第12戦 ドイツGP 2002

2002年7月23日(火)(ドイツ・ホッケンハイム発)

パナソニック・トヨタ・レーシング、2週連続開催の正念場ドイツGPへ

生まれ変わったホッケンハイムの新コースに、ミカ・サロ、アラン・マクニッシュが挑戦

パナソニック・トヨタ・レーシングは、フランスGPに続き、息つく間もなく、ドイツGPへ向けた準備を進めている。今シーズン唯一の2週連続のGPとなる過密スケジュールの中、チームは2日間で3台の"TF102"を用意し、ホッケンハイムまで送り出さなければならない。

ドイツGPが開催されるホッケンハイム・サーキットは、昨シーズン来、大掛かりな改修が行われ、全てのチームにとって、新たな挑戦の場となる。これまで、平均時速230km/hを記録していた6.825kmのコースは、よりタイトな4.574kmへと様変わりし、平均時速も190km/hになると予想されている。

この大規模な改修は、サーキットの性格そのものに大きな変化をもたらした。これまで1周のうち17秒間に渡りスロットルが全開となる、2つの場所が存在したが、今年は最高速を記録する場所は1ヵ所だけとなり、全開区間も約7秒間となる。今週は、テストの機会がないため、パナソニック・トヨタ・レーシングは、ドイツGPに向けた準備を、すべてケルンのファクトリーにおいて行っている。フランスGPで、初めて経験した2台のエンジントラブルに対する原因究明に、全力を注ぎつつ、ホッケンハイムに向けてのセットアップを煮詰めることにも余念はない。

オベ・アンダーソン:
「フランスGPで、初めてのエンジン・トラブルを抱えてしまい残念な気持ちだ。予選のポジションを考えれば、現実的な結果なのかもしれない。今年のホッケンハイムは、誰も走ったことがないコースであり、他のコースと比べればハンディキャップは少ない。ドイツGPでは、まずは2台の "TF102" がチェッカーフラッグを受け、良い週末となることを期待したい」

ミカ・サロ:
「フランスでは色々と苦労したが、成長過程の中での痛みだと考えている。ドイツGPが開催されるホッケンハイムの新しいコースは初めて。ドイツGPに向け、可能な限りのレベルアップを図るため、今週チームはハードワークをこなしている。ここ数戦完走できずに終わっているので、とにかく完走を目指す」

アラン・マクニッシュ:
「ほとんどのドライバー同様、新しいホッケンハイムのコースはまだ見たことがない。レイアウトを見る限りでは、挑戦しがいのあるコースだと思う。ただ、多くのストレートが存在した、以前のコースの方が"TF102"には向いていたのかもしれない。このところ調子は上々なので、他のドライバーと経験値が同じコースで走るのは楽しみ。ここ数戦、トラブルで最後まで走り抜くことができなかったので、とにかくレースを走り抜くことに専念する」

2週連続グランプリのロジスティク
2週連続のGP開催は、F1チームにとって、ロジスティク上の大きな挑戦となる。全11チームのトランスポーターは、火曜日のランチタイムまでに、ホッケンハイムのパドックへと並べられる。パナソニック・トヨタ・レーシングも他のチーム同様に、2日間でフランスのブルゴーニュ地方から、ドイツのホッケンハイムまで移動しなくてはならない。手順をざっと紹介すると、まずフランスGPが行われたマニクールのピットで、2台の"TF102"をリビルトしなければならない。次に、チームは25トンにも及ぶ機材をまとめた後、3つの技術ユニットと2台の大型サポートトレーラーとモーターホームを800km離れたホッケンハイムまで移動させる。そして再び荷をおろし、最終的に48時間以内に、第12戦ドイツGPの準備を完了させることになる。