第10戦 イギリスGP 2002
2002年7月7日(日)(イギリス・シルバーストーン発)
パナソニック・トヨタ・レーシング、不運にも伝統のイギリスGP完走ならず
アラン・マクニッシュはクラッチトラブル ミカ・サロは駆動系トラブルでリタイア
イギリスGP決勝レースの朝を迎えたシルバーストーンは、今にも雨の降り出しそうな、曇り空。この冷たい風も吹きすさむ、はっきりしない天候にも、伝統のイギリスGPを待ちわび、ジャンパーと長靴姿、そして傘を携えたF1ファンが、続々とサーキットへと長蛇の列を作った。例年の交通渋滞と、悪評の高かった駐車場の問題を解決するため、今年は入場者を6万人以下に制限、また車での来場も1万8千台に押さえ、サーキット近郊の駐車場からの"パーク&ライド"方式を採用するなど、1950年以来50年余り、36回目のF1GPとなったシルバーストーンは、新たな歴史へと歩み出した。
午前8時半から30分間のウォームアップ走行は、気温13度、路面温度13度、湿度87%という、いまにも雨が降り出しそうな、肌寒い天気のもとで行われた。決勝レースへの最後のセットアップとチェックを行ったパナソニック・トヨタ・レーシングは、ミカ・サロが1分25秒243で13番手、アラン・マクニッシュが1分25秒461の14番手で決勝レースへ臨むこととなった。
気温15度、路面温度17度、湿度79%へと、気温が上昇する中で、午後1時スタートの決勝レースを前にフォーメーションラップが開始されたが、予選2番手のR.バリチェロ(フェラーリ)はエンジンがかからずに最後尾スタート。予選8番手のミカ・サロは、7位からのスタートとなった。グリーンライトの点灯と同時に激戦がスタートしたが、アラン・マクニッシュは、クラッチにトラブルを起こして、スタート出来ず、無念にも母国のレースを終えることとなってしまった。パナソニック・トヨタ・レーシングの期待を担って孤軍奮闘となったミカ・サロであったが、13周目に突然降りだした雨で各車とともにピットイン、タイヤ交換を行い11位で戦列へ戻った直後の16周目に駆動系のトラブルからストップ。戦列を去ることとなってしまった。優勝はM.シューマッハ(フェラーリ)であった。
ミカ・サロ: #24 リタイア 15周/60周 シャシーTF102/07
「良いスタートが出来ず、第1コーナーでポジションを落としてしまった。しかし、その後はうまく行くと思っていた矢先に雨が降り出し、ダウンフォースが少なくなり、グリップの無さに苦しめられた。スピンも喫し、トランスミッションにも問題を抱え、駆動系のトラブルのようで、ストップしてしまった。昨日の予選が良かっただけに、とてもがっかりしている」
アラン・マクニッシュ: #25 リタイア 0周/60周 シャシーTF102/08
「グリーンライトになったと同時に、クラッチにトラブルを抱えてしまった。これはイモラでの問題とは異なるが、ピットへ戻ろうとしたがかなわなかった。その時点で規定からも、完走扱いと認められない状況で、リタイアせざるをえなかった。とても残念だが、自分自身のみならず、チーム、そして私の母国でのレースを応援に来てくれたファンに対しても、無念の気持ちで一杯だ」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「忘れたい週末だが、ここでも多くのことを学んだ。昨日の予選で特に良い手応えがあっただけに、とても悔しい。我々のTF102は、ドライコンディションに比べ明らかにウェットコンディションに弱く、早急に対処せねばならない」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「アラン・マクニッシュはクラッチ、ミカ・サロは駆動系にトラブルが発生し、2台共リタイアという非常に残念な結果に終わってしまった。もう1度、出直すつもりで全てをチェックし、次戦へと体制を整える」
天候: | 曇り時々雨 |
気温: | 最低13℃ 最高15℃ |
路面温度: | 最低13℃ 最高20℃ |
湿度: | 79% |
T-CARシャシ-: | TF102/06(ミカ・サロ仕様) |
パナソニック・トヨタ・レーシングは、来週7月9日(火)から4日間イタリアのミラノ近郊のモンツァ・サーキットで行われるF1合同テストに参加する。9日、10日はアラン・マクニッシュ、11日、12日はミカ・サロがテストを担当する予定。
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