第10戦 イギリスGP 2002

2002年7月6日(土)(イギリス・シルバーストーン発)

復調のミカ・サロ過去予選最高位8番手 第4列目からの決勝スタート

アラン・マクニッシュは予選15番手。多くの困難と限られた時間を克服

F1イギリスGPの予選日を迎えたシルバーストーンは、どんよりとした曇り空につつまれ気温13度。昨日は体調を崩し、急遽走行をとりやめて静養を取っていたミカ・サロも復調し、"トヨタTF102"のコックピットに収まり臨戦態勢。昨日の出遅れを取り戻すべくパナソニック・トヨタ・レーシングは、総力戦へと体制を整えた。

午前9時から午前11時まで45分づつ2回、30分間のインターバルを挟んでプラクティスが行われた。プラクティス前半、決勝用のセッティングを詰めていたミカ・サロは、セッション終了5分前に、ドライブシャフト破損というトラブルに見舞われた。急遽交換のために、プラクティス後半の走行時間にも若干ハンディを背負ってしまったが、豊富な経験を活かし、短時間ながらも"トヨタTF102"のセッティングを進め、1分23秒184で19番手、母国での初のF1グランプリ出場に燃えるアラン・マクニシュは、1分22秒845の18番手であった。

午後1時から1時間行われた予選は、気温は17度、路面温度25度。雲の合間から、時折、太陽が覗くという、ドライコンディションもとで開始された。各車一斉にタイムアップをはかる中、ミカ・サロは、ベテランの腕と執念を見せて1分20秒995を刻んで、パナソニック・トヨタ・レーシングとして、過去予選最高位の8番手を確保。アラン・マクニッシュは、1分21秒382の15番手から決勝レースへとスタートすることなった。

ミカ・サロ: #24  予選8番手 1分20秒995 12周 シャシーTF102/07 
「午前中は出遅れてしまい、セットアップもあまり良くなかった。予選中もバッテリーの不調を抱えたがその他には大きな問題は無かった。天候が回復してくれたことと、気温が上がったことも幸運だった。昨日のプラクティスを無駄にしてしまったので、今日の予選には本当に集中した。困難を抱えた週末の始まりだったが、予選8番手からのスタートは幸運へと向いている」

アラン・マクニッシュ: #25 予選15番手 1分21秒382 11周 シャシーTF102/08
「今日は、昨日よりもバランスが向上した状態で予選に臨むことができた。しかし、まだトラクションが必要で、最後の2つのコーナーではタイムロスをしてしまった。タイムアタックで、先行車に阻まれてしまったことも残念だったが、明日の決勝レースでは、母国のファンの声援に応えるべく全力で頑張る」

チーフデザイナー グスタフ・ブルナー:
「戦略は成功した。昨日はミカ・サロが体調を崩し、さらに悪天候で最悪の1日だった。しかし我々は、めげることなくチームワークを発揮して、今日の成果をものにした。チャレンジスピリットを発揮出来たことに満足するとともに、ミカ・サロとアラン・マクニッシュの素晴らしい仕事ぶりを称えたい」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「ドライバーもチームも限られた時間の中で、良く頑張ってくれた。ドライバーは、2人ともこの予選に集中してアタックしてくれたが、特にミカ・サロは、プラクティスでの走行時間を限られてしまったにもかかわらず、本当に短時間で見事なまでにセットアップを果たしてくれた。明日は、過去最高位からのスタートなので、決勝レースも過去最高位を目指す」

<予選>
天候: 曇り時々晴れ
気温: 最低15℃ 最高17℃
路面温度: 最低19℃ 最高25℃
湿度: 60%
   
T-CARシャシ-: TF102/06(アラン・マクニッシュ仕様)

明日の決勝レースは、イギリス時間午後1時(日本時間7月7日午後9時)にスタートが切られる。