第10戦 イギリスGP 2002
2002年7月5日(金)(イギリス・シルバーストーン発)
伝統のイギリスGPを前に、雨とミカ・サロの不調で苦渋のプラクティス
ミカ・サロは不運の“胃痛”で初日の走行を断念。アラン・マクニッシュが孤軍奮闘
パナソニック・トヨタ・レーシングは、F1第10戦イギリスGPへ向けて、プラクティスを開始した。歴史と伝統を誇るイギリスGPは、広大な飛行場跡に作られたフラットな1周5.141Kmのコースで行われる。そして、このシルバーストーンは、変わりやすい天候も名物。昨日までは、初夏の陽射しもあったが、プラクティスを前に、今朝は、冷たい小雨模様で夜が明けた。
午前11時から午後2時までの間、1時間のインターバルを挟み、1時間づつ2回に分けて行われたプラクティスにおいて、難コースでのレースへ向けたセットアップを開始した。午前中のプラクティス1回目は、午前11時から開始されたが、小雨は本降りとなり、各車、長い水煙りの尾を引いて走行。M.シューマッハ(フェラーリ)がスピンからコースオフ。1周でこのセッションを諦めるなど、雨に苦しめられることとなった。パナソニック・トヨタ・レーシングも、難しいコンディションの中で、セットアップを開始したが、ミカ・サロは1周したものの、胃痛を訴えてピットイン。走行を断念しチームドクターの手当てを受けた。アラン・マクニッシュは、雨の路面で、温まらないタイヤに悩まされ1分39秒137の17番手であった。
午後のプラクティス2回目は、雨が上がり、時折薄日が射す中で開始されたが、コース上には、いたるところに水溜りが残り、スピンが続出。不調のミカ・サロに代わり、 "トヨタTF102"のセットアップを一人で担うアラン・マクニッシュが、精力的に周回を重ねたが、滑りやすい路面に苦しみながら、1分38秒447の19番手でプラクティス初日を終えた。体調を崩したミカ・サロは、チームドクター付き添いの元で静養しており、明日の予選へ向け、走行復帰が期待される。
アラン・マクニッシュ: #25 1分38秒477 19番手 周回数30周 シャシーTF102/08
「今日は、悪戦苦闘の1日だった。とくにクルマのグリップとバランスが得られず、苦しんだ。最初のセッションでは、アンダーステアに悩まされ、午後のセッションでは改善したが、今度はオーバーステアになってしまった。コースコンディションが目まぐるしく変わったこともあり、タイヤとのセッティングを煮詰めるタイミングを逸してしまった」
ミカ・サロ: #24 タイム未計測 20番手 周回数0周 シャシーTF102/07
「今朝、起床した時から具合が良くなかった。TF102の調子を見るために1周したが、胃が痛くなってしまった。チームドクターのR.チェカレリ氏の診断を仰ぎ、今日は静養を指示された。明日は、何としてでも走行するつもりだ」
チームマネージャー アンジュ・パスカリ:
「ミカ・サロが全く走行出来なかったことは残念だが、チームドクターとも相談し、明日の予選へと万全を期するためにも、今日は休養をとってもらう判断をした。不運にも1台でのプラクティス走行となり、ウェット・コンディションの中で苦しいセッティングを強いられた。イモラでの経験と同じ困難に直面しているが、今回こそは、この困難を乗り切り、納得いく成果を残したい」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「大変不満の残るプラクティス初日となってしまった。ウェット・コンディションへ向けて、様々なセットアップを試したが、タイヤの性能を充分に引き出すまでに至らなかった。明日、ミカ・サロの回復を祈ると共に、これから今日のデーターを徹底的に解析して、予選、決勝レースへと、さらに、セットアップを詰めていくつもりだ」
<イギリスGPプラクティス初日>
天候: | 雨のち曇り |
気温: | 最低14℃ 最高18℃ |
路面温度: | 最低14℃ 最高21℃ |
湿度: | 85% |
T-CARシャシ-: | TF102/06(アラン・マクニッシュ仕様) |
明日の公式予選は、午後1時から2時(日本時間7月6日午後9時から10時)まで行われる。
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