第14戦 ベルギーGP 2002

2002年8月31日(土)(ベルギー・スパ・フランコルシャン発)

ベルギーGP予選 セッション最後3分間に集中した執念のタイムアタック

ミカ・サロ9番手。アラン・マクニッシュ13番手。“トヨタTF102”今季8回目の予選トップ10

予選日を迎えたスパ・フランコルシャンは、昨日よりは霧の少ない、穏やかな朝を迎えた。しかし、天気予報は、曇りのち晴れ、午後曇り、時々小雨のち晴れ、、、という、いつもの通り、変わりやすく悩ましい天気を懸念させるものだった。

予選を前に、午前9時から45分づつ2回、30分間のインターバルを挟んで行われた、プラクティスは、曇り空から、時折太陽が覗く気温18度、路面温度17度、湿度79%というコンディションで開始された。パナソニック・トヨタ・レーシングのミカ・サロとアラン・マクニッシュは、予選へとセットアップを進める一方、懸念される天候の変化に対応すべく、タイヤ選択へと走行を重ねた。前半のセッションでは、アラン・マクニッシュが1分47秒670で7番手、ミカ・サロが1分48秒593の16番手、さらに後半では、ミカ・サロが1分46秒324で7番手、セッション終盤で電気系に不調を抱えたアラン・マクニッシュは、1分47秒670の18番手で午後の予選へと臨むことになった。

午後1時から行われた公式予選を前に、雲の切れ間に覗く青空からは強烈な太陽がパドックを照らし、気温は20度、路面温度も24度へと上昇する中、各チーム共タイムアタックを開始した。1時間にわたる予選タイムアタックでは、徐々に上昇する路面温度を考慮、さらに、先行車の直後に後続し、空気抵抗を少しでも減らしてタイムの向上をはかるという戦略が各チームとも一致して、セッション終盤5分前には、全車がピットイン。あたかも予選タイムアタックが終了したかのような静寂に包まれた。しかし、これも束の間、お互いの様子見も限界となったセッション終了3分前には、各車が続々とピットアウト、最後のタイムアタック。この戦略も功を奏して、ミカ・サロは、1分45秒880で予選9番手、アラン・マクニッシュは、1分46秒485の予選13番手を確保。パナソニック・トヨタ・レーシングにとって、今シーズン7回目の予選トップ10から決勝レースへ臨むこととなった。

ミカ・サロ: #24 予選9番手 1分45秒880 12周 シャシーTF102/07 
「今季の低速サーキットでの戦いは終わり、これからのレースは高速サーキットでのレースとなり、我々のエンジンパワーをフルに活かすことが出来る。まさにチャンス到来。その手応えを今日の予選で得ることが出来た。予選結果には満足している。予選では多少セッティングに手を加えただけで、最後のアタックは、タイヤの空気圧を変えただけだが、それが効いた。我々は、再び自信をもってレースを戦うことが出来る」

アラン・マクニッシュ: #25 予選13番手 1分46秒619 12周 シャシーTF102/08
「予選中に若干セッティングを変えたが、残念なことに最後のアタックまでに最適なタイヤ空気圧を見出せなかった。望んでいたポジションとはならなかったが、最後には挙動も安定して来た。スパは追い越しの出来るサーキットでもあり、明日の決勝レースには積極的に立ち向かう」

エンジン部門ジェネラルマネージャー ノルベルト・クライヤー:
「予選では、2台とも新スペックのエンジンを搭載したが、その性能には満足している。スパはパワー・サーキットであり、パワフルで、信頼性のあるエンジンが求められる。とくに、ル・レディオンの上り坂は、フルスロットルでの過酷な走行となる。今日の成果には満足しているが、ここスパの天候は気まぐれ。我々は、おそらく刻々と変化するであろうコースコンディションに、充分に備えなければならない」

テクニカル・コーディネーター 高橋敬三:
「今日は、ミカ・サロ、アラン・マクニッシュともにセットアップが決まり、新たに投入した新スペックエンジンも好調で期待通りの予選結果を残すことが出来た。明日は、若干天候の悪化が懸念されるが、どのような状況にも万全の体制で対応出来るように、これから最後の詰めを行なう」

<予選>
天候: 快晴
気温: 最低18℃ 最高26℃
路面温度: 最低19℃ 最高30℃
湿度: 63%
   
T-CARシャシ-: TF102/06(アラン・マクニッシュ仕様)

明日の決勝レースは、現地時間午後2時(日本時間9月1日午後9時)にスタートが切られる。