第11戦 フランスGP 2002
2002年7月22日(月)
アラン・マクニッシュ - フランスGPを振り返って
このフランスGPは、僕にとって少しばかり残念な形になってしまったよ。正直に思うところは、もっといい結果を出せるはずだったかも知れない、ということだね。
グランプリウィークが始まった当初から、特に低速コーナーでのトラクションコントロールの調子があまり良くなくて苦労したよ。予選の結果が16、17番手に留まってしまったことも、ここに原因がある。また、土曜日にはちょっと腹痛を起こしてしまい、レースに備えて、その日は午後2時半くらいまで大事を取って休んでいたんだ。
レースではいろいろあったね。僕の周りではいつも何か起きていたよ。スタートは調子良く切れて、第1ラップはうまくトラブルに合わずに走れて、ミカは11位、僕は12位で通過することができた。
レース序盤は、ミカに続いて走り、ヴィルヌーブが僕のちょうど後方へつけていた。コースの右側部分では、スピードに乗ることができて、ヴィルヌーブが僕を追い抜くことはできないことは確実だったんだ。ヴィルヌーブは何度か仕掛けてきていて、一度、アデレード・ヘアピンの入口で、僕との差がとても詰まったんだ。コーナーに入るところで、彼のクルマが視界から消えたのだけれど、僕のクルマのリアウィングに当たりそうになりながら止まってしまったんだと思ったよ。
最初のピットストップで、左フロントホイールのナットがうまく外れずに、5秒ほどロスしてしまい、順位も14位に落としてしまうこととなった。
2組目に使ったタイヤでは、アンダーステアがきついようだったけれど、2回目のピットストップで交換した3組目のタイヤの調子は良くて、持ち直すことができたんだ。15周か20周あたりから、エンジン音がちょっとおかしくなっていたけれど、最後には止まってしまったね。でも、エンジンのせいでクルマが止まってしまったのは、今シーズン参戦してからこれまでで、初めてのことだったんだよ!
毎戦、僕たちはミシュランタイヤの2種類のコンパウンドのうちから、ベストな方を選ばなくてはならないんだ。ハードとソフトの2つということだね。今回はハードタイヤを選んだけれど、このフランスGPのレースコンディションでは、ソフトタイヤほど効果的ではなかったんだ。このようなことは、時々ある、避けられないことなのだけれど。レース前の金曜日に、これまでの経験をもとに、使うタイヤを決めるんだ。タイヤチョイスを決めたあとに、天気がかなり変わってしまったら、あとは、天気予報をするしか方法がないからね。もう一つ言えることは、マニクールのコース路面は、とても温度に敏感だということだけれど、これは、どのチームにとっても同じ条件だからね。
ライコネンが、僕のクルマからのオイル洩れによってオーバーランしてしまい、彼のF1初優勝のチャンスを逃すことになってしまったことは残念だった。でも、これもレースなんだよね。
僕は、マニクールのサーキットから直接ドイツ・ケルンのチームのファクトリーに入って、それからドイツGPの前に数日、モナコの自宅へ戻る予定だよ。
最後になってしまったけれど、ミハエル(シューマッハ)が、1957年に、J.M. ファンジオが立てた記録に並ぶ、通算5回目のワールド・チャンピオンとなったことを祝福するよ。当時と違って、今はレースの数が増えていると言われていることも知っているけれど、これは本当に立派な記録だよね。とてもじゃないけれど、僕からすれば、1勝でもできたら大満足だよ。
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