第10戦 イギリスGP 2002

2002年7月2日(火)(イギリス・シルバーストーン発)

F1の歴史を誇る飛行場跡で行われる伝統のイギリスGPへ

ホームコースでのレースに燃えるアラン・マクニッシュとベテランのミカ・サロに期待

パナソニック・トヨタ・レーシングは、F1選手権第10戦に出場するためにイギリスへと移動した。レースが行われるのは、1950年5月に最初のF1世界選手権が開催されたシルバーストーン。当時からの5.141Kmのコースは、35回目を数えるF1GPの戦いの舞台となる。

シルバーストーンは、第二次世界大戦時の飛行場跡に作られ、F1で最も速度の速いコースとして歴史を刻んできた。1985年には、ケケ・ロスベルグが時速258.970Kmという、F1における過去最速ラップを記録し、それ以後は、安全のためにも、速度抑制へとコースレイアウトの修正が重ねられてきた。しかし、現在でもF1きってのチャレンジングなコースであることに変わりない。

イギリスGPは、パナソニック・トヨタ・レーシングのアラン・マクニッシュにとって、ホームサーキットでのレースとなる。32歳、スコットランド生まれのアラン・マクニッシュは、多くのレースをここで戦い、多くのF1カーのテストを行ってきたことからも、シルバーストーンを熟知している。また彼の多くのファンは、2週間前にニュルブルクリンクで痛めた肩が完治して、地元でのレースに出場することを歓迎するに違いない。

パナソニック・トヨタ・レーシングは、先月シルバーストーンでテストを行い、さらに先週、南仏のポールリカールでアラン・マクニッシュと共に行った3日間のテストで、ニュルブルクリンクにおいて"トヨタTF102"が抱えた問題を解決し、トラクション・コントロールなどへの新しい成果もたずさえてレースへと臨むことになる。

オベ・アンダーソン:
「前戦ニュルブルクリンクでは、予選でトップ10に入ることが出来て満足していた。しかし我々は、今、そのパフォーマンスをもとに、さらにレースでの完成度を見出さねばならない。1ヶ月前のシルバーストーンでのテストでは、良い感触が得られたが、その状況が今週末まで継続することを期待している。前戦ニュルブルクリンクとは大きく異なり、さらにタイヤには厳しいコースであり、タイヤもより硬いコンパウンドを使うことになると思う」

アラン・マクニッシュ:
「先回のレース後、肩の治療のために多くの自然治療法を受け、そのお陰で完治した。ホームレースに出場できることが待ち遠しい。同郷のスコットランド人デイビッド・クルサードも言っていたが、友人や、家族の前で戦うレースは格別で、私も、それをとても楽しみにしている。シルバーストーンの攻略法も知っているのできっと良いパフォーマンスが発揮できるはずだ」

ミカ・サロ:
「決して容易くはないが、シルバーストーンは良いサーキットだ。とても古い、伝統のグランプリであり、多くの歴史があり、私はシルバーストーンが好きだ。"TF102"が、うまくコースに適応することを希望するが、何よりミシュランがレースに持ち込むタイヤを、うまくセットアップに結びつけられるかが、問われると思う。天候は別として、私はイギリスでのレースを楽しむつもりだ。ファンはレースの知識が豊富で、食事も問題はない。ただし、イタリアの食事のほうが好みだが..」

ミカ・サロは、シルバーストーンについて、「シルバーストーンは、F1で最も遅いコーナーから、最も速いコーナーまでが、うまく混在している。周回の始めは、コップスとベケットと呼ばれる最もエキサイティングなセクションで、ともに見通しの悪い高速コーナー。その後は、加減速が続き、前のセクションと比べても、あまり面白くはない。長いストレートへ向けて高速コーナーを抜けることになるが、周回の最後には、複合する低速コーナーが待ち受けている。タイムをかせぐためには、ここをいかに速く抜けるかも重要となる」と語った。