第13戦 ハンガリーGP 2002
2002年8月18日(日)(ハンガリー・ハンガロリンク・サーキット発)
パナソニック・トヨタ・レーシング 暑く過酷なハンガリーGPで2台完走
アラン・マクニッシュが14位、ミカ・サロが15位 シーズン終盤戦へ貴重なデータ蓄積
ハンガリーGP決勝日を迎えたブダペストは、爽やかな青空のもとで朝を迎えた。しかし、皮肉にも予想通り、ドイツ、オーストリアを襲った洪水は、下流のドナウ川の水位を増し続け、ついに昨日から川沿いの遊歩道を完全に水面下へと隠し始めた。ドナウ川沿いでは、消防、軍隊の土嚢積み作業が続いているが、一方では、待ちに待ったハンガリーGP決勝観戦へとハンガロリンク・サーキットへ急ぐ長い車の列が続いた。
午前9時半から30分間のウォームアップは、快晴、気温24度、路面温度26度というコンディション。パナソニック・トヨタ・レーシングは、決勝レース用に"トヨタTF102"のセッティングを確認するとともに、タイヤのセットアップも行なった。ミカ・サロはレースカーでの走行を開始したが、ギアボックスに少量のオイル漏れが見つかったため、急遽Tカーに乗り換え、1分19秒313の17番手。アラン・マクニッシュは1分19秒650の18番手であった。なお、ミカ・サロのレースカーのオイル漏れはすぐに対策され、決勝レースには、Tカーではなくレースカーで臨むこととなった。
午後2時の決勝レースは、気温29度、路面温度30度と、焼け付くような太陽のもとでスタート。うまいスタートを切ったミカ・サロは15位へ、アラン・マクニッシュは17位へと各々ポジションアップを果たし、全77周の序盤戦へと突入した。その後は、抜きどころの少ないコースに、順位の変動も少なく、J.ヴィルヌーブ(BARホンダ)、E.アーバイン(ジャガー)のリタイアなどでミカ・サロが12位、アラン・マクニッシュが14位へ進出し、各々29周目、27周目に予定通りのピットイン。中盤戦へと持ち込んだ。後半戦も膠着状態の持久戦が続き、2回目のピットインは、アラン・マクニッシュが51周目、ミカ・サロが52周目に済ませ、ミカ・サロが13位、アラン・マクニッシュが15位で終盤戦へ。60周目にはミカ・サロの消火器が突然作動、コックピットに消化剤が噴霧されるというハプニングも克服し、パナソニック・トヨタ・レーシングは2台が完走した。しかし、ミカ・サロは、2回目のピットアウトの際、P.デ・ラ・ロサの走路を阻んだペナルティで25秒を課せられ、13位から15位へ後退、アラン・マクニッシュが14位となった。優勝は、R.バリチェロ(フェラーリ)であった。
アラン・マクニッシュ: #25 14位 75周/77周 シャシーTF102/08
「上手くスタートを切ることが出来、ミカ・サロとP.デ・ラ・ロサに続いてレースを始めた。2度目のピットインでギアに少し不調が出て、時間を取られてしまったが、最後まで走り切ることが出来た。弱いアンダーステア以外には大きなメカニカルトラブルは発生せず、ミカ・サロと共にフィニッシュ出来て嬉しい」
ミカ・サロ: #24 15位 75周/77周 シャシーTF102/07
「レース中の"TF102"のバランスは、とても良かった。しかしピットレーンで、P.デ・ラ・ロサと接近してしまい、ペナルティを受けることになってしまった。プレッシャーを払い退けて、良いレースが出来ていただけに、25秒のペナルティは悔やまれるが、やむを得ない。また、消火器が誤作動して、消化剤がコックピット内に充満してからの20周は、前が見えにくく、記憶を辿って走り抜いた」
チーム代表 オベ・アンダーソン:
「今日の結果には満足している。2台ともが完走出来たのは久しぶりで、チーム全員がほっとしている。チームにとって、今日の結果は、成功といっても良いと思う」
テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「大きなトラブルも無く、2台とも完走出来たことで、残された4戦だけではなく、来年へとつながる貴重なデータを蓄積出来た。これから、"スパ"そして"モンツァ"と、高速サーキットでの戦いが続くが、さらにスピードを追求するためにも、エンジンにさらに磨きをかける」
天候: | 快晴 |
気温: | 最低28℃ 最高30℃ |
路面温度: | 最低30℃ 最高31℃ |
湿度: | 30% |
T-CARシャシ-: | TF102/06(ミカ・サロ仕様) |
- トヨタ自動車 モータースポーツ カーレースカテゴリー