第11戦 フランスGP 2002

2002年7月15日(月)

ミカ・サロ - フランスGPへ向けて

みなさんへ良いお知らせ(一番嬉しいのは僕なのだけれど!)、おかげさまで、イギリスGPで僕を苦しめたウィルス性の胃痛が治ったことを報告するよ。

シルバーストーンという所は、たとえ準備など万全だったとしても、それが必ず結果に結びつくというふうにはいかないサーキットだから、今回、僕がグランプリ中に抱えてしまったようなトラブルがあれば、もう本当に救いようがないんだ。レースが終わった後、僕はスイスの自宅へ戻り、妻の賀子がまるで看護婦さんのように手厚く世話をしてくれたんだ。数日間はたくさんの飲み物やプロテイン、炭水化物を摂ることくらいしかできなかったよ。

モンツァ(イタリア)での2日間のテストが始まり、木曜日(11日)にまた、F1カーに乗る頃までには、僕の体調もいつもの状態に回復したよ。モンツァのサーキット、アウトドローモでは、さして問題もなく、テスト周回を重ねることができた。今回のテストでは、イギリスGPで起きた、アランと僕のテクニカルトラブルについては、時間をかけて検証した。また、エアロダイナミクスや、ミシュランタイヤのテストなども行ったんだ。リタイアは許されることではないのだけれど、イギリスGPでは、2台とも、総距離の1/3も行かないうちにレースを離れなければならなかったことは、悔やまれる。

テストでは、僕たちがカナダGP以来奮闘していた、縁石対策に効果的なセッティングを見出せたことは、有意義だったね。9月のイタリアGPでのシケインでは、そんなに悪い走りにはならないだろう。また、イギリスGPでのアランのクラッチトラブルの解決策が見つかったことも、チームにとっては励みになったことだよ。

次戦、フランスGPについては、あまり予想は言いたくないな。ドライコンディションでも、何が起こるか分からないからね。コースの特徴として、レイアウト的にはシルバーストーンとそれほど大きな差はないんだ。高速のロングコーナーから始まり、コース終盤に向けては、急なコーナーが続く。シルバーストーンでもそうだったように、僕はフランスGPでも、ラップ終盤のタイトなコーナーでのパフォーマンスには期待しているよ。

フランスGPの4.251キロのサーキットは、コース路面のアスファルトがとても滑らかだから、僕たちにとって、有利になるということはあるね。TF102は路面の状態に敏感だから、この滑らかな路面のおかげで、きっとセットアップもやり易いだろうし、クルマの取り回しも楽になるだろう。ドライバーの視点から見ると、マニクールには、とてもおもしろいコーナーがいくつかあるんだ。例えば、最初のロングコーナーと、超高速の'エストリル・シケイン'だね。けれど、実は、僕はこのサーキットではあまり良い成績を残せていないんだ。6回走ったうち、まだ1度もポイントを獲得できていないから、次のフランスGPでは、ぜひ獲得したいよ!

さて、今回最後のトピックスとして、イギリスGPに先駆けて、フィンランドにある僕の「ミカ・サロ・サーキット」で開催された、CIK-FIA カート(Kart)世界選手権についてお伝えしなくてはね。とても楽しいイベントで、大成功だったと思うよ。週末合わせて25,000人のお客さんで賑わって、CIK-FIAとも、イベントの3年の契約更新となったんだ。僕は、カート(Kart)がどんなに白熱するレースだったかということを、すっかり忘れていたよ。そして、今回出場した選手の中に、きっと未来のスターがいることには間違いないね!