定通り給油のアラン・マクニッシュと、相次ぎピットイン。アラン・マクニッシュが15位、ミカ・サロが17位から中盤戦、そして終盤戦への追い上げとなった。
しかし、レースも残り9周となった51周目、ミカ・サロは、メカニカルトラブルを抱えて、無念のスピン。リタイアを余儀なくされることとなり、粘り強く戦ったアラン・マクニッシュが14位でチェッカーフラッグを受けた。優勝は、R.バリチェロ(フェラーリ)であった。
アラン・マクニッシュ: #25 14位 59周 シャシーTF102/08
「スタート直後は、多少トラクションが得られない状態であったが、それも徐々に解消され、好調に戦うことが出来た。最初のピットインでは、左前輪に問題を抱え、約6秒のタイムロスをしてしまった。また、新しいシートが合わず、肩を痛めてしまった。2回目のピットインの後は、とても痛く、レースをフィニッシュ出来たことが奇跡なくらいだった。明日にならないと、来週のテストに参加出来るかどうかは、分からないが何としてでも、私の地元シルバーストーンで行われる次戦イギリスGPには出場するつもりだ」
ミカ・サロ: #24 リタイア 51周 シャシーTF102/07
「当初は1回の給油ピットインで戦うつもりだった。しかし、燃料が重く、タイヤに負担がかかることとなり、ハンドリングに支障をきたし、2回もコースオフ。大きく後退してしまった。さらに、予定より早くピットインを強いられることとなり、再びタイヤ交換のためのピットインもせねばならなかった。そして、最後のリタイアは、ギアボックス系の問題が原因と思われるが、これは、さらに詳しい原因究明を待たねばならない」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「複雑な気持ちだ。アラン・マクニッシュが、地元のサーキットで完走してくれたことは、とても嬉しい。しかし、昨日の予選の好調を保ち、さらに、決勝レースでは、戦い進めると思っていたが、来週のテストで今日の問題を何としてでも解決せねばならない状況となってしまった」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「TMGのスタッフが応援する中で期待に応える結果を残せなくて、とても残念だ。アラン・マクニッシュは、最後まで粘り強く走り抜いてくれたが、ミカ・サロは、メカニカルトラブルでリタイアとなってしまった。原因を大至急解明して、次のレースへと体制を整える」
天候: | 曇り時々晴れ |
T-CARシャシ-: | TF102/06(ミカ・サロ仕様) |
パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週6月26日(水)から3日間、南仏のポールリカールサーキットで行われるF1合同テストに参加する。
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