第10戦 イギリスGP 2002

2002年6月28日(金)

ミカ・サロ - イギリスGPに向けて

ヨーロッパGP、僕は結果的には残念なリタイアで終わってしまった。予選では10番手につけることができて、これは僕にとっても嬉しい今シーズン5回目のトップ10グリッド入りとなり、クルマもきっとレースでも調子良く走ってくれると感じていたのだけれど、残念ながら、思ったとおりにはいかなかった。

金曜日に燃料を多く積んで走ってみて、いい感触だったので、日曜日の決勝レースでは1ストップ作戦をとることにしたんだ。けれど、スタートしてから1周くらいで重く積んだ燃料のせいでリアタイヤが急激に擦り減ってしまい、どんどんオーバーステアがひどくなってきてしまったんだ。今回は特に、ケルンにあるTMGのファクトリーからもたくさん人が見に来ていたから、なおさら残念だったね。はじめは、レースのリタイアの原因はギアボックスのトラブルだと思っていたのだけれど、後で、オイルの温度が高温になってしまったためにエンジン関連にトラブルが起きていたということが分かったんだ。

ニュルブルクリンクでのヨーロッパGPの後、フィンランドの自宅で、とてもリラックスした休日を過ごしたよ。たくさんの家族や友人たちと会ったり、息子のマックスとヘルシンキ動物園へ行って楽しい午後を過ごしたりしたんだ。6月最後の週末は、ヘルシンキの北にある僕のカートコース、「ミカ・サロ・サーキット」へ行く予定だよ。このサーキットは、昨年完成したばかりなのだけれど、CIK-FIAカート(Karting)世界選手権の一戦が行われることになっていて、カート関係者たちからもかなり信頼され支持されているというサーキットということなんだ。ここは驚くくらい立派な施設で、ホテルやレジャー施設もあるんだよ。今回のイベントが大成功に終わって、将来的にはフィンランド人ドライバーの育成に貢献できればと思っているよ。僕はたぶん、今回はお客さんの前でデモンストレーション走行をすることになるだろうけれど、レースには出ないよ。最近の若いドライバーは、本当に速いからね!

7月に入ってすぐには、パナソニック・トヨタ・レーシングのスポンサー、ウェラのプロモーションイベントがドイツで2日間開催される予定で、僕も呼ばれているんだ。(格好悪い髪型なんかして行けないね!)それが終わってから、F1世界選手権 第10戦イギリスGPの開催地、シルバーストーンへ向かうことになる。シルバーストーンは、F3時代からF1と、何度も何度も走ってきているから、実はちょっと飽きていて、僕はあまり好きなコースではないんだ。とは言っても、シルバーストーンはいろいろなタイプのコーナーがいい感じに連なっていて、いいレースにもなるし、確かにチャレンジングなサーキットではあるよね。天候も重要なポイントとなって、ハンガー・ストレート上の風向きによって、セットアップも変えたりしなくてはならないし、イギリスは本当にいつ雨が降ってもおかしくないところだからね。

僕が最後に走ったイギリスGPは2000年の4月に開催されて、あの時はいたるところにぬかるみができていたから、元々の7月開催に戻って良かったよ。少なくとも、僕のモーターホームがぬかるみにはまってしまって大変なことになってしまったりはしないからね。

TF102の調子ははシルバーストーンではそんなに悪くないはずだよ。けれど、実際はどうなるかは分からないから、あまり予想していることをいろいろ言うことはしないよ。例えばモナコのように、今年はあまりうまく行かないだろうと思っていたところが結構速く走れたし、モントリオールのように、期待していたところで、結果が出せなかったということがあったりしたからね。先月、シルバーストーンでテストをしたときは、悪天候のせいで充分には走り込めなかったけれど、クルマの調子は悪くなかったよ。

僕たちは確かに、シルバーストーンでしょっちゅうテストをしている、イギリス拠点のチームと比べると不利なところからイギリスGPをスタートすることになる。パナソニック・トヨタ・レーシングは年に2回くらいしかシルバーストーンでテストをしていないからね。けれど、僕たちはまた予選でトップ10に入ることも可能だと思うし、6位入賞も狙っていけると思っているよ。もうそろそろ、またいい結果を出してもいい頃だからね。